WEBENCH® Power Designer “SIMULATE”機能説明編

新しくアップデートされたTexas Instruments(以下、TI社と表記)が提供するWEBENCH® Power Designerで、特にご質問を多くいただく"SIMURATE"機能について TPS54320 のデザインを例に解説します。

TPS54320 デザインの抽出

TPS54320 WEBENCH Power Designerデザイン抽出までの流れを確認したい方は、下記のWEBENCH Power Designer “CUSTOMIZE”機能説明編をご確認ください。

“SIMULATE”機能

“SIMULATE”機能では、デザインの電気特性シミュレーションなどが行えます。画面上に複数のタブが準備されており、ここからは以下の①〜④の機能を説明します。

① Simulations

項目を選択し“START”を押すと、下記のシミュレーションを行うことができます。

 ●Bode Plot : 位相余裕度の確認
 ●Startup : 起動時の出力電圧波形を確認
 ●Load Transient : 負荷変動時の出力電圧波形を確認
 ●Input Transient : 入力電圧変動時の出力電圧波形を確認
 ●Steady State : 定常時のスイッチング波形を確認

② Simulation Jobs

実行したシミュレーションの一覧が確認できます。複数のシミュレーションを行った場合には、それぞれの結果が表示されます。

③ Schematic

シミュレーションを行った結果が保存されます。複数のシミュレーションを行った場合には、それぞれの結果が表示されます。
部品変更の方法は、下記のWEBENCH Power Designer "CUSTOMIZE"機能説明編をご確認ください。

④ Waveforms

シミュレーション結果が表示されます。複数のシミュレーションを行った場合には、それぞれの結果が表示されます。
では、実際のシミュレーションの方法を位相余裕度のシミュレーションを例に見てみましょう。

位相余裕度(Bode Plot)のシミュレーション

お客様より質問が多い位相余裕度のシミュレーションについて、実際に行った結果を以下に示します。
 シミュレーションは右図の条件で行っています。
回路の変更が終わりましたら、"Simulations"のタブの"Bode Plot"を選択し、"START"をクリックすると"Waveform"のタブに結果が表示されます。

Rcomp=10[kΩ](条件1)にすると、バンド幅が上昇し応答性が速くなる半面、位相余裕度とゲイン余裕度が共に低下しました。一般的に位相余裕度は45度以上、ゲイン余裕度は-10〜-20[dB]以上を目安にすることが多いので、少々ぎりぎりの設定に感じます。

そこでRcomp=4.75[kΩ](条件2)にすると、位相余裕度とゲイン余裕度に十分なマージンが確認できます。Rcomp=4.75[kΩ]程度に設定すると十分安全な設計になることが分かりました。

このように"SIMULATE"機能を活用することで、ICの選定だけでなく事前に回路全体の検証、動作確認を行うことができます。

担当エンジニアからの一言

評価ボードなどで動作確認を行うと、部品変更や機材の準備など面倒な作業が多く時間が掛かってしまいますが、”SIMULATE”機能を使用することで動作確認をPC上で簡単に作業を行えます。短時間でシミュレーションを行える点も設計時の作業効率改善に役立ちます。一度体験していただくと、この便利さが分かっていただけると思います。ご検討中の方はぜひこの機会にご利用ください!

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