私の課では超高輝度LEDを取り扱っており、LEDチップ、光源装置、測定器などLED光の出射から測定まで幅広いソリューションとして提案しています。私が担当しているメインのお客さまは、医療機器やバイオサイエンス向けの装置を作っている会社です。例えばLEDの光をファイバーの先から出して真っ暗な体内に光を当てて診察・診断する内視鏡に使われています。ほかにもマンモグラフィーや高精度の顕微鏡などにも採用されており、私の関わった開発品が病気の早期発見や治療、研究の進展に役立っていると思うと誇らしい気持ちにもなります。
入社後、わりと早い時期に大手のお客さまの担当になりました。1年目に一人で測定器のデモを行わなければならない状況になってしまい、ものすごく緊張した思い出があります。でも、これがきっかけで人前でも臆することなく話せるようになりました。先輩や上司のサポートがあったとはいえ、1〜2年目は大変な思いもたくさんしましたが、それが糧となって今につながっていると思います。
普段からお客さまとの関係作りを心がけ、お客さまの開発プロジェクトが立ち上がるタイミングで商品の提案を行います。医療機器だと、商品仕様だけでなく購買条件もトリッキーで、この取り交わしをいかにうまくまとめるかが技術営業の腕の見せどころです。お客さまの要望をお聞きし、仕入先メーカーと交渉して仕様や購買条件を詰めていきますが、そのプロジェクトだけでなくその先も見据えて、最初の条件決めをしっかりやっておかなければなりません。医療機器は開発に長い期間がかかるうえに、認証にも時間がかかってしまうため、お客さまは採用したLEDをできるだけ長く使いたい。一方、仕入先は明るさや色味など世の中のニーズの変化に応じてどんどん新しい製品を出したい。この相反するベクトルをどこで線引きするかが難しいんです。プロジェクトを成功させるには、お客さま、仕入先と足並みを揃えて3人4脚で進めていく必要があり、三者がWin-Winになれるゴールを目指して、その調整役を務めます。この大変な仕事が一区切りつくたびに「やりきった」と感じることができ、同時にさらに前へ進むモチベーションにもなっています。
この仕事は、お客さまの製品も仕入先の製品も両方理解していないとできないため、常に最新の情報収集を心がけています。特に医療やバイオサイエンスは非常にニッチで難しい分野なので、お客さまの製品はどのように使われているのかと想像力を駆使しながら調べ上げ、デモでお客さまのところに行ったときは必ず納得できるまで話を聞くようにしています。
これからの目標は、もっといろいろな商品、いろいろなお客さま、いろいろなプロジェクトなど携わる幅を広げていくこと。また、営業だけでなくマーケティングやテクニカルサポートなど業種の枠にもとらわれずに、いろいろな仕事にチャレンジしていきたいとも思っています。さまざまな経験を通して、自分の付加価値を高めていくことが、自分のためにもなり、丸文のためにもなると信じて前を向いて進んでいきます。