インフォメーション セイコーエプソン社製音声再生専用ハードウェアを搭載した32ビットマイコン『S1C31D50』 サンプル出荷開始
音声再生専用ハードウェアを搭載した32ビットマイコン『S1C31D50』 サンプル出荷開始
Arm® Cortex®-M0+プロセッサー※1を搭載、住宅設備や家電製品の音声再生に最適
セイコーエプソン株式会社(社長:碓井 稔、以下エプソン)は、2チャンネルの音声再生機能を実現する音声再生専用ハードウェアを搭載した32ビットマイコン『S1C31D50』を開発、このたびサンプル出荷を開始しました。月産20万個を予定しており、サンプル価格は、パッケージタイプがQFP15-100のもので1050円(税別)です。
現在、住宅において給湯器リモコン、家電製品などの音声を使った設備が普及しているほか、健康機器のガイド、オフィスビルや商業施設、工場などにおいても、音声を使った警報機などの活用が進んでいます。
本製品は、これらの音声再生を行う住宅設備・家電製品・健康機器、産業用機器に最適なマイコンです。汎用性の高いArm Cortex-M0+プロセッサーに、音声再生専用の回路を搭載し、1チップで2チャンネルの音声再生機能を実現しました。2チャンネルを使うことで、バックグラウンドミュージックと音声を同時に再生するなど、高級感や温かみのある音声案内を行うことができます。また、音声速度の調整も柔軟に行うことができます。
本製品の音声再生を行う専用ハードウェア「HW Processor」には、2点の特長があります。
第一に、音声再生を「HW Processor」単独で実行でき、CPUリソースを必要としないため、音声再生中もCPU処理をフル実行できます。また、高圧縮アルゴリズム(16kbps@16kHz)を採用しているため、音声データのメモリサイズを縮小でき、多くの種類の音声データや、複数の言語に対応した音声データを搭載することが可能となります。なお、音声データの開発環境として音声作成用のPCツールも提供しており、スタジオ録音を行うことなく、日本語・英語・中国語・韓国語の音声データを簡単に作成することが可能です。
第二に、メモリ自己診断機能を有しており、CPUリソースなしで内蔵RAM、内蔵Flash、外付けQSPI-Flashの故障を検知することができます。
エプソンは、省エネルギー、小型化、高精度を実現する「省・小・精の技術」により、お客様の製品のさらなる性能向上に貢献してまいります。
※1 : 英Arm社(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:横浜市港北区)製のプロセッサー。市場での圧倒的な採用実績とエネルギー効率に優れる。
本製品の特長
単独で機能を実行する専用ハードウェアブロック:”HW Processor”により下記機能がCPUリソースなしで実行可能
- 音声再生機能
- 2chミキシング音声再生(バックグラウンドミュージック + 音声再生可能)
- 話速変換機能(75%〜125%、5%ステップ)
- 音声だけでなく、バックグラウンドミュージック等にも十分なサンプリング周波数:15.625kHz
- 高音質高圧縮音声デコードアルゴリズム搭載(16/24/32/40kbps)
- メモリ自己診断機能
- 内蔵RAM(R/Wチェック、MARCH-C START)
- 内蔵Flash Checksum、CRC
- 外付けQSPI-Flash Checksum、CRC
- シンプルなHW Processor制御インターフェイス
- 専用レジスタに、Function、commandをセットして、スタートをかけるのみ
後から簡単に音声の追加が可能
- 追加する音声データと、センテンス情報(音声データの番号、接続情報)の書込みだけで、音声データの追加が可能
開発環境
- EPSON音声作成PCツール
- スタジオ録音不要で、PCツールのみで音声データ作成可能(対応言語は、日本語、英語、中国語(Mandarin) 、韓国語)
- PCツール上の音声番号を、HW Processor制御用レジスタへ指定することで音声再生が可能であるため、音声データの接続等のコードの作成・評価が不要に
- お手持ちの音声データ(wavフォーマット)を、簡単にPCツール内へ取り込み可能
本製品の概要
製品型番 | S1C31D50 |
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CPUコア | 32ビットRISCプロセッサー Arm Cortex-M0+ |
フラッシュメモリー容量 | 192Kバイト(Program、音声データ共用) |
RAM容量 | 8Kバイト(音声非再生時は22Kバイト) |
HW Processor | ・音声再生機能(EPSON独自フォーマット、サンプリング周波数: 15.625kHz、2chミキシング機能、話速変換機能 ・メモリ自己診断機能(内蔵Flash、内蔵RAM、外付けQSPI-Flash) |
Sound DAC | サンプリング周波数: 15.625kHz, モノラル |
シリアルインターフェイス | UART:3ch / SPI:3ch / I2C:3ch / QSPI : 1ch |
A/D変換器 | Max 入力8本(12ビット逐次比較型) |
電源電圧検出回路 | 32level (1.7V~4.3V) |
DMA | 4ch (Memory ⇔ Memory, Memory ⇔ Peripheral) |
RFC | 1ch 抵抗型センサA/D変換、CR発振24ビットカウンタ |
赤外線リモートコントローラー | 1ch(応用としてELランプ駆動波形を生成可能) |
タイマー | 16bit Timer(8ch)、16bit PWM(2ch)、WDT、RTC |
メイン動作電圧 | 1.8~5.5v |
SPI-Flash I/F電圧 | 3.3v(3.0~3.6v) |
動作周波数 | 16MHz(VD1電圧モード : mode0) 2MHz(VD1電圧モード : mode1) |
消費電流※1 | RUN : 250uA/MHz(VD1電圧モード : mode0) RUN : 155uA@1MHz(VD1電圧モード : mode1) SLEEP : 0.43uA、RTC mode:0.9uA |
I/O(入出力ポート数) | max 91本 うちUPMUX(ユニバーサル・ポート・マルチプレクサ)max 32本 |
パッケージ | TQFP12-48(ボディ7mm x 7mm、端子ピッチ0.5mm) QFP13-64(ボディ10mm x 10mm、端子ピッチ0.5mm) TQFP14-80(ボディ12mm x 12mm、端子ピッチ0.5mm) QFP15-100(ボディ14mm x 14mm、端子ピッチ0.5mm) |
※2 環境が標準値、Sleepモード、RTCA=ON、25℃において
ArmおよびCortexは、Arm Limited(またはその子会社)のEUまたはその他の国における登録商標です。