豊富な保護機能を有したeFuseの強みとは
過電流の保護対策として最も代表的なヒューズですが、これらを上回るスペックを持つeFuseをご存知でしょうか。
今回はeFuseの特徴やVishay社が提供する製品について説明します。
そもそもeFuseって何?
eFuse(電子ヒューズ)とは、従来のガラス管ヒューズや復帰型のポリスイッチで行ってきた過電流の遮断を半導体スイッチに置き換え、さらに高速、高精度な保護を可能にしたICです。
また、ヒューズやポリスイッチは過電流に対してのみの保護になりますが、eFuseでは過電圧や低電圧保護、サーマルシャットダウンなどの機能も持っており、回路保護に対する様々なご要望を1チップで実現することができます。
eFuseと従来保護部品の比較
eFuse・ガラス管ヒューズ・ポリスイッチ
eFuseと従来保護部品を比較した表です。eFuseは従来の保護部品に比べて約10000倍の速度で回路を遮断できます。
また、過電流だけでなく様々な保護機能を持つためより強固な回路保護が可能です。
保護動作時の違い
ガラス管ヒューズは保護機能が働いた際に、部品内部のヒューズエレメントを切断して回路を遮断します。そのため、保護機能が働く度に新しいヒューズに交換する必要があります。
eFuseは内部のFETをON/OFFして回路を遮断するため、保護機能が働いても部品の交換は必要ありません。
拘束回路遮断
同じ自動復帰が可能なポリスイッチと比較してみます。ポリスイッチは温度がある値以上になると抵抗値が急激に上昇し、電流値を抑制(トリップ現象)します。
しかし、保護が完全に働くまでに約10〜100ms程の時間がかかり、その間回路に電流が流れ続けます。
eFuseは過電流(ISCP)が流れると、約1usの遅れ保護が可能です。また、短時間で回路を遮断するため、後段への影響を最小限に抑えることができます。
高精度の電流検出
ガラス管ヒューズやポリスイッチは製品の特性上、保護が働く電流値は公称値のみを記載している場合がほとんどです。
E-Fuseは電流検出しきい値のMin,Max値を規定しています。検出精度も±数%であるため、高精度な過電流検出が可能です。
また、過電流しきい値を外部抵抗で決定できたりなど、1つのICで様々な回路に使用できます。
豊富な保護機能
ヒューズやポリスイッチは過電流保護のみ可能です。そのため、過電圧保護や低電圧保護機能を設ける必要がある場合には別の部品が必要になり、部+C95品数も増え回路規模も大きくなります。eFuseは豊富な保護機能をワンパッケージに収めているため、回路構成を大幅に簡略化でき、部品点数の削減・基板面積の縮小が可能です。
eFuse ICの代表的なアプリケーション
主に電源ラインで使用される
eFuseは製品の特性上、電源デバイスと負荷デバイスの間で使用されます。また、様々なアプリケーションで採用されており、保護機能を繰り返し使用できるという利点が幅広いアプリケーションで活用されています。
Vishay社のeFuseの特長
豊富な保護機能を有した製品ラインアップ
Vishay社のeFuseであるSIPseriesは豊富な保護機能を有しており、外部回路と組み合わせることでお客様それぞれのアプリケーションに合わせた値に設定できます。
Vishay社のeFuseラインアップ
eFuse IC Product
Vishay社のeFuseは幅広い耐圧をもち、最大電流値の違いによってラインアップを分けております。
もしVishya社のeFuseにご興味がございましたら是非お問い合わせください。