クロックバッファ/クロックジェネレータがあったらいいな！

高速化が進む現代の電子機器においてわずかなタイミングのズレも許されません。クロックバッファとクロックジェネレータはPCIeやイーサネットといった高速通信の安定動作を実現し、システムの性能と信頼性を支える影の立役者です。本ページではクロックバッファとクロックジェネレータの基本からEPSON社製品のポイントまでを詳しく解説します。

クロックバッファはクロック信号を「分配」するためのデバイスです。
1つのクロック入力を受け取り、それをコピーして複数の出力（例：1入力→4出力）を行います。クロック信号を多くのデバイスに接続すると、信号や波形が弱まることがあります。クロックバッファを介することで、信号を強力に駆動し、安定した波形を各デバイスに届けることができます。

以下はクロックバッファICの性能を表しています。
一例となりますが、100MHzの発振器からクロックバッファを仲介し、USB、SPI、A/Dコンバータ、センサーという各用途に100MHzを複数出力します。

クロックジェネレータはクロック信号を「生成」するためのデバイスです。
1つのデバイスで、複数の異なる周波数（例：100MHzと25MHz）を同時に生成し、出力することができます。また、複数の発振器を個別に用意する必要がなくなるので、基板の占有面積を節約し、コストを削減することができます。

以下はクロックジェネレータICの性能を表しています。
同様に一例となりますが、12MHzの発振器からクロックジェネレータを仲介し、MCU、 USB、ディスプレイ表示、PCIeという各用途に16MHz, 27MHz, 100MHzを生成し、出力します。

EPSON製は自社Fabで作っています。水晶振動子からCB/CGなどのクロックICまでクロック周りの製品を自社製造でフルラインアップしており、『振動子/発振器とのシステム提案が可能』。総じて低ジッタで、高速データ通信やオーディオの品質向上 、高画質な映像の実現が可能です。低消費電力と低ジッタで業界トップを目指しています。

クロックバッファ　型名：S1G7B042

4ポート出力のクロックバッファで周波数帯域を250MHzまでカバーしています。
※開発品の為仕様変更になる可能性あります。

クロックジェネレータ　型名：S1G7G042

スペクトラム拡散機能を持つ、4ポート出力のクロックジェネレータで周波数帯域を250MHzまでカバーしています。
※開発品の為仕様変更になる可能性あります。

EPSONでは水晶デバイスをラインアップしていますので、一括にマッチング対応することができます。不具合が発生した際にはひとまとめに対応することができます。

製品は継続して研究・開発がされており、現在では車載向けに対応した製品も開発が行われています。また、8ch出力かつ400MHzまで対応できる製品も今後リリースされる可能性があります。
『今後のロードマップに乞うご期待！！』

【発振源（水晶素子）からIC製品まで自社完結できる製造体制】

• 振動子/発振器とのシステム提案が可能
  • 水晶デバイスとの組み合わせで、安定したクロック供給を実現
  • 信号品質・位相雑音・消費電力などの特性の最適化
• 水晶製品・半導体製品一連の技術・生産体制を保有
  • CB/CG製品のサプライヤとしてのノウハウを保有
  • 自社Fabによる安定した供給体制

【IC×TD技術から、低ジッタ・低消費電力ソリューションの実現へ】

• 高精度かつ広い周波数帯域(～700MHz)での低消費電力ソリューション
• CMOSと高精度な周波数制御技術の組み合わせによる低ジッタ性能