はじめてのVantiq [Typesの基礎]


Typesとは
Vantiqのシステムの内部および外部では様々なイベントが飛び交っています。
それらイベントのデータ構造を定義するのが「Types」の役割です。
「Types」は、データ構造を定義するだけでなく、同じ構造を持つデータを保存する機能も有しています。
「Types」はデータを保存する機能の有無によって「schema」と「standard」の2種類に分けられます。
schema
データの保存を行わない、データ構造の定義のみの「Types」です。あるデータのかたまりに、どのようなデータが含まれるかを定義できます。例として、温度センサから取得したデータを「schema」では下図のように 「TempData」として定義しています。
standard
schemaにデータ保存の機能がついた「Types」です。下図のように「TempData」のデータ構造に準じたデータ群を保存することができます。
プロパティ
「Types」で定義したデータ構造内に列挙された「名前とデータ型のペア」を「プロパティ」と呼びます。
レコード
「Types」で定義したデータ構造に準じて保存された実データをレコードと呼びます。
Typesの基本データ型
Vantiqシステムには予め基本のデータ型が用意されています。基本的にはそれらを組み合わせることで様々なデータ構造を定義できます。右図は基本データ型の一覧です。
Integer, Real, Boolean, String
整数、実数、真偽値、文字列を扱う場合はそれぞれInteger、Real、Boolean、Stringを指定します。
名前 | データ表現 | 例 |
---|---|---|
Integer | 整数(64bit) | 9,223,372,036,854,775,807 |
Real | 浮動小数点数(128bit) | 4.9406564584124654e-324 |
Boolean | 真偽値 | true |
String | 可変長のマルチバイト文字列 | “おはようございます。” |
DateTime
日時を扱う場合は、DataTimeを指定します。ISO8601フォーマット準拠のUTC表現となります。
名前 | データ型 | 例 |
---|---|---|
DateTime | 日時 | “1865-05-17T12:34:56.789Z” |
Decimal
固定小数点数を扱う場合はDecimalを指定します。
名前 | データ型 | 例 |
---|---|---|
Decimal | 固定小数点数 | “1234.567” |
Currency
通貨を扱う場合は、Currencyを指定します。
名前 | データ型 | 例 |
---|---|---|
Currency | 通貨 | “USD:500.00” |
GeoJSON
位置情報を扱う場合は、GeoJSONを指定します。
名前 | データ型 | 例 |
---|---|---|
GeoJSON | GeoJSON | { “type” : “Point”, “coordinates” : [ 35.692308, 139.780154 ] } |
Object
JSONに準拠したKeyとValueのペアを扱う場合は、Objectを指定します。
名前 | データ型 | 例 |
---|---|---|
Object | Object | { “sensorType” : “temp”, “value” : “37deg C” } |
ResourceReference
Vantiq独自のデータ型として、ResourceReferenceがあります。具体的な使用方法は別の機会に説明します。
名前 | データ型 | 例 |
---|---|---|
ResourceReference | ResourceReference | “/myresource/2093409d29084390” |
Vantiq IDEにおけるTypes編集
VantiqではWEBブラウザベースのIDEのGUIを介してデータ構造の定義および定義後の編集を容易に行うことができるため、日々変化する周囲の環境に迅速に適応していくことができます。
担当エンジニアからの一言
今回は「Types」の主な役割、用語、基本的なデータ型などについて説明しました。
今後は、より具体的な「Types」の使用方法などを説明する予定です。
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