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量子鍵配送とポスト量子暗号
量子鍵配送とポスト量子暗号: 量子セキュリティを実現するより優れた方法とは?
2030年からの5年間で、暗号の世界は大きな変革を遂げると言われています。量子コンピュータが、世界中の何十億ものアプリケーションで使用され、本質的に今日のセキュリティの基盤となっている RSA や ECC などの従来の暗号を破る恐れがあるためです。
サイバーセキュリティチームは、暗号解読に適した量子コンピュータが出現する前に、システムの耐量子性能を強化する必要がありますし、実現することができます。量子セキュリティを実現するための、量子鍵配送 (QKD) とポスト量子暗号 (PQC) という戦略があるからです。
このブログ記事では、QKDとPQCの両方を検証し、量子セキュリティにとってどちらがより安全な選択肢であるかを判断する指標を提示したいと思います。
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ポスト量子暗号(PQC)とは?
ポスト量子暗号とは、量子コンピュータによる暗号解読攻撃に耐えられるように設計された暗号化アルゴリズムを指します。これらのアルゴリズムは、量子攻撃に対して耐性があると考えられている「数理的難問」に依存しています。公開鍵暗号は特に脆弱であるため、PQC アルゴリズムは主に鍵合意やデジタル署名などのユースケースに重点を置いています。
PQC スキームは、ハッシュベース、ラティス(格子)ベース、コードベース、多変量ベース、アイソジェニーベースの暗号化など、いくつかのアプローチに依存しています。これらのスキームとアルゴリズムの例については、 「ポスト量子暗号公開鍵スキームの種類(Utimaco社Blog)」で詳しく調べることができます。
(潜在的な)アルゴリズムが不足していることは問題ではありませんが、これらのアルゴリズムに対する信頼を構築し、成熟度を達成することが重要な課題です。これに対処するために、米国国立標準技術研究所(NIST)は、これらのアルゴリズムを評価し、標準化するためのPQC 標準化プロセスを主導しています。
現在までに、3 つのアルゴリズムが標準化されています。
- ML-KEM (FIPS-203)
- ML-DSA (FIPS-204)
- SLH-DSA (FIPS-205)
QKD vs PQC – 量子セキュリティを実現するより優れた戦略とは?
PQC と QKD はどちらも長所を持っていますが、現在のところ、より実用的で信頼性の高い選択肢として PQC が際立っています。
ポスト量子暗号(PQC)は、現在すでに使用されているシステム内の量子に脆弱な暗号を置き換えるために設計された総合的なソリューションとして機能します。アルゴリズムは、NIST が主導するオープン標準化プロセスを通じて厳密にテストされており、実世界での導入に対応できることが保証されています。
一方、QKD は範囲がはるかに狭く、鍵配布のみに焦点を当てており、考慮すべき他の制限もあります。
- ソリューションは正式な標準化プロセスで評価されていない
- まだ100%安全であると証明されていない
- 距離制限がある
- 大規模なインフラ投資が必要
QKD の改善に関する研究は進行中ですが、ほとんどの専門家はQKD が今日のセキュリティ ニーズを満たすほど成熟していないという点で一致しています。従って、現時点では PQC の方が安全な選択肢といいえます。
それでも、QKD は関心度が高く有望な研究分野であり、技術研究が進み最終的にはその限界を克服するかもしれません。
量子セキュリティの戦略について詳しく知りたい場合は、 AIVD、CWI、TNO が発行する「 The PQC Migration Handbook(PDF) 」をぜひご一読ください。
結論
今日の観点から見ると、ポスト量子暗号(PQC)はより成熟し、柔軟性があり、実用的なソリューションです。最初のアルゴリズムは標準化され、評価されており、現在ではデジタル署名から鍵のカプセル化まで、さまざまなユースケースの実際のシナリオに実装されています。
また、ANSSI(フランス)、BSI(ドイツ)、NLNCSA(オランダ)、NSA(米国)、UK-NCSC(英国)など、さまざまな国のセキュリティ機関が、量子脅威に対する唯一の解決策としてQKDを推奨していないことも言及しておくことが重要です。
量子セキュリティを実現するための効果的な戦略の詳細については、Utimaco社のウェビナー「量子脅威に対する強化- 実証済みの防御メカニズム(BrightTALK)」をご覧ください。
知見と経験を活かし、
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