サステナビリティ 人的資本
基本的な考え方
当社は、創業以来、常に時代の一歩先を見つめ、よりよい未来の実現に向け、先駆的な役割を果たしてまいりました。その原動力となり成長を支えてきた人材を、当社の価値を創造する財産、すなわち「人財」として捉え、社員一人ひとりが当社で働くことへの「満足度」や「幸福度」を高めつつ、その能力を最大限に発揮し効果的に活動できるよう、環境の整備と強化に取り組んでいます。
人的資本戦略委員会の設置
パーパス・経営戦略に連動した人的資本戦略の構築・推進を目的に、2024年度に「人的資本戦略委員会」を新設しました。
中長期戦略の実現に向けた求める人材像の明確化や人材ポートフォリオの構築、採用・育成・人材配置、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンなど、人的資本経営に関する取り組みについて協議し、スピード感をもって関連施策を推進することで、「人財」の一層の強化を進めていきます。
多様な人材の採用と育成
当社は、多様性、人格、個性を尊重し、いかなる差別も行わないことを企業行動憲章として定め、心理的安全性の確保と向上を図りながら、社員一人ひとりが喜びと誇り、活力をもって働ける環境づくりに取り組んでいます。チームワークを土台にしながら、性別や国籍を問わず、新卒採用に加え、第2新卒採用や経験者採用などのルートで獲得した多様な人材の登用を継続して行うことで、お互いが刺激し合い、ともに成長し、会社としての強みにつなげていきたいと考えています。
人材育成は、「経営目標の達成に必要な職務責任を遂行する社員の能力を養成すること」を目的とし、「現場主導の人材育成」を基本に現場での実践教育を重視しています。この実践教育と、社員の資格や職位・能力・適性に応じた知識・スキル・ビジネスマインドを習得するための人事部主催の研修を組み合わせ、本人・上司・会社が一体となって計画的に推進することで、一人ひとりの能力向上を後押ししています。
人事部門主催の研修では、成長課題の把握やキャリア形成に向けた動機付けを行うなど、職務責任を遂行するために必要な能力を身につけるためのさまざまなカリキュラムを用意し、充実に努めています。また、キャリアオーナーシップマインド醸成のため、社員本人が学びたいテーマを自由に選択し、場所と時間を選ばずに学ぶことができるよう、多種多様なe-ラーニングのコンテンツ、通信教育の講座を提供しています。
そして、キャリア自律・自立に向けてチャレンジを続ける社員に対しては、資格取得奨励制度に基づき、資格の難易度に応じた奨励金の支給や、業務の貢献度に応じた毎月の手当の支給を行い、個人の自発的な学びに対する取り組みや姿勢を称えるとともに次のチャレンジに向けた支援を続けています。
教育方針
- 社員の資格・職位毎に定めた職務責任基準と研修制度の連動を強化推進する。
- 資格・職位別研修においては、各資格・職位における職務責任基準を担うために必要な知識・スキル・ビジネスマインドを研修カリキュラムに組み入れることで組織風土の醸成と活性化を促進する。
- 研修の効果を現場での実践に活かすことを目的とし、研修で学んだ知識・スキル・ビジネスマインドを実務において実践することにより定着を図る。
- キャリアオーナーシップマインドに基づき、主体的な学びによるキャリア自律・自立を支援する。
- 当社グループの連結経営体制強化の視点から、グループ各社の社員のレベルアップを支援する。
人材育成制度
当社では、以下の人材育成制度を行っています。
目的 | 各資格・職位に必要な能力・知識・スキル・ビジネスマインドの習得 | 語学力強化など、実務遂行に必要な知識・スキルの習得 | 自発的なスキルアップ、学習機会の提供 |
---|---|---|---|
形態 | 集合研修、オンライン研修、個別面談 | 集合研修、オンライン研修 | e-ラーニング、通信教育、奨励金・手当支給 |
教育研修の受講状況
研修受講率 | 24.1% | 35.1% | 47.4% |
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研修費用総額 | 10.4百万円 | 16.1百万円 | 20.1百万円 |
一人当たり受講時間 | 17.5時間 | 24.0時間 | 24.5時間 |
社員が活躍できる職場環境
社員エンゲージメントの向上
当社は、全社員を対象にエンゲージメントサーベイを毎年1回実施しています(eNPS*は2023年度は前年度比2.8pt改善)。調査では、事業の将来性や社会貢献性、仕事のやりがい、評価への満足度、成長・キャリア機会の確保などについて、社員の意識を測定しています。またストレスチェックや心理的安全性アンケートも定期的に実施し、社員の心身の健康状態を確認しています。
これらの調査結果をもとに人事施策の充実に取り組むとともに、役員・社員が一堂に会した「タウンホールミーティング(方針説明会)」の実施や、社長と社員が直接対話を行う社長歓談会の開催を通じて、パーパスや経営方針の浸透、会社としての一体感の醸成に努めています。
* Employee Net Promoter Score:社員の職場や会社への愛着や信頼度を表す指標
働き方改革から働きがい改革へ
当社は、2018年度より「働き方改革」として、多様な働き方を実現し、働きやすさを向上させる制度の設計や労働環境の整備に取り組んでいます。具体的にはテレワークや時差通勤制度を導入するとともに、フリーアドレスの導入や、会議や社員のリフレッシュ、コミュニケーションの場として活用できる多目的フロアの設置など快適な職場環境の整備を進めました。また、子育て支援の側面においては、育児休暇の5日間の有給化や育児休暇、育児勤務(短時間勤務)の適用期間の延長など、子育て世代を応援する施策の充実に努めています。
さらに、2022年度からは、社員のモチベーションやエンゲージメントを向上させる「働きがい改革」へと取り組みを深化させ、新たに定年延長や社内複業制度*、選択型週休3日制度などの導入を進めています。このように、社員一人ひとりが当社で働き続けたいと思い、大切な家族とともに幸福感をもって日々過ごせる働き方、自分の思いを実現し、個性を発揮しながら働きがいを実感できる環境づくりに取り組んでいます。
* 希望者が社内の複数部署での業務に従事し、自律したキャリア構築、成長を促進する制度
■働き方・働きがい改革による主な施策
■働き方・働きがい関連指標
平均勤続年数 | 16.2% | 16.6% | 16.5% |
---|---|---|---|
有給休暇取得率 | 63.3% | 67.9% | 73.6% |
月平均残業時間 | 21.1時間 | 19.6時間 | 16.5時間 |
ストレスチェック受験率 | 95.1% | 96.7% | 97.1% |
健康診断受診率 | 97.2% | 98.4% | 99.3% |
ダイバーシティ
ダイバーシティ方針
私たちは、人権、人格および多様性を尊重し、いかなる差別もおこないません
- 雇用における差別を行わず、機会の均等を図ります
- 従業員の多様性、人格、個性を尊重し、差別や嫌がらせを排除します
- 多様な人材が個々の能力を十分に発揮できる人事処遇制度を構築します
■ダイバーシティ関連指標
女性管理職比率 | 6.3% | 8.0% | 7.9% |
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経験者採用管理職比率 | 17.7% | 20.2% | 17.8% |
外国人管理職比率 | 1.0% | 2.0% | 2.0% |
シニア従業員数* | 27名 | 31名 | 47名 |
*60歳以上。非常勤顧問(特別社員)は含みません
育児・介護支援
当社では、社員の家庭生活と職業生活との調和を図ることを目的として、育児休暇、育児勤務、介護休暇、介護勤務の制度を設けています。
■育児休暇関連指標
育児休暇取得者数 | 27名 | 23名 | 23名 |
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育児休業復職率 | 90.0% | 100.0% | 100.0% |
女性の活躍推進
当社は、勤務地の限定や職掌転換、各種の子育て支援、旧姓使用など、社員が希望する多様な働き方を支援し、ライフステージのイベントに関わらず、女性がキャリア形成を図れ、活躍できる環境、制度の充実に努めています。
また管理職を志す候補社員に対しては、組織運営におけるマネジメントに必要となる基礎知識を学ぶ研修を実施するなど、働き方の在り方のひとつとして、社員一人ひとりの意思を尊重し、ワークライフバランスの充実を図り、キャリア形成についても幅広く支援しています。女性管理職比率は、2028年3月期までに10%、長期的には15%の目標を掲げています。