WEBENCH® Power Designer DC/DC Power Designs編

今回は、新しくアップデートされたTexas Instruments(以下、TI社と表記)が提供するWEBENCH® Power DesignerのDC/DC設計手順について解説します。

WEBENCH Power Designer “DC/DC Power Designs”

TI社は豊富なDC/DC製品ラインアップを取り揃えており、お客様の幅広い電源のご要求に対応しています。IC自体の機能が進化し設計がどんどん容易になってきていますが、同時にWEBENCH Power Designerを活用することで、ご要求にあわせた最適なICを選定し、周辺定数選定やシミュレーションまでの一連の検討を短時間で行うことができます。

それでは“START DESIGN”をクリックし早速はじめてみましょう。

設計条件

今回は2セルのリチウムイオン電池を使用したモバイル機器を想定し、以下の条件で設計を進めます。

入力電圧 : 6〜8.4[V]
出力電圧 : 3.3[V]
出力電流 : 5[A]
周囲温 : 30[℃]

重視するポイント : 実装面積とコスト
必須IC機能 :
FET内蔵、同期整流、スイッチング周波数1MHz以上、ソフトスタート調整可、軽負荷モード有

それでは、はじめていきましょう。

DC/DC設計の手順

1.設計条件の入力

まずは今回の設計条件を入力していきます。

①Input (入力条件)
最小入力電圧と最大入力電圧の条件を入力します。




②Output (出力条件)
出力電圧と出力電流の条件を入力します。




③Design Consideration (設計重視ポイント)
どのパラメータを重視して設計を行うか指定します。

・ Balanced : バランス良い設計
・ Low Cost : 低コスト設計
・ High Efficiency : 高効率設計
・ Small Footprint : 小型設計

今回はモバイル機器を想定していますので、実装面積を小さく設計するため、“Small Footprint”を選択します。

④Design Parameters (設計パラメータ)
複数のパラメータ設定が可能です。

・ Max Ambient Temp : 最大周囲温度
・ Max Comp Height : 最大部品高さ
・ Soft-start Time : ソフトスタート時間
・ Min Package Size : 最小部品サイズ
・ Use External Frequency Sync : 外部同期機能使用 有/無
・ Adjustable Frequency : 任意のスイッチング周波数を指定
・ Use Ceramic Capacitors : セラコンの使用 有/無
・ Use Shielded Inductors : シールドインダクタ使用 有/無
・ Show All Topologies : 表示する回路構成を制限

今回は、周囲温度を30[℃]にします。

全ての入力が終わったら“VIEW DESIGNS”をクリックします。

2.便利なフィルタ機能でデザインの絞り込み

入力した条件に合ったデザインが抽出されましたが、全部で138通り・・・。こんなに種類が多いと、どれを選べば良いか迷ってしまいますが、ご安心ください。フィルタ機能で、最適なデザインを選択できます。

設計条件の必須IC機能に合わせてフィルタを設定した結果、6つのデザインに絞り込むことができました。

必須IC機能
・FET内蔵
・ソフトスタート調整可
・軽負荷モード有
・同期整流
・スイッチング周波数1MHz以上

3.比較機能でデザインの決定

新しくなったWEBENCH Power Designerでは、実装面積やコスト、部品点数、効率などを一目で比較することができ、デザイン比較がより容易に行えるようになりました。

今回の条件で絞り込まれた6製品を比較した結果を以下の表に示します。
※実際のWEBENCH 比較機能の画面は、AC/DC Power Designs編をご参照ください。

結果を見ると一目瞭然!

今回、重視するポイントとしてあげている実装面積とコストを比較すると、「TPS62182」が設計条件に合っているデザインとして、選択することができました。

担当エンジニアからの一言

普段からDC/DCを扱う機会が多いのですが、簡単に複数のICを比較検討する方法を模索している所でした。新しくなったWEBENCH では、効率やコスト、実装面積などを確認しながら比較することができるので、大幅な時間短縮が期待できそうです。

DC/DCソリューションの選定にお悩みの方、ぜひWEBENCH Power Designerをお試しください。

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