はじめてのプロセッサ

今回はTexas Instruments(以下、TI社と表記)のプロセッサ製品をはじめて使う、またはご検討いただくお客様を対象に、プロセッサ、マイコン、DSPの違いや使用する場所、役割についてご紹介します。

マイコン、プロセッサ、DSPってどんなもの?

マイコン、プロセッサ、 DSPとは・・・

さまざまな機器やシステムの中心にあるデバイスです。
システム全体に命令したり、デジタル信号を加工したりする役割を担っています。

ユーザーがC言語等のプログラム言語を使ってプログラムを作成マイコン、プロセッサ、DSPがそのプログラムを実行することで、多様な動作をさせることが可能です。

例えば・・・

 ・LEDを光らせる
 ・時間を計る
 ・音声データからノイズを消す
 ・映像データを再生する

マイコン、プロセッサ、DSPは何が違うのでしょうか。
先ず、マイコンとプロセッサの違いから見てみましょう。

◆マイコンとプロセッサの違い
内部機能ブロック図でマイコンとプロセッサの構造を比べてみます。

主記憶装置( RAM/ROMなどのメモリ)の配置に違いがあります。

・マイコンでは、内蔵のメモリが主記憶装置となります。
 ⇒マイコンは、限られたメモリで処理可能な場合に使用されます。そのため簡単な処理に使われることも多く、内蔵メモリを主記憶装置として使用します。

・プロセッサでは、基本的に外付けのメモリが主記憶装置となります。
 ⇒プロセッサは、大規模なシステムの中心となり、マイコンに比べ複雑な処理に使用します。
 ⇒一般的にOS(LinuxやリアルタイムOS)を搭載して動作しますので、プログラムや処理するデータの規模がはるかに大きくなり、必要なメモリの量をユーザーが決定できる外付けメモリを主記憶装置として使用します。
 ⇒外付けメモリは、内蔵メモリに比べてデータのアクセススピードが遅くなりますので、キャッシュメモリを搭載することで外付けメモリアクセスのオーバーヘッドを極力小さくしています。

ペリフェラル(周辺装置、入出力装置など)にも違いがあります。

マイコンでは、主に、ADC等から比較的少量のデータを取り込んで処理したり、GPIOや、シリアルインターフェース(UART、I2C、SPI等)を通じて、システム全体の制御等をおこなっています。

プロセッサでは、GPIOやシリアルインターフェースの他に、次のような高機能な装置を内蔵し、データを大量に、高速に処理可能です。

・高度なペリフェラル
プロセッサは、CPUを介せず入出力装置と記憶装置の間でデータの転送を専用に制御するDMA(ダイレクトメモリアクセス)コントローラや、外部メモリとのインターフェースのための外部メモリコントローラなど高度な周辺装置を持っています。また、特定アプリケーション向けにアナログフロントエンドを搭載しているプロセッサがあります。

・コプロセッサ
プロセッサは、特定の演算などを高速に実行するため、CPUの処理を補助する装置を搭載しています。浮動小数点演算や画像処理などを専門に行う補助処理装置をコプロセッサと言います。

コア(CPU)自体の性能に違いがあります。

プロセッサは、制御装置や演算装置が高性能となり、高速、大容量データに対応し、マイコンより複雑な処理が可能です。

・DSPとプロセッサの違い
次に、DSPとプロセッサの違いについて見てみましょう。
DSP は一言でいうと、

デジタル信号処理に特化したプロセッサです。

DSPはプロセッサの一種で、デジタル信号処理に特化した機能を持っており、プロセッサよりも演算処理を高速に行うことが可能です。そのためプロセッサに比べ、非常に高性能な演算装置を搭載しています。

DSPの特徴

高性能な演算装置として次のような特徴があります。

・掛け算と足し算を1サイクルで実行可能な積和演算器を搭載
 ⇒デジタル信号処理を高速に実行するために必要な機能です。

・デジタル信号をリアルタイムに処理が可能
 ⇒高い演算処理能力により、入力データを決められた時間内に処理することができます。例えば、航空管制用レーダーシステムは、レーダーアンテナからの連続的な入力データをリアルタイムに処理して、スクリーンを見るその瞬間の航空機の実際の位置を映像として、スクリーン上に表示します。

周辺装置に次のような特徴があります。
・入出力データを大容量かつ高速に送受信するためのSerDesを搭載
 ⇒SerDes(パラレルインターフェースとシリアルインターフェース間を変換してデータ伝送するための高速インターフェース)を内蔵するDSPもあります。

・アプリケーションに特化した専用のアナログフロントエンド等を搭載
 ⇒特定のアプリケーションが必要とするセンサー等アナログ部品とのインターフェースとなるアナログフロントエンド回路を内蔵するDSPもあります。(例:ミリ波レーダー向けデバイス)

マイコン、プロセッサ、DSPってどんなところで使うの?

例えば・・・

具体的な使用例

マイコン、プロセッサ、DSPがどのように使用されるか、具体的な例を見てみましょう。

・マイコンの使用例(冷蔵庫の温度調節部)

・プロセッサの使用例(マルチファンクションプリンタ)

・DSPの使用例(ボイスレコーダー)

TI社のマイコン、プロセッサ、DSPはどんなものがあるの?

TI社では幅広い製品ラインナップを取り揃えております。

主な製品

・多くの採用実績を持つTI社製の汎用マイコン MSP430™ シリーズ
・ArmアーキテクチャCPU搭載の高性能プロセッサ Sitara™ シリーズ
・TI社のC6xコアを1つまたは複数搭載したDSP C6000/Keystone™ シリーズ
・ソフトウェア・ツールと開発キット
マイコン、プロセッサ、DSPを搭載したシステムの開発に使用します。
⇒各シリーズ毎に様々な評価ボードが用意されています。また、これらの評価ボードはすべて無償の統合開発環境CCS: Code Composer Studio™)を使用して開発することが可能です。
統合開発環境 CCSについてはこちらも合わせてご確認ください。

詳しくは、TI社ウェブサイトの製品紹介サイトをご覧ください。

TI社では、製品トレーニングビデオをウェブサイトで公開しています。(英語または日本語字幕)

セミナプログラムのご紹介

今回は「はじめてのプロセッサ」セミナの導入部分を、ご紹介させていただきました。 セミナ本編では、より深く各種プロセッサ製品の特徴やセレクト方法などをお話しさせていただきます。

Agenda

  • マイコン、プロセッサ、DSPってどんなもの? (11頁)
  • マイコン、プロセッサ、DSPってどんなところで使うの?(5頁)
  • TI 社のマイコン、プロセッサ、DSPはどんな特徴があってどんなものがあるの?
  • TI 社のマイコン、プロセッサ、DSPってどうやって選べばいいの?(6頁)
  • 最後に(2頁)

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