Semtech社製 静電容量式 近接/タッチセンサのご紹介

Semtech Corporation(以下、Semtechと記載)社製の静電容量式 近接/タッチセンサは、人体の近接・接触を多段階検出でき、距離も最大30cm程取れるため、スマートフォンやウェアラブルデバイスのみならず、家電・産業用途等で幅広く利用・検討されています。今回は同社の近接/タッチセンサの技術解説と製品の特長をご紹介します。

近接/タッチセンサとは

そもそも近接/タッチセンサとはとのようなセンサなのでしょうか?

Semtech社製品では静電容量方式を採用しており、センサパッドと対象物間の静電容量の変化量を検出することで人の近接・接触状態を検出します。

近接/タッチセンサは対象物が近接あるいは接触しているかどうかを判別することができるため、様々なアプリケーションで活用されています。例えば皆さんがおなじみのTWS(ワイヤレスイヤホン)では耳につけているかどうかを判定するために使用されたり、消毒液等の液体ディスペンサーでは手を近づけたときだけ動作させるようにする事や、アルコールの残量検知にも使用可能です。通常、アルコールは水と比べて静電容量がはるかに小さいので検出が難しいのですが、Semtech社製品では検出可能です。また人体以外の検出では、金属物体の近接検出や、紙などの検出(1枚か2枚の見分けも可能)などの用途にも応用することが可能です。

このように様々な製品に搭載されている近接/タッチセンサですが、使い勝手はどうでしょうか?

近接/タッチセンサは様々な環境に対応することが可能です。例えばタッチ検出においては、濡れている環境、手袋をしている状況でも検出できたり、スライダー・ホイール等のパッドを使用したジェスチャーセンシングにも応用できます。さらに、触れているものが人体かどうかを判別する事ができるため誤検出を防ぐ事もできます。また、近接検知ではパッドの面積にもよりますが、15~30cmの近接検知を行う事も可能なため、機器に触れることなく非接触でアクセスすることができます。

このように、近接/タッチセンサは高い耐環境性と柔軟なユーザーインターフェイスを提供することが可能です。

Semtech社製 近接/タッチセンサの特長

Semtech社製の近接/タッチセンサ製品には以下の特長があります。

  • aF(アト・ファラッド)レベルの超高分解能
  • 自動容量補正
  • 幅広いダイナミックレンジ
  • 低消費電力
  • アンテナ・シェアリング

次項から詳細を見ていきましょう。

aF(アト・ファラッド)レベルの超高分解能

皆さんよく御存知のとおり、コンデンサの静電容量の単位はF(ファラッド)です。μF(マイクロ・ファラッド、10-6 F)、pF(ピコ・ファラッド、10-12 F)くらいはよく耳にするオーダーですが、Semtech社の静電容量分解能はそれよりもずっと小さいaF(アト・ファラッド、10-18 F)オーダーに達します。
最も高感度なデバイスでは0.5aF刻みでデジタル値に変換することが可能です。

自動容量補正

Semtech社製品はタッチ以外の要素で発生する容量成分(C_env)を読み取り開始時に自動で補正します。各チャネル個別に実施するため、デバイスと各センサパッドの距離が異なる場合でも補正が可能です。
これにより、設計時の配線長やレイアウトのバラつき補正や、工場出荷時の容量値のチェックやキャリブレーションが必要ありません。

幅広いダイナミックレンジ

上記の自動容量補正により、シグナルに対するダイナミックレンジが大きくなり、より高精度に検知することが可能です。
ADCの精度としては16bit又は21bitの分解能をサポートしています。

低消費電力

スキャン周期とサンプリング周波数を変更することで、平均消費電流を低く抑えることが可能です。
その為、バッテリー駆動のアプリケーションに最適です。

アンテナ・シェアリング

RFアンテナそのものを近接センシングのパッドとして使用することができます。読み取り周波数はRFよりもはるかに低いため、コンデンサとインダクタで高周波と低周波を分離します。

アンテナ・シェアリングは以下のようなアプリケーションで活用することができます。
・スマートフォン:LTEアンテナと共用
・True Wireless Stereo : BTアンテナと共用
・カードリーダー:NFCアンテナと共用

Semtech社製 近接/タッチセンサ おすすめ製品

SX9324

SX9324は、スマートフォン、ウェアラブル機器、ポータブルオーディオ機器等に幅広く活用されているおすすめの製品です。
■高性能
 ●読み取り分解能: 4aF
 ●自動容量補正~200pF
 ●温度補正機能
 ●Failure detection / Steady detection
 ●内部に調整可能フィルタがある為、パッド-端子間に外部フィルタ不要
■アンテナ・シェアリング(Semtech社 特許)をサポート
 ●無線アンテナを近接センシングpadとして供用可能
 (内部回路によりRF電波干渉からの影響を低減)
■超低消費電力
 ●Sleep Mode – 2.5uA / Doze Mode – 6.5uA
■実装面積小
 ●パッケージ(0.9x1.7mm 8-WLCSP)
 ●外付け部品は電源部のコンデンサ、及びI2CのPull-UP抵抗のみ
■マイコンI/F
 ●1.8V or 3.3V I2C 対応
 ●割り込み信号をマイコンへ出力し、マイコン起動をかけることが可能
■入力電圧: 1.8V
■ESD : 8KV 保証(センサピン)

Semtech社製 近接/タッチセンサ 多チャンネル製品

SX9200

SX9200は、ジェスチャーセンシング、スライダー・ホイール検出も可能な多チャンネル対応可能な最新製品です。
■高性能
 ●読み取り分解能: 0.74aF
 ●自動容量補正~300pF
 ●温度補正機能
 ●Failure detection / Steady detection
 ●ノイズ低減用ADC filter / USEFUL filter
 ●内部に調整可能フィルタがある為、パッド-端子間に外部フィルタ不要
■アンテナ・シェアリング(Semtech社 特許)をサポート
 ●無線アンテナを近接センシングpadとして供用可能
 (内部回路によりRF電波干渉からの影響を低減)
■超低消費電力
 ●Sleep Mode – 1.23uA / Doze Mode – 7uA
■実装面積小
 ●パッケージ(1.80x1.90mm MLPD)
 ●外付け部品は電源部のコンデンサ、及びI2CのPull-UP抵抗のみ
■マイコンI/F
 ●1.8V I2C / I3C 対応、複数アドレス
 ●割り込み信号をマイコンへ出力し、マイコン起動をかけることが可能
■入力電圧: 1.8V
■ESD : 8KV 保証(センサピン)

最後に

今回はSemtech社製 近接/タッチセンサについてご紹介しました。 Semtech社独自の技術でより高精度なセンシングを実現することが可能です。
Semtech社では今回ご紹介した近接/タッチセンサを始め様々な製品を取り揃えています。詳細は以下の製品カタログをダウンロードしてご確認ください。

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