インフォメーション セイコーエプソン社製32ビットマイコン『S1C31D01』が「emWin」に対応
業界をリードするSEGGERのGUIツール「emWin」との組み合わせにより、メモリー液晶のGUIアプリケーション開発環境を支援
32ビットマイコン『S1C31D01』および「emWin」
セイコーエプソン株式会社(社長:碓井 稔、以下エプソン)は、このたび、32ビットフラッシュメモリー内蔵マイコン『S1C31D01』用として、SEGGER Microcontroller GmbH & Co. KG(CEO:Ivo Geilenbruegge、以下SEGGER)の組み込み製品向けGUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)ツール「emWin」を無償でご利用いただける環境を整備しました。これにより、メモリー液晶※1ディスプレイ向けのGUIの開発を効率的に行うことが可能になります。
エプソンは、SEGGERから「emWin」のライセンスを得て、『S1C31D01』用の「emWin」ライブラリー(オブジェクトコード)をお客様へ提供します。お客様はこの「emWin」ライブラリーを『S1C31D01』向けに無償で利用することができます。また、今後Arm® Cortex®-M0+プロセッサー※2を搭載した、エプソンのすべてのメモリー液晶コントローラー内蔵マイコンの「emWin」への対応を予定しています。
『S1C31D01』は、Arm Cortex-M0+プロセッサーを搭載した、世界初※3のメモリー液晶コントローラー内蔵マイコンで、2017年4月から量産を開始しています。
その特長は、メモリー液晶コントローラーと電源回路をマイコン内に組み込み、1チップ化した点にあります。メモリー液晶は、他形式の液晶パネルと比べ低消費電力性能に優れているため、バッテリー駆動のウエアラブル機器への採用が進んでいます。
「emWin」は、ディスプレイシステムにおいて、CPUおよびディスプレイコントローラーの種類によらず、効率的にGUIを開発できるように設計されたソフトウェアツールです。アプリケーションの開発者は、同ソフトを使用することで、複雑な表示が求められるGUIを効率的に開発することができます。
また、同ソフトは、独自OSおよび市販のRTOS(Real-time operating system)の、シングルタスクやマルチタスク環境に対応しています。
今後もエプソンは、省エネルギー、小型化、高精度を実現する「省・小・精の技術」により、お客様の製品のさらなる性能向上に貢献してまいります。
※1:メモリー機能を持った液晶。一般的な液晶ディスプレイでは、その性質上、静止画像の表示でも画像の書き換え作業が必要であるが、メモリー液晶は一度ディスプレイ上で画像を作ると、書き換え作業を行わずにそのままの画像を表示し続けることが可能。このため消費電力を抑えられる。
※2:英Arm社(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:横浜市港北区)製のプロセッサー。市場での圧倒的な採用実績とエネルギー効率に優れる。
※3:エプソン調べ:量産中の汎用マイコンにおいて(2017年11月末現在)
※ArmおよびCortexは、Arm Limited(またはその子会社)のEUまたはその他の国における登録商標です。
『S1C31D01』用「emWin」ライブラリーの主な特長
- 任意の表示色数を指定可能
- 省占有メモリー
- 幅広いIDE(Integrated Development Environment)およびツールチェーンに対応
- オプションでRTOSが使用可能
- 柔軟なメモリーインターフェイスにより、グラフィックやフォントをメモリー空間に自由に保存可能
- VNC(Virtual Network Computing)をサポート
- 標準的な画像フォーマットに対応(BMP、GIF、PNG、JPEG)
- フレームバッファー管理が可能
- あらかじめ用意された標準GUIスキン
- ウィンドウマネージャーが利用可能
- メモリー液晶コントローラーの2D描画アクセラレーターをサポート