透明樹脂同士のレーザ溶着は丸文|資料もご用意しております
最新のレーザ発振器を使用することで、吸収剤を使用しない、透明樹脂同士の溶着が可能となり、接着剤を用いない環境にやさしい接合が可能です。こちらのページではレーザ樹脂溶着の原理や特長、メリット等を詳しく紹介いたします。
他工法との比較
樹脂溶着の工法はレーザの他にも超音波溶着、振動溶着、熱板溶着、接着剤などがあります。
レーザ溶着は、材料の制約が多少ありますが、表のように多くの優位店があります。熱による溶融をさせており、分子間結合をさせているため密閉性が高いことはもちろん、レーザを使用することにより、超音波溶着などと違い振動が発生しないため、精密部品が溶着箇所の近くにあっても影響を受けません。また、レーザ光が当たっている部分以外への熱ダメージも非常に少ないことが特長です。
接合法 | 超音波溶着 | 振動溶着 | 熱板溶着 | 接着剤 | レーザ溶着 |
外 観 | × | × | × | △ | ◯ |
材料制約 | △ | △ | ◯ | ◯ | △ |
形状制約 | × | △ | △ | △ | ◯ |
内部影響 | △(超音波) | ×(振動) | ×(熱) | △(溶剤) | ◯ |
生産性 | ◯ | ◯ | △ | × | ◯ |
信頼性 | ◯ | ◯ | △ | × | ◯ |
リサイクル | ◯ | ◯ | × | × | ◯ |
作業環境 | △ | × | × | △ | ◯ |
透明樹脂同士の溶着について
上記の通り説明して参りました樹脂溶着では、吸収性樹脂が必要でした。
その理由は、使用するレーザの波長が基本波長と呼ばれる近赤外線 1μm(1,000nm)付近のレーザを使用しているからです。この波長では、吸収剤を含んでいない樹脂はほどんど透過してしまいます。
そこで、基本波長より長波長の2μm(2,000nm)のレーザを使用します。この波長のレーザは、基本波長での樹脂溶着で使用した吸収剤を含まない透過性樹脂に対しても、熱を発生させることができます。それにより、透明な樹脂同士のレーザ溶着が可能となります。
基本波長を用いた溶着と異なり、樹脂同士の界面ではなくレーザが入光してくる樹脂の上部から熱は発生します。また、樹脂によりレーザの吸収度合いが異なるため、重ねてのレーザ溶着に適さない樹脂も存在します。
2μレーザメーカのご紹介
ドイツ Futonics Laser 社
Futonics社は1989年創業以来、2μm帯のレーザ発振器開発に特化したLISA Laser Product社より分社化された、産業用2μmファイバーレーザ専業メーカです。泌尿器科・耳鼻咽頭科・神経外科用途の医療用機器製造・開発で培った技術を基に、産業用途向けの新たな2μm帯ファイバーレーザを開発いたしました。
※マルチモードも対応可能
■低出力モデル:Optical specifications
Output power | 10 W (IFL10P), 20 W (IFL20P), 30 W (IF30P), 40 W (IFL40), 50 W (IF50) |
Standard wavelengths | 2000 nm or 2050 nm |
FWHM | < 1 nm |
Beam quality | M2 < 1.2, single-mode |
Operating mode | CW, modulated up to 1 kHz |
Laser class | 4 |
Fiber connector, NA, length | APC, 0.15, 5 meters |
Collimator | optional |
■高出力モデル:Optical specifications
Output power | 200 W (IFL200), 250 W (IFL250) |
Standard wavelengths | 2000 nm or 2050 nm |
FWHM | < 1 nm |
Beam quality | M2 < 1.2, single-mode |
Operating mode | CW, modulated up to 1 kHz |
Laser class | 4 |
Fiber connector, NA, length | QBH-connector, 0.10, 3 meters |
Collimator | optional |
加工サンプル紹介
①三方弁+チューブ
材質 : PP
板厚 : 1mm
概要 : 点滴などに使用される三方弁。
吸収剤を使用せず、チューブが外れないように矢印部を一周レーザ溶着
をしております。
②アクリルケース
材質 : PMMA
板厚 : 2mmと10mm
概要 : アクリル製の平板と角筒をシール溶着し、中に色水を入れております。
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