インフォメーション ヌヴォトン テクノロジージャパン|高出力1.0W 紫外(379nm)半導体レーザーの量産を開始
先端半導体パッケージ向けマスクレス露光の微細化・生産スループット向上に貢献
ヌヴォトン テクノロジー(以下、当社)は、直径9.0mmのCANパッケージ(TO-9)[1]において、業界最高クラス(*)の光出力を実現した「高出力1.0W 紫外(379nm)半導体レーザー[2] の量産を開始します。 本製品は、当社独自のデバイス構造と高放熱パッケージ技術を組み合わせることで、従来困難とされていた紫外半導体レーザーにおける「短波長」「高出力」「長寿命」を実現しました。これにより、先端半導体パッケージ[3]向けマスクレス露光[4]の微細化・生産スループット向上に貢献します。
(*)2026年1月16日現在当社調べ 波長379nmで連続発振(CW)、ケース温度(Tc) 25℃条件下、TO-9 CANパッケージ半導体レーザーにおいて
本製品による効果
- 波長379nm帯でワットクラスの出力0Wを実現し、先端半導体パッケージ向けマスクレス露光の微細化・生産スループット向上に貢献
- 独自のデバイス構造とパッケージ技術により、自己発熱や短波長光による素子劣化が課題となりやすい紫外半導体レーザーの放熱効率を改善し、光学装置の長寿命化に貢献
- 水銀灯代替ソリューション[5]のラインナップを拡充し、用途に応じた製品選定の柔軟性を向上
製品の特長
- 波長379nm帯でワットクラスの出力1.0Wを実現し、先端半導体パッケージ向けマスクレス露光の微細化・生産スループット向上に貢献
AI(人工知能)の進化に伴い高度な情報処理能力への需要が拡大する中、半導体には従来以上の高性能化が求められています。一方で、トランジスタの微細化は物理的・経済的な限界に近づきつつあり、複数の半導体チップを横並びに実装、または垂直方向に積層して高集積化する、半導体後工程のパッケージ技術・先端半導体パッケージに注目が集まっています。
先端半導体パッケージにおいて、複数の半導体チップ間を接続する配線形成は、水銀のスペクトル線であるi線 (365nm)とフォトマスク(回路原板)を用いた露光技術が主流として用いられてきました。一方で、近年フォトマスクを使用せずに、設計データに基づいて配線パターンを直接露光(描画)するマスクレス露光技術への関心が高まっています。
この技術は、フォトマスクの設計や製造に伴う時間やコストを削減できると考えられています。さらに、描画対象の表面形状に合わせて配線パターンを直接焼き付けることが可能なため、位置合わせや補正が行いやすく、現在、先端半導体パッケージへの応用検討が進められています。
このマスクレス露光技術における主要光源の一つである半導体レーザーは、配線の微細化・設備の生産スループット向上に向けて、i線光源(365nm)に近い短波長化と、高出力化が求められてきました。この要求に対応するため、当社は40年以上にわたるレーザー設計・製造の経験をもとに開発を進め、波長379nm、出力1.0Wの紫外半導体レーザーの製品化を実現いたしました。 - 独自のデバイス構造とパッケージ技術により、自己発熱や短波長光による素子劣化が課題となりやすい紫外半導体レーザーの放熱効率を改善し、光学装置の長寿命化に貢献
紫外半導体レーザーは、一般的に光電力変換効率(WPE)[6]が低く、自己発熱が大きいこと、さらに短波長光による素子劣化が起こりやすいことから、1.0Wを超える高出力での安定動作が困難でした。そこで当社は、「光電力変換効率を高めるデバイス構造」と「熱を効率よく逃がす高放熱パッケージ技術」の両面からアプローチし、「短波長」「高出力」「長寿命」を両立した、紫外(379nm)、1.0Wの製品化を実現しました。これにより、紫外光を用いる光学装置の長寿命化に貢献します。- 光電力変換効率を高めるデバイス構造
発光層や光閉じ込め層の最適化に加え、不純物プロファイルを精密に制御する独自構造を採用。これにより、光の吸収損失や動作電圧の上昇を抑え、電気エネルギーを効率よく光に変換 - 熱を効率よく逃がす高放熱パッケージ技術
高熱伝導材料を用いたサブマウントの採用に加え、パッケージ材料を見直して熱抵抗を低減。これにより、素子の温度上昇を抑制し、高出力での安定動作を実現
- 光電力変換効率を高めるデバイス構造
- 水銀灯代替ソリューションのラインナップを拡充し、用途に応じた製品選定の柔軟性を向上
本製品は、当社が展開する「半導体レーザーによる水銀灯代替ソリューション」のラインナップに新たに加わり、お客さまに新たな選択肢を提供します。これにより、用途や設置環境、必要性能に応じた柔軟な製品選定を可能にし、システム設計の自由度を向上させます。
本製品の詳細は、アメリカ・サンフランシスコで開催される「SPIE Photonics West 2026」、日本・横浜で開催される「OPIE’26」の当社ブースにて展示予定です。みなさまのご来場を心よりお待ちしております。
用途
- マスクレス露光
- 樹脂硬化
- マーキング
- 3Dプリンティング
- バイオメディカル
- 水銀灯の代替光源など
対象品番
KLC330FL01WW
仕様
新製品(紫外半導体レーザー)
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品番 |
KLC330FL01WW |
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波長 |
379nm |
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光出力 |
1.0W |
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パッケージタイプ |
TO-9 CAN |
量産開始
2026年3月
用語説明
[1] TO-9 CAN
直径9.0mmのCAN型パッケージ
[2] 紫外半導体レーザー ピーク波長が、おおよそ380nm以下のレーザー光を発する半導体レーザーの当社呼称
[3] 先端半導体パッケージ 複数の半導体チップを高密度に集積し、性能・電力効率を最適化する実装技術
[4]マスクレス露光 フォトマスクを使用せずに、設計データに基づいて基板上の感光材料(レジスト)を直接露光し、微細パターンを形成する技術。レーザー光を用いる場合は、レーザーダイレクトイメージング(LDI)とも呼ばれる
[5] 水銀灯代替ソリューション 水銀灯の発光輝線であるi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を代替する当社半導体レーザーラインナップの呼称。紫外半導体レーザー(379nm)や紫色半導体レーザー(402nm)、インディゴ半導体レーザー(420nm)を組み合わせた使用を提案
[6] 光電力変換効率(WPE) 電気入力に対する光出力変換効率を示す指標で、一般的に半導体レーザーの発光効率を示す。ウォールプラグ効率(Wall-Plug Efficiency: WPE)とも呼ばれる
SPIE Photonics Westについて
2026年1月20日(火)~22日(木)に、アメリカ・サンフランシスコで開催される世界最大級の光学・フォトニクス展示会。国際学会SPIE(国際光工学会)が主催し、レーザおよび光学デバイスなど、最新光学技術が一堂に会します。
OPIE(OPTICS & PHOTONICS International Exhibition)について
関連リンク
ヌヴォトン テクノロジージャパン株式会社について
ヌヴォトン テクノロジージャパン株式会社(Nuvoton Technology Corporation Japan)は、2020年にNuvoton Groupに加わりました。NTCJは、世界的な半導体専門メーカーとして、設立以来60年超にわたって培われてきた技術とさまざまな製品、およびそれらを最適に組み合わせた空間センシングソリューションと電池応用ソリューションを提供しています。 お客様やパートナーとの関係を大切にし、期待以上の付加価値を提供することで、社会、産業、人々の生活のさまざまな問題を解決するグローバルソリューション企業として活動しています。 詳細についてはhttps://www.nuvoton.co.jpをご参照ください。