WEBENCH® Power Designer AC/DC Power Designs編

今回は、新しくアップデートされたTexas Instruments(以下、TI社と表記)が提供するWEBENCH® Power DesignerのAC/DC設計手順について解説します。

WEBENCH Power Designer “AC/DC Power Designs”

AC/DC回路は、トランスや位相補償の設計にかなりの経験を必要とするケースが多く、回路設計に多くの時間を必要とする場合があります。

そんな中、WEBENCH Power Designerを使えば、簡単に回路図や部品リストまで出力されるため、初心者でも気軽に設計をスタートさせることができます。

まずは、“START DESIGN”をクリックしてみましょう。

設計条件

今回は、汎用的な仕様の下記条件で設計を進めます。

入力電圧 : AC 85〜265[V]
出力電圧 : 5[V]
出力電流 : 1[A]
周囲温度 : 30[℃]

重視するポイント : 効率とコストのバランス

それでは、はじめていきましょう。

AC/DC設計の手順

1.設計条件の入力

まずは今回の設計条件を入力していきます。

①Input (入力条件)
最小入力電圧と最大入力電圧の条件を入力します。





②Output (出力条件)
出力電圧と出力電流の条件を入力します。





③Design Consideration (設計重視ポイント)
どのパラメータを重視して設計を行うか指定します。

・Balanced : バランス良い設計
・Low Cost : 低コスト設計
・High Efficiency : 高効率設計
・Small Footprint : 小型設計

今回はバランス重視設計なので、“Balanced”を選択します。

④Design Parameters (設計パラメータ)
最大周囲温度の条件を入力します。

全ての入力が終わったら“VIEW DESIGNS”をクリックします。

2.便利なフィルタ機能でデザインの絞り込み

入力した条件に合ったデザインが出力されました。全部で112通りのデザイン・・・。どれを選べば良いか迷ってしまいますが、ご安心ください。フィルタ機能を使うことで効率、コスト、実装面積から最適なデザインを選択できます。

今回はバランス重視の設計の中でも効率が高いものを選ぶために、最も効率が高くなるようにフィルタを設定します。すると、デザインを2つに絞り込むことができました。

3.比較機能でデザインの決定

新しくなったWEBENCH Power Designerでは、実装面積やコスト、部品点数、効率などを一目で比較することができ、デザイン比較がより容易に行えるようになりました。

今回の条件で絞り込まれた2つのデザインを比較した結果、効率は「LM5023」と比較し1.56%劣ってしまいますが、効率とコストのバランスを重視して、部品点数が少なくコストが安価な「UCC28740」を選択することにします。

このように比較機能を使用することで、デザインの特長を簡単に比較することができるため、自分の要望に合ったICの選定と回路設計を短時間で行うことができます。

担当エンジニアからの一言

今回は、WEBENCH Power Designer用いたAC/DCデザインの設計を行いましたが、パラメータの絞り込みやデザイン比較を簡単に行えるため、短時間でICの選定と回路設計を行うことができました。コストや効率など、重視したい設計ポイントを選択できる点も、より実設計に役立つのではないかと感じます。

AC/DC電源ソリューションにお悩みの方、ぜひWEBENCH Power Designerをお試しください。

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