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USB Type-Cについて
USB Type-Cのコネクタの端子配置は以下となりPlug面の上下を気にすることなく接続することができます。
ここではUSB Type-Cのそのものの説明は割愛しますが、規格や機能の概要ははじめてのUSB [USB Type-C™ 及び Power Delivery規格入門]をご覧ください。
USBインターフェイスでは毎日何度もUSBケーブルを抜き差ししますが、USBポートに触れたりはめ込む際に静電気放電が発生する可能性があります。
これらの静電気はユーザーの人体またはケーブルに蓄積された電荷により生成され、静電スパイクは最大数万ボルトに達します。これにより後段のICに損傷を与える可能性がありますので個々のUSB端子の静電保護は必至と言えます。
信号ライン
では各信号ラインに求められる要件について説明します。
SBU端子、CC端子
コネクタの端子構成を参照すると、CC端子とSBU端子はVBUS端子の隣にあることがわかります。
VBUS端子は最大20Vに達する可能性があるため、短絡状態が発生した場合CC端子とSBU端子は20Vにさらされます。
この場合、CCピンとSBUピンを保護するためにブレークダウンが20V以上のTVSダイオードが必要です。
このような要件に対しセムテック社のμClamp2411ZAが最適です。
以下スペック表のとおり、高いESD耐圧、低ダイナミック抵抗を備えた双方向TVSダイオードです。
超小型の0603パッケージで提供されますので基板への配置にも柔軟に対応可能です。
なお、VBUS端子への短絡を想定しない場合はセムテック社のμClamp5011ZAが最適です。
Tx±, Rx±端子
Tx±およびRx±ラインは、超高速インターフェイスおよびオルタネートモードに使用されます。
このラインは10Gbpsのデータ速度が必要であるため、シグナルインテグリティの維持のため使用するTVSダイオードは超低ジャンクション容量であることが求められます。
このような要件に対し動作電圧3.3V、高いESD耐電圧、最大0.25pFのジャンクション容量、かつ超小型の0603パッケージで提供されるセムテック社のRClamp3371ZCが最適です。
D±端子
D±ラインはUSB2.0インターフェイスに使用される最大480Mbpsのデータ速度の信号ラインです。
ここにはセムテック社のRClamp4021ZAが最適です。
以下スペック表のとおり動作電圧4V、ジャンクション容量0.55pF、ダイナミック抵抗0.12Ω、かつ超小型の0603パッケージで提供されるTVSダイオードです。
電源ライン
VBUS端子
VBUS端子を保護するには、20Vを超える動作電圧、高速応答時間、低クランプ電圧を備えたTVSダイオードが必要です。
VBUSラインは一般に追加の静電容量の影響を受けないため、高速信号ラインで要求されるような低ジャンクション容量の必要ありません。
このような要件に対しセムテック社のµClamp2271Pが最適です。
動作電圧22V、ピークパルス電流25A、高いESD耐電圧を有しており、通常時の動作保証をするとともに電源ラインの確実な保護を可能にします。
なお、シリーズ品番として動作電圧5V~36Vの製品を同一パッケージでご用意していますので、USB PD規格の電圧値に合わせた選択も可能です。
まとめ
このようにセムテック社ではUSB Type-Cの全信号ラインのESD保護に対応するTVSダイオード製品を提供しております。製品開発や置換え検討でこれら製品を評価してみたい場合以下よりサンプル請求いただけますので、この機会に是非お試しください。