商品基礎情報
シングルペア・イーサネット(SPE)とは?
シングルペア・イーサネット(SPE)は、シングルペア配線と独自の物理層(PHY)トランシーバーを使用するイーサネットネットワークです。従来のマルチペアCAT5ケーブルに比べて、システムコスト、重量、配線の複雑さを大幅に削減できます。
具体的には以下のようなメリットが存在します。
メリット1:シングルペア配線が可能
従来のイーサネットは4ペアのケーブルを使用しますが、SPEは1ペアケーブルでの通信が可能なため、配線コストを軽減することが可能です。また対応コネクタも従来のイーサネットに比べ小型になります。
メリット2:マルチドロップ配線が可能(10BASE-T1S)
従来のイーサネットは、通常スター型で接続されており、デバイスを追加するにはスイッチのポートを増設する必要があります。それに対しSPEは、マルチドロップ接続に対応しているためポート増設が不要であり、また配線の複雑さを軽減します。
メリット3:システムの最適化
SPEは従来のイーサネットとは”物理層”のみが異なるため、OSIネットワークのレイヤー2から7は従来のイーサネットと共通しています。このため、SPEを導入する際にソフトウェアの追加変更は不要です。SPEは、市場のニーズに合わせて帯域幅と距離を調整できる柔軟なアーキテクチャを実現します。この技術は、IEEE 802.3標準グループによって定義されており、すべてのイーサネットアーキテクチャの利点を活用しながら、各市場セグメントに最適化されたシステム構築を可能にします。
10BASE-T1S PHY: LAN867x
LAN867x シリーズは10BASE-T1Sに対応したPHY製品です。主に以下の特徴を持っております。
– インターフェイス
・MII / RMII
・MDIO
・GPIO
– 特徴
・マルチドロップ接続
・CSMA/CD, PLCA
・メディアアクセス拡張制御
・ISO26262準拠
・温度グレード 1 (AEC‐Q100)
・低消費電力
– パッケージ
・QFN:36pin / 32pin / 24pin
・外形: 6x6mm / 5x5mm / 4×4 mm
100BASE-T1 PHY: LAN8770
LAN8770は100BASE-T1に対応したPHY製品です。主に以下の特徴を持っております。
– IEEE802.3bwに完全準拠したシングルポートPHY
– 業界トップクラスのエネルギー効率
・低消費電力:約130mWで動作
・TC10 ウェイクアップ/ スリープ(15uA未満)
– BOMの削減
・FlexPWR®テクノロジ
・RGMII/ RMII/ MIIインターフェイス
・125MHz RGMII出力
– 高度なLinkMD™診断機能
・MSE、ピーク、しきい値割り込みを備えたSQIカウンター
– 機能安全規格に対応
・SGS TUV認証取得済みISO 26262 ASIL B対応
・FMEDA、安全マニュアル
– 拡張された通信距離:100m超
– AEC-Q100グレード1(-40℃~+125℃)
100/1000BASE-T1 PHY: LAN887x
LAN887x シリーズは100/1000BASE-T1に対応したPHY製品です。主に以下の特徴を持っております。
– IEEE802.3bw/bpに完全準拠したシングルポートPHY
・強制またはオートネゴシエーションモード、共通PCB
– IEEE 1588 / .1AS 時刻同期サポート
・8nsのジッター精度
– ケーブル到達距離
・タイプA(15m + 4つのインラインコネクタ)
・タイプB(40m + 4つのインラインコネクタ)
– TC10 スリープ/ ウェイクアップのサポート
・20uA未満のスタンバイ消費電力
– 強化された診断機能
・ケーブル診断、信号品質インジケータ
・BIST、リンク、エラー、温度、電圧、クロックの監視
– 機能安全規格に対応
・ ASIL B
– 48ピン (7 mm x 7 mm) パッケージ
– AEC-Q100 グレード2(-40℃〜+105℃)
シングルペア・イーサネット(SPE)製品リスト
以下がMicrochip社がラインアップしているSPE製品リストになります。上記で紹介したPHY製品以外にも、MAC+PHYや、SwitchといったSPE製品がリリースされております。
本ページにてご案内しましたように、Microchip 社は 10 Mbps~1000 Mbps のデータ転送速度をサポートする SPE ソリューションを提供し、また各デバイスに対応した評価ボードもラインアップしております。詳細に関しましては、Webページにてご確認いただくか、または弊社までお問い合わせください。