商品基礎情報
EMI/EMS/EMC対策について
EMI/EMS /EMC対策を考える際には、どこに伝わるノイズを対策するかにより、選択する手段が変わってきます。一般に、製品に問題を引き起こすノイズには、空間に伝わる放射エミッション(イミュニティ)ノイズと配線などにより伝わる伝導エミッション(イミュニティ)ノイズがあります。一般的に放射系のノイズにはシールド対策が用いられ、伝導系のノイズにはフィルター対策が用いられます。以下の説明では、このフィルター対策について説明します。
ノイズの分類
伝導ノイズ対策
伝導系のノイズ対策に用いるフィルターには、主に単相フィルターと三相フィルターがあります。
- 単相フィルター:主に家庭用やオフィス機器、小型の電子機器など、比較的低い電圧・電流で使用される機器向けです。供給電圧と電流が小さいため、使用されるインダクタやコンデンサの容量が小さくて済み、比較的安価でコストパフォーマンスに優れています。
- 三相フィルター:工業用設備、高出力モーター、工作機械、周波数コンバータなど、高い電圧・電流を使用する産業機器向けです。電流が大きく、より強力なノイズ抑制機能が求められるため、大型のインダクタやコンデンサが必要になります。そのため、単相フィルターに比べて高価になる傾向があります。
部品を選定する際には使用する機器の電源の種類(単相か三相か)はもちろん、定格電流、電圧、そして必要なノイズ減衰量などを考慮して選ぶことが重要です。一般に、フィルターはインダクタ(L),コンデンサ(C),抵抗(R)の3部品から構成されています。インダクタは、フィルターの性能を決める主要な部品で、このデバイスがノイズの通し易さを決めます。コンデンサは製品の信頼性に影響を与える部品で、三相フィルターでは漏れ電流の性能を決めます。このため国内と欧州ではこの容量値を調整する必要があります。なお、国内向けのフィルターを欧州で使用すると過剰な品質となり無駄なコストを払うことになり、逆に欧州用のフィルターを日本国内で使うと異常な電流が流れ最悪ブレーカーを破壊しますのでご注意ください。最後に抵抗は放電をするために採用されており、EMIの特性には大きく影響は与える部品ではありません。
ノイズフィルタの仕様
アプリケーション
- 工作機械などの制御盤(制御系回路)
- CE認証が必要な単相機器
- 半導体製造装置
- インバータ駆動機器
- 医療
- テレコムおよび IT 機器
- DC/DC コンバータおよび電源
代表的な製品
改めてTE社がEMC(EMI)対策として提供するフィルターには以下の製品があります。
- 単相フィルター
単相の交流ライン用として設計されていますが、直流ラインでも使用可能です。端子台、樹脂構造、DINレール取付けなど日本独特の要求仕様に対応している製品もあります。
代表的な製品:FN2030,FN2060,FN2450
- 3相フィルター
3相の交流ライン用で、3相3線式と3相4線式があります。日本国内向けには高価な高減衰タイプを用いますが、海外向けには安価な汎用タイプで規格対応が可能です。
代表的な製品:FN3030,FN3288,FN3280
- DCフィルター
急速充電器や太陽光発電などの直流電源むけのフィルタです。
代表的な製品:FN2220,FN2200
- インレットフィルター
AC電源の入力コネクタであるインレットとEMCフィルターを組み合わせた製品で、ヒューズやスイッチ等複数の機能を組み合わせた製品です。
代表的な製品:FN9222,FN9260,FN9280
- チョークコイル
EMCフィルタのインダクタ部分のみで構成したフィルタで、基板上に実装します。
代表的な製品:RTシリーズ,RVシリーズ




