IRIS社 FAQ EMI試験とは?

IRIS社 FAQ EMI試験とは?

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Q EMI試験とは?

A

EMI試験を発電機に応用すると、EMIが高周波変流器と特殊な受信機/スペクトラムアナライザーを用いた一種の部分放電試験になります。

EMIの意味は電磁障害(Electro Magnetic Interference)です。EMIが最初に問題になったのは架線から発生するコロナ放電がAMラジオの受信に干渉した1920年台にさかのぼります。ラジオの受信者や放送局からの苦情に対し、政府が電線からの障害に許容値の規制を作りました。当然電力会社は架線の直径を太くするか導体を束ねることで導体の電場を弱くし、ラジオに干渉するコロナを減らさなければなりませんでした。AMラジオへの(その後TVへの)干渉の量を確かめるために架線のコロナが発生する電磁障害の量を測定する機材が作られました。EMI試験器はアンテナと広い周波数帯域で同調できる機器から成り立ちます。コロナが発生する信号レベルを定量する様々な方法が用いられました。

1940年代にウェスチングハウス社のJohnny Johnsonが発電機のオンライン部分放電に市販のEMI試験器を使用したのが多分始めての応用です。コロナは部分放電の特殊な形態にすぎず、このようなEMIあるいはRFノイズ測定器を使用するのは当然でした。Johnsonの仕事では、EMI装置への信号は発電機の中性点に対し接地点に取り付けた高周波変流器から来ます。北米ではこのCTを、RF電流を検出するのでRFCTと称しています。Johnsonは発電機の部分放電は特異な周波数(約1MHz、AM放送帯の中心)で発生することを発見し、実験から新しい方法でスロット内のコイルが緩んだ発電機を何台も見つけることができました。

最大の電力会社がEMI試験器を持っていたので、大勢の人がウェスチングハウスの発明した技術を試すようになりました。その1人がオンタリオ・ハイドロ社のMo Kurtzでした。彼はRFCTが発電機のターミナルに設置したキャパシターセンサーよりも1桁から2桁弱い信号を発生していることにすぐに気がつきました。部分放電は高電圧のコイルで発生しやすく(部分放電はターミナル側のコイルだけにできる高い電場で発生します)、部分放電の信号が巻線の導体を伝播して中性点にたどり着くまでには大きな損失があるので、RFCTからの信号は小さくなります。また中性点のRFCTはすべての相からの部分放電を検出するので、どの相に深刻な部分放電があるか検出できません。オンタリオ・ハイドロ社は装置のEMI試験を1980年代まで続け、1980年台後半にEPRIの予算によるウェスチングハウス社との共同研究プロジェクトで試験方法の改良を支援しましたが、キャパシタを使用した部分放電試験の信号の方が容易に解析できることがわかりました。
(EPRI:Electric Power Research Institute電力研究所)

そのほかの機関、例えばSiemens社、the British utility CEGB社, Virginia Electric Power社 や最近ではAmerican Electric Power社がEMI試験を使用しましたが、ほとんどが信号源をターミナル側に設置したキャパシタに切り替えました。

現在は、EMI試験(ウェスチングハウス社はRFモニタリングと呼んでいます)は特殊な場合でのみ利用されています。
広く利用されない理由は:

殆ど劣化した装置の場合を除いて、大部分の装置からの測定結果を解析するのに十分な経験と膨大な知識が必要になります。プラントには他にも多くの高周波発生源があります。例えばコンピュータの電源、静電気、電気集塵装置、電動工具の運転(整流器のスパーク)などは一般的で、プラントではなんら珍しい物ではありません。これらのノイズの周波数を切り分けるには試験者に技術と経験が必要です。特に、新しい発生源が増えたり発生源自身が変わったりしてノイズ環境は時間によって変動するからです。これらの技術を学び経験を重ねている方が数社に居ます。

部分放電から発生する周波数を計算するのに固定子巻線の詳細構造についての十分な知識も必要になります。スロット内で部分放電が発生すると、放電電流の一部がスロット内のコイルの長さに依存した周波数のRFを発生します。(ギターの弦がある周波数で振動するのと同じように)モーターのスロットは0.5m位からタービン発電機では6m以上になるので、部分放電特有の周波数は非常に広い範囲になります。同様に、巻線端の電気的トラッキングからの部分放電は、巻線端の長さとコイルの間隔に依存します。通常保守担当者はこの物理的なデータを持っていることはなく、それを手に入れようともしません。

EMI試験をモーターに応用するのはほとんど困難です。なぜなら接地する中性点が無いからです。したがってこの技術は唯一発電機には容易に使えます。

EMI試験が発明されてから50年以上になりますが、EMI試験はどの相が一番劣化しているかを、あるいはどのスロットに絶縁不良あるかを確定することは未だできません。EMI試験の最も便利な点は、プラントのすべてのEMIの問題に対応できると言われています。本来のEMI試験は、架線が対象で、架線のノイズスポットの箇所を検出することだったので、その点は本当です。しかし最新のPDA-IVやTGAの技術はまさに同様のことをしています。最新の試験は固定子からの信号を他の干渉から分離します。いくつかの手法を用いると、プラントのどこかでアーク溶接機を使っていても、TGAとPDA干渉信号ではCTの接地線のアークや、静電気の発生を識別できます。

(本文章はIRIS社のホームページから要約したものです。不明な点は原文をご参照ください。)