はじめてのクロック

クロック製品をはじめて使う、ご検討いただくお客様を対象として、クロック製品の種類、特長について説明します。

クロックってどんなもの?

クロックとは…
タイミングを作るデバイスです。

では、タイミングとは…
例えば音楽の場合 … こんな記号 (♩=135) 見たことありませんか?

●この楽譜は四分音符(♩)が基準となる音符で、1分間に四分音符が135個入るテンポです。
●つまり一拍(四分音符)が 、(60秒/135=)0.44秒の長さ(2.25Hz)です。
●これがこの楽譜において、基準となるタイミングです。
●このタイミングは、楽譜ごとに約束ごととして存在します。

音楽におけるクロックデバイスは、この基準となるテンポを作るメトロノームや指揮者です。

クロックってどんなところで使うの?

クロックはどんなシステムでも必ず必要です! (Clock is Everywhere !)
クロックが使用される場所は大きく分けて4種類あります。

  1. プロセッサ・デジタル論理回路用 (CPU, DSP, FPGA, PLD など)
    • プロセッサ・デジタル論理回路はクロック同期で設計されており、1クロック単位で処理を実行します。
  2. データコンバータ用 (ADC, DAC)
    • ADC (Analog to Digital Converter) は、入力されたアナログ信号を一定周期でデジタル信号に変換します。この一定周期のタイミングを作る役割が、クロックです。
    • DAC (Digital to Analog Converter) は、入力されたデジタル信号を一定周期でアナログ信号に変換します。この一定周期のタイミングを作る役割が、クロックです。
  3. 高速デジタルインターフェース用 (Ethernet、PCIe、USB、SerDesなど)
    • 高速デジタルインターフェースの多くは、クロック付きでデータを送受信します。
    • 受信するクロックはホスト側でクロックを付加してきますが、送信するクロックはデバイス自身で生成する必要があります。これを生成するための素となるクロックが必要です。
  4. 無線システムの周波数変換用
    • 無線システムの送信回路は、アナログ低周波信号を高周波信号に変換して送信します。
    • 同様に受信回路は、アナログ高周波信号を低周波信号に変換して受信します。
    • これらの周波数変換のためにLocal Oscillatorという周波数発生器が必要です。
    • このLocal Oscillatorの役割をするのが、クロックの一種のシンセサイザです。

一般的な信号処理システムと無線システムをブロック図で示します。

世の中にはクロック製品ってどんなものがあるの?

共振器(Resonator)

  • 固有の周期(周波数)をもった振り子のことをクロック製品では、共振器(Resonator)と呼びます。
  • 振り子と同様、共振器だけでは動作しません。
  • 一般的な共振器製品は以下の通りです。

発振器(Oscillator)

  • 振り子を振動させ始めることと、振動を持続させるための回路のことをクロック製品では発振回路(Oscillator Circuit)と呼びます。
  • 多くは、共振器と発振回路を1パッケージに収納した製品を発振器(Oscillator)と呼んでいます。
  • 一般的な発振器製品は以下の通りです。

  • 発振器は、デバイスを配置して電源を供給するだけで、所望のクロックを生成できるという使いやすさがありますが、弱点は1出力であることです。



ここまでで、クロック製品には共振器と発信器があることを説明しましたが、次からは発振器を補完するクロック製品をご紹介します。

クロックバッファ(Fan-out Buffer)

特長
弱み
●複数出力
●レベル変換ができる製品もある
●設定が容易
●ジッタ劣化が少ない(Non-PLL Buffer)
●遅延が極めて小さい(PLL Buffer)
●入力周波数と出力周波数は基本的には同じ
●遅延が発生する (Non-PLL Buffer)
●ジッタが著しく劣化する (PLL Buffer)

クロックジェネレータ(Clock Generator)

特長
弱み
●1つの周波数から複数の周波数を生成可能
●複数出力可能な製品もある
●レベル変換可能な製品もある
●EMIを低減できる機能を持った製品もある
●遅延が発生する
●ジッタ—が劣化する
●設定が必要で、かつ複雑
●製品選定が困難
●性能の見積もりが難しい
●初心者には設計が難しい

ジッタクリーナ(Jitter Cleaner)

特長
弱み
●ジッタ性能をXOレベルまで改善
●1つの周波数から複数の周波数を生成可能
●複数出力可能な製品もある
●レベル変換可能な製品もある
●遅延が発生する
●外付けVCXOを必要とするため部品点数増加
●設定が必要で、かつ非常に複雑
●製品選定が困難
●性能の見積もりが難しい
●初心者には設計が難しい

RFシンセサイザ(RF Synthesizer)

特長
弱み
●高周波を出力
●出力可能な周波数範囲が広い
●細かな周波数設定が可能
●外付けVCOを必要とする場合、部品点数増加
●設定が必要で、かつ複雑
●製品選定が困難
●性能の見積もりが難しい
●初心者には設計が難しい

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