Cross Talk 01

技術営業×技術
違う視点の意見をすり合わせ、
常に顧客のベストを目指す
最先端の情報と顧客に精通した技術を駆使
最強のタッグで商社ならではのサポートを展開し
顧客にも仕入先にもメリットのある最適解を目指す

丸文という
エレクトロニクス“商社”として
ものづくりに携わる

それぞれの職種「技術営業」と「技術」の仕事について話す前に、丸文ついて話したいな。Tさんはどうして商社である丸文に就職し、技術営業として働く決心をしたんですか?理系出身だと、メーカーのエンジニアや研究職が多いと思うけど。

確かに、同級生はメーカーにエンジニアとして就職する人が多かったです。学生さんは丸文のようなエレクトロニクス関連の商社の存在を知らない人が多いのではないかと思います。実際、私も大学主催の就職セミナーでその存在を初めて知り、興味を持ちました。そして、エレクトロニクス商社でモノづくりに関わるのも面白いのではないか、と思ったんです。

私は、もともとメーカーの開発エンジニアだったのでエレクトロニクス商社との付き合いがあり、商社の技術職と接するうちに興味を持つようになりました。ある時、転機が訪れ、縁あってメーカーのエンジニアから丸文の技術職に転身しました。エンジニアの頃は開発納期に追われることもありましたが、今は自分のペースで仕事ができ、休みもしっかり取れて満足しています。Tさんは実際に丸文に入ってどうだった?

学生の頃は、モノづくりはメーカーのエンジニアだけのものと思っていたのですが、今では我々のような商社の存在も非常に重要な役割を持っているというくらいの考えを持つに至っています。

丸文って、業界では誰もが知っている会社で、産業機器や車載機器、民生機器などいろいろな分野に強く、航空宇宙分野でも強みを発揮していて、すごく堅い会社だと思っていたんです。でも実際入ってみたら、社員一人ひとりがフランクで、面白い人がたくさんいたので安心した記憶があります。

確かに、丸文という名前からはなかなかエレクトロニクス商社に結びつかないし、江戸時代からあって、お堅いイメージがあります。でも、特徴的で面白い人がいるというのは私も感じていますし、フレンドリーな方が多いですね。

技術営業と技術職の連携
それぞれの意見をすり合わせ
仕入先とお客さまwin-winを目指す

技術営業と技術職の役割を分けるとすると、最初に案件を見つけてくるのは技術営業で、詳細な技術サポートを技術職が担当するということですかね。

そうですね。技術営業にとっては、お客さまの製品の量産までのサポート、つまり受注することが最大の目標、ゴールになります。実際の仕事の流れとしては、まずお客さまにコンタクトを取って製品を紹介します。その後、検討、評価、試作を経て量産までをサポートしますが、その過程で必ず詳しい技術サポートが必要になり、技術職がそれを担うということでしょうか。

案件によって違ってきますが、技術職はある程度話が進んで深い技術サポートが必要になってから動く場合もあるし、最初の段階からお客さまのエンジニアと話をして製品の特長を的確に伝えて評価・採用に結びつける場合もあります。いずれにしても、技術的に深いところでお客さまとやり取りをして問題を解決して採用・量産に向けて尽力するのが技術職の仕事です。

確かに売り込んでいく場面でも、商社にとってはエンジニアの力が大事だと思います。製品の紹介そして提案から、例えば他社製品との比較、優位性を説明したりしますが、検討の段階でお客さまが「こういうことがしたいけどできるか、どうすればできるか」など技術的な質問をしてくることがあり、技術職が瞬時に対応してくれると非常に助かります。また、技術営業が入手した情報をもとに、こういう分野にこの製品は技術的にどうなのか気になるときは技術職に聞いて、もっとアプローチできるかどうかなど相談したりもします。技術的なテーマに関しては、とても頼れる存在ですね。

技術職からすると、商社は最先端のものを扱っているので、技術営業の人には世の中の技術的なトレンドを敏感に感じ取る、そういう感性を身につけてほしいですね。

商社が期待されていることのひとつとして、最新の市場情報や技術情報を入手して、お客さまに提供するということがあります。この先、こうなっていく、という世の中のトレンドをいち早くつかみ、広めていくことも技術営業の一つの役割ですね。
ところで同じエンジニアでも、メーカーと商社との違いというと?

両者の大きな違いは、技術を深掘りして一つの製品を開発していくのがメーカーのエンジニア、それに対して商社の技術職は、お客さまのさまざまな製品に対して、いろいろな角度から技術的なアプローチをしていく。民生品、産業機器、車載など対象がさまざまなので、多角的に興味を持てる人は商社の技術職が向いているのではないかと思います。

丸文のようなエレクトロニクス商社の技術営業や技術職は、多彩な分野のお客さまの最先端技術に触れることができ、興味深い話も聞けるし、これから世の中はこうなっていくんだということを間近で知ることができる面白みがありますよね。

世の中の一番新しい先端のものをつかむのが商社だと思います。丸文に転職してきたときに、世の中ってこんなに先端をいっているんだと、まるでタイムスリップしたみたいな衝撃を受けました。世の中の一般の人たちが使うのは、4年後、5年後というような、本当に最先端の技術を最初にキャッチできるのは商社なので、そういう商社ならではの面白みがありますね。

こんな技術があるんだと驚かされますよね。ただ、技術営業は、ビジネスっていう視点もしっかり持つ必要があります。その技術がどのお客さま、分野に活用できるか、今はこうだけど、この技術を使うことでコストや性能など、何かしらのメリットが提案できる、などいろいろ考えなくてはいけません。

技術営業には、製品の知識はもちろんですが、ビジネス全体を見渡して的確にビジネスをマネジメントできる能力が求められますね。エンジニアからすると、この製品の方が性能的にいいと決めそうなケースでも、技術営業からすると、コストなどトータルに考えてこっちの方がいいと、違う視点で見る必要がある。お互いに違う観点からの意見をちゃんと言える、技術的な視点だけでなくビジネス目線でも見られるのが技術営業、技術をとことん掘っていかなければならないのが技術職。違う視点での意見をお互い求めているところはあります。

お互いが、ビジネス的な観点と技術的な観点で意見を言い合って、お客さまが望むものに対して、「これだ」と決め打ちすることもあれば、いくつか選択肢を設けて提案する場合もあるし、お互いに相談してお客さまに最適な提案を目指せる強みがありますね。

商社としては、お客さまのメリット、仕入先のメリットをトータルに考えないといけない。我々はお客さまの近くにいるので、お客さまのメリットやニーズを感じ取れる、それが商社の強みだと思います。

そうですね。お客さまにとってベストなものかどうかをしっかり考えますね。ただ、お客さまと仕入先をつないでいる商社として、お客さまのメリットを考えると同時に仕入先にもメリットがなければならないので、平等な視点で見て両者がwin-winになるような形をコーディネイトするのが私たちの役割です。

大変な苦労の数か月後にしみじみと堪能する
商社マンにしか味わえない仕事の醍醐味

技術営業の仕事で大変なことはどんなこと?

技術営業は、今まで取り引きのない、丸文のこと自体を知らない会社へのアプローチも一つのミッションで、最初のアポ取りから大変です。また、コンタクトできても部品の評価を経て量産に至るまでにはいろいろ苦労はあります。それは大変だけれど、その分やりがいはありますね。

技術職は、お客さまのエンジニアと相対することが多いわけですが、職人気質の人が多いので、しっかりコミュニケーションをとって必要な情報を取ることがすごく難しい。

いろいろな人がいるので、そこは難しいですよね。ストレートに聞いて情報を出してくれる人もいれば、角度を変えて聞いてみないと聞き出せなかったり、単純ではない。技術職とどんな質問をすれば情報を引き出せるか、一緒に考えたりもしますね。

技術職の使命として、お客さまがどういう機能・性能を持ったデバイスを求めているか技術的な情報を聞き出さなければならない。さまざまなタイプのお客さまがいるので、お客さまの性格を読んで、こういう角度で聞けばいいのかと考えてアプローチするのはすごく難しい。逆に、うまく聞き出せたときはすごく嬉しいし、やりがいになります。

私も打ち合わせの中でさまざまな情報を得る必要があるので、紹介、提案したい製品の資料などの準備はもちろんのこと、事前にお客さまのWebサイトなどで調べて、聞き出したいことをまとめたりしますね。お客さまから、この人なら話してもいいかなと思ってもらえるようにする工夫をしています。

私も、想定でブロック図*を作って持っていって「これで合ってますか?」って聞いたりする。そうすると「だいたい合ってるけど、ここがちょっと違う」「ああそうなんですね、こんな感じですか?」というように修正してもらったり、いろいろ見せながら聞き出すようにしています。

事前に準備して持っていくと、お客さまも「いろいろ考えてやってるんだな」と思って話してくれたりする。こちらからも情報を提供し、お客さまからもいろいろ情報を得るよう心掛けています。

それがないとwin-winにはならない。やりがいに関していえば、ファーストコンタクトから量産まで、その間にもいろいろありますが、結果的にいろいろサポートして、何か月かして製品として世の中に出てきたときに、一番やりがいを感じます。担当した製品をCMや店頭で見たりすると、やってよかった、うまく量産までたどり着けたと実感しますね。

やってきたことが実って、大変だったけど、やってきてよかったと改めて思いますよね。

裏にはこんなストーリーがあったんだよな、とか、自分たちも一緒に苦労したから、この商品が世の中に出たんだよな、と心の中で思ったりして。これも商社ならではの大きなやりがいですかね。

メーカーでモノづくりに携わるのも一つの道だと思いますが、外に出てアグレッシブに動きながら、自身が学んできた理系の知識を生かしたい、幅を広げたいという考えの人にはエレクトロニクス商社は向いていると思います。自分自身、お客さまのいろいろなモノづくりに関わることができて、やりがいを感じていますし、日々楽しさを感じています。

私はもともと開発エンジニアだったので、その対比でいうと、圧倒的に違うのは、商社だと、いろいろなお客さまのいろいろな製品に触れることができ、いろいろな開発ストーリーを知ることができる。一つのものをじっくり深掘りするのと、いろいろなものに触れ合うことができる、これが大きな違いですね。

本当にさまざまな人、そして技術との出会いがありますよね。

だから、理系の学生さんでも、人とコミュニケーションを取るのが好きという人は、エレクトロニクス商社の説明を聞いてほしい。こういう職業があるんだなと少し深掘りしてもらえると、貴重な選択肢が増えるのではないかと思います。

私がまさにそうでした。最初は営業と聞いて自分にできるか不安でしたが、仕事をしていくうちに考え方が変わりましたね。最初に言った通り、エレクトロニクス商社の仕事を通じて、世の中の様々なモノづくりや技術に触れられるんだなと。特に技術営業は製品のことを語ることがメインで、知識と経験がついてくれば慣れてきますので、心配しないでください。

技術営業と技術職が連携して、それぞれの強みを発揮してゴールを目指す。商社の技術は大変なこともありますが、やりがいも大きいですよ。

*ブロック図:製品の中の半導体や部品の繋がり・構造を図に表したもの