5分でわかる!衛星通信のキホン 〜仕組みから軌道の違いまで〜
1.衛星通信とは
衛星通信とは、地上と地球を周回する人工衛星とで、様々なデータ(インターネットやテレビ中継など)をやり取りする技術です。
光ファイバーやモバイルの5G回線がある現代において、以下の強みを持つ通信インフラとして、地震などの災害時に、インターネット接続を可能にするなど、人々の生活に密接に関わっています。
・広域性(カバレッジの広さ):山間部、海上、砂漠、空の上など、ケーブルを敷設できない場所でも通信が可能です。
・耐災害性(BCP対策):地震や津波で地上の基地局やケーブルが寸断されても、宇宙空間にある衛星は影響を受けません。非常時の通信手段として不可欠です。
・同報性(一斉配信):1つの電波で広範囲に同時にデータを送れるため、効率が良いです(GPSや放送など)。
次に、衛星通信の仕組みについて説明していきます。
2.衛星通信の仕組み
・アップリンク(送信)
・トランスポンダ(中継)
・ダウンリンク(受信)
▼各衛星軌道の比較
| 軌道タイプ | 高度 | 特徴 | 代表例 |
| 静止軌道 (GEO) | 約36,000km | 地球の自転と同じ速度で回るため、地上からは「止まって」見える。広範囲を常時カバーできる。 | 衛星放送 (BS/CS)、気象衛星 (ひまわり) |
| 準天頂軌道 (QZSS) | 約36,000km | 「8の字」を描く軌道で、特定の国(日本など)の真上に長時間とどまる。ビル陰対策に有効。 | みちびき (GPS補完・強化) |
| 中軌道 (MEO) | 2,000〜36,000km | 低軌道と静止軌道の中間。約12時間で地球を1周する。地球全体を効率よくカバーできる。 | GNSS測位衛星 (GPS、カーナビ、スマホ位置情報) |
| 低軌道 (LEO) | 500〜2,000km | 地球に近く、通信の遅延が少ない。 移動が速いため、多数の衛星を連携(コンステレーション)させる必要がある。 |
衛星インターネット (Starlink)、地球観測、災害時通信 |
▼MEOを周回しているGNSS衛星(測位システム)の一例
| システム名 /運用国 |
高度・軌道 | 特徴 |
| GPS / 米国 | 約20,200km | 6つの軌道面に各4機(計24機以上)を配置。約12時間で地球を1周する。 地球上のどこでも位置・時刻を特定できる最も一般的なシステム。 |
| GLONASS / ロシア | 約19,100km | 軌道傾斜角が大きく(64.8度)、高緯度地域に強い。約11時間15分で地球を1周する。 GPSと併用することで、測位の精度や信頼性が向上する。スマホのナビゲーションや、 測量、農業、緊急サービスなど幅広い分野で利用。 |
| BeiDou / 中国 | 約20,000km 他 | MEOに加え、GEO(静止)、QZSS(準天頂)の3種類を組み合わせている。 データ収集を目的としており、高精度な測位だけでなく、双方向メッセージ機能も特徴。 |
【各衛星の軌道】
・静止軌道 (GEO) / 高度:約36,000km
・準天頂軌道 (QZSS) / 高度:約36,000km
・中軌道 (MEO) / 高度:2,000〜36,000km
【MEOを周回しているGNSS衛星の一例(GPS、GLONASS、BeiDou)】
・GPS (米国) / 高度:約20,200km
・GLONASS (ロシア) / 高度:約19,100km
・BeiDou (中国) / 高度:約20,000km
・低軌道 (LEO) / 高度:500〜2,000km
3.衛星通信の活用例
私たちの生活において、衛星通信が身近な面で役立っている代表的な4つの例を紹介します。
そのため、この分野で使用される地上局設備(アンテナやBUCなど)には、砂埃、塩害、激しい振動、極端な温度変化などに耐えうるミルスペック(米国防総省が制定した物資調達規格)準拠などの、極めて高い耐久性と品質が要求されます。