サステナビリティ 環境・社会
TCFD提言に基づく情報開示
当社は、金融安定理事会により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」による提言への賛同を表明するとともに、賛同企業や金融機関からなる「TCFDコンソーシアム」に参画しています。
当社は、気候変動が当社グループにもたらすリスクおよび機会にについて、TCFD提言に沿って以下の通り開示しています。
ガバナンス
当社では、サステナビリティ委員会を設置し、気候変動への対応を含むサステナビリティに関わる方針や計画の策定、取り組みのモニタリングなどを行っています。
課題と戦略
当社は気候変動への対応も踏まえ、以下の事業戦略に基づき、事業開発と事業拡大の機会を追求しています。
デバイス事業 | 新規商材・新規商権の開発推進 |
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既存事業の収益性の維持・向上 | |
システム事業 | 新規領域における事業規模と収益基盤の拡大 |
既存領域における競争優位性の強化 | |
グループ連携の強化 | |
ソリューション事業 | 高付加価値ビジネスの開発推進 |
新規ビジネスモデルの構築と拡大 | |
ソリューション開発力の向上とグループシナジーの創出 |
■1.5℃シナリオ
エネルギー政策の変更や炭素税導入により、コスト(経費/原価)の増加が想定されます。
一方で、当社が対象とする市場においては、多くの低炭素化技術が次々に実用化されていく中、EVや産業機器、通信機器などに、従来以上に電子機器や半導体・電子部品などが採用され、需要拡大が期待されます。増加が想定されているコストの転嫁・回収ができれば、市場拡大に伴う相応の収益の増加が見込まれます。
■4℃シナリオ
コスト(経費/原価)の増加は1.5℃シナリオほど大きくありませんが、自然災害の発生頻度や激甚化が想定されます。一方市場では、大きな成長は見込めませんが、一定の成長の継続が期待されます。1.5℃シナリオほどの収益の伸長は見込めませんが、増加コストの転嫁・回収ができれば、市場成長に応じた一定の収益の増加が見込まれます。
■1.5℃・4℃シナリオにおける影響度の分析
リスク管理
気候変動に関わるリスクについては、サステナビリティ委員会が気候変動のリスクと機会を網羅的に評価します。気候関連リスクの優先順位付けは、リスク/機会が財務状況に与えるインパクトの内容や大きさ、複数シナリオでの影響度などにより重要度を設定しています。その結果を全社のリスク管理計画に組み込んで、代表取締役社長が委員長を務める内部統制委員会の承認を受け、取締役会に報告しています。
指標・目標
当社では気候変動への取組みを評価するため、Scope1~3の温室効果ガス排出量を指標としています。
(2023年度 実績)
グループ実績 | 単体実績 | |
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Scope1 | 884 t-CO2 | 91 t-CO2 |
Scope2(マーケット基準) | 893 t-CO2 | 542 t-CO2 |
Scope2(ロケーション基準) | 930 t-CO2 | 607 t-CO2 |
Scope3 | 1,543,110 t-CO2 |
1,463,041 t-CO2 |
(注)1. グループ実績は、当社単体と国内連結子会社3社の合計値
(注)2. Scope3は、カテゴリ1~7の合計値
(2030年度グループ目標)
Scope1+Scope2 | 50%削減(2019年度比) |
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(2050年度グループ目標)
Scope1+Scope2 | カーボンニュートラル |
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当社事業においてはサプライチェーンにおける取り組みも重要と考え、主要な仕入先に対し、温室効果ガス排出量削減の取り組みについて、年1回定期的に確認します。その他の上位の仕入先に対しては、年1回定期的に、温室効果ガス排出削減を含むCSR調達についての当社の考えや取り組みを提示し、理解促進に努めます。
地球環境への取り組み
基本的な考え方
当社では「環境問題」を企業活動における重要な課題と捉え、「環境・品質方針」に基づき、環境保全の取り組みとして、省資源、省エネルギー、廃棄物の削減など、多方面の環境活動を推進しています。
環境パフォーマンスデータ
当社の電気・ガス・ガソリンの使用量、二酸化炭素の排出量については、チャートジェネレーターにて閲覧いただけます。
※当資料内のガス使用量は本社ビルの集計値となります。
取り組み事例
■オフィス照明のLED化
本社オフィスの照明は、省エネタイプのLEDを利用しています。
■社有車のエコカー導入推進
リース期間満了に合わせて、エコカーへの切り替えを推進しています。
(社有車台数とエコカー比率の推移)
項目 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
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社有車 | 41台 | 36台 | 27台 | 23台 | 22台 |
うちエコカー | 28台 | 27台 | 20台 | 16台 | 16台 |
比率 | 68.3% | 75.0% | 74.0% | 69.6% | 72.7% |
■グリーン電力 の使用
当社本社ビルにて使用する電力量の一部(2023年度実績:50,000kWh)にグリーン電力を使用しています。
■公益社団法人国土緑化推進機構が行う「緑の募金」
当社は、森林ボランティアやNPOなどを通じて国内外の森林づくりや人づくりをはじめとしたさまざまな取り組みを支援しており、「緑の募金」に寄付を行っています。集められた寄付金は、身近な環境の緑化から森林の整備、緑の普及啓発事業、森林環境教育などさまざまな緑化事業に役立っており、さまざまな「森づくり・人づくり」活動の活性化に活かされています。
■レインフォレスト・アライアンス認証商品の使用
当社では、レインフォレスト・アライアンス認証*のとれた商品の自動販売機を導入しています。
また、丸文本社に来社いただいた皆さまにご提供するお茶とコーヒーは、レインフォレスト・アライアンス認証を受けたものを使用しています。
* 森林の保護や労働者の人権尊重と生活向上、気候危機への緩和と適応など、より持続可能な農業を推進するための包括的な認証制度
社会との関わり
基本的な考え方
当社では、企業行動憲章で「良き企業市民として社会に貢献」することを定め、未来を担う研究者への支援や社会課題の解決に取り組む団体への寄付、地域社会との交流など、さまざまな社会貢献活動を推進しています。
丸文財団を通じた学術支援
一般財団法人「丸文財団」は、国内外の産業技術基盤の強化に資し、国際社会との調和の中で、日本の経済社会の健全な発展に寄与することを目的に、1997年に設立されました。
大学や国公立研究機関で卓越した研究業績を上げた若手研究者に対し、研究業績の表彰を行うとともに、研究交流助成として、日本人の研究者が海外の大学・研究所に滞在して行う共同研究費等の助成と、日本の大学で研究活動に従事する外国人研究者への研究費等の助成を行っています*。
当社は、次世代の創造的産業技術の発展に向け活動を続ける丸文財団の取り組みに賛同し、同財団への寄付を通じて研究者への支援を行っています。
* 丸文財団は、これまでに累計で1,500件を超える表彰・研究交流助成を行っています。2000年度には、当時顕著な業績を重ねていた若手研究者として丸文財団の表彰を受けた天野浩氏(現:名古屋大学教授)と、その推薦者であった故 赤﨑勇氏が2014年にノーベル物理学賞を受賞するなど、後に研究業績が大きく評価された研究者を数多く支援しています。
特定非営利活動法人 TABLE FOR TWO Internationalへの寄付
世界規模で起きている食の不均衡を解消し、 開発途上国と先進国双方の人々の健康を同時に改善することをミッションとして、東アフリカや東南アジアで学校給食支援、農業生産性の向上支援を行っている「TABLE FOR TWO International」に寄付を行っています。
【TABLE FOR TWO Internationalについて】
世界規模で起きている食の不均衡を解消し、 開発途上国と先進国双方の人々の健康を同時に改善することをミッションに活動している団体です。
東アフリカに位置するウガンダ、ルワンダ、タンザニア、ケニア、マラウイと 東南アジアのフィリピンの6か国で、学校給食支援や菜園・農業生産性の向上支援活動を行っています。
同団体の活動詳細は下記サイトをご参照ください。
(TABLE FOR TWO International) https://jp.tablefor2.org/
パラリンアート®への協賛
障がい者の経済的自立と社会参加を支援している一般社団法人障がい者自立推進機構が運営する「パラリンアート®」にオフィシャルパートナーとして協賛しています。
【パラリンアートについて】
パラリンアートは「障がい者がアートで夢を叶える世界を作る」を理念に、一般社団法人 障がい者自立推進機構が行っている社会貢献型事業です。
障がい者アーティストの作品をパートナー企業がプロモーション活動等に利用し、アーティストには利用に応じた報酬を支払うことで、障がい者の自立支援を行っています。
パラリンアートの詳細は下記サイトをご参照ください。
(パラリンアート)https://paralymart.or.jp/association
災害備蓄品の寄贈
一般社団法人全国フードバンク推進協議会に災害用の備蓄品を寄贈しています。
認定NPO法人スペシャルオリンピックス日本・東京
知的障害のある人たちに様々なスポーツトレーニングと、その成果の発表の場である競技会を提供している団体を支援しています。
【スペシャルオリンピックス日本・東京の取り組み】
知的障害のある人たち(アスリート)に、年間を通じてオリンピック競技種目に準じたさまざまなスポーツトレーニングと競技会の場を提供し、参加したアスリートが健康を増進し、勇気をふるい、喜びを感じ、家族や他のアスリートそして地域の人々と、才能や技能そして友情を分かち合う機会を継続的に提供しています。
同団体の活動詳細は下記サイトをご参照ください。
(スペシャルオリンピックス日本・東京) https://www.son-tokyo.or.jp/
認定NPO法人 J.POSH
”乳がんで悲しむ方を一人でも少なくしたい”、”無くしたい”という思いから、乳がんの啓発活動によって早期発見・治療を目指し、様々な活動をしています。
【認定NPO法人 J.POSHについて】
ピンクリボン運動を通じて、月に1度の自己検診を推進し、乳がん検査の啓発活動によって早期発見・治療を目指し、乳がん患者に対する支援や活動も行っている団体です。
左記の3つ根幹となる活動(「すべての女性」に対する啓発活動、「乳がん患者さん」に対する活動、「乳がん患者さん家族」に対する活動)に基づいた活動をしています。
同団体の活動詳細は下記サイトをご参照ください。
(認定NPO法人 J.POSH) https://www.j-posh.com/
事業分野における取り組み
■事例1:ローカル5Gインフラ構築支援事業
ローカル5Gは、通信キャリア以外の企業や自治体などが限られたエリアで独自に構築する5G通信網です。総務省ではローカル5Gの普及により、遠隔医療、建機などの遠隔制御、スマートファクトリー、自動農場管理、高精細動画の配信、テレワーク環境整備などが促進されると見通しています。
当社では、「仮想化モバイルコア」を中心に、「モバイルコア試験」、「ネットワーク同期/同期解析」、「無線伝搬シミュレーション」、「無線品質測定」、「端末・アプリケーション開発」などの各種ソリューションを提供することにより、ローカル5Gシステムの設計・構築・運用の普及に貢献しています。
■事例2:ロケット・人工衛星向け高信頼性製品事業
自然との共生を目指しつつ「レジリエント(強靭)な防災・減災」や「気候変動への対応・適応」の構築のためには、地球観測衛星や高度な気象観測レーダ網の整備が必要です。また人工衛星による位置測位システムは、日常生活に不可欠なインフラのひとつとなっています。
人工衛星は、宇宙空間での非常に激しい温度変化や放射線にさらされる過酷な環境下で、5年から15年の運用が想定されています。また、ロケットエンジンが点火された後は、修理や修正が行えないため、使用される電子部品等は非常に高い信頼性が要求されます。
当社では、人工衛星で使用するために様々な条件を充足した高信頼性部品や、気象観測レーダに使用される各種マイクロ波関連製品の供給及び保守サービスを提供することにより、レジリエント(強靭)な防災・減災構築に貢献しています。