InvenSense社製 MEMSモーションセンサのご紹介


MEMSモーションセンサとは
MEMSとは 「Micro Electro Mechanical Systems」の略称です。一般的な半導体とは異なり、電子回路に加えてセンサやアクチュエータ等可動要素部品が半導体のシリコン上に実装されています。このようなMEMSは現在様々なセンサに使用されています。センサMEMSとして半導体に集積することにより、センサを小型化できるというメリットがあります。
MEMSセンサの代表的な例としてジャイロセンサと加速度センサがあります。
- ジャイロセンサ
ジャイロセンサは、角速度を測定できます。角速度は一般的に、「dps (degree per second)」 の単位で表します。単位時間当たりの角度の変化量を表し、360 dpsで1秒当たりに1回転したことになります。 - 加速度センサ
加速度センサは、重力、振動、衝撃を測定できます。加速度は一般的に、「g」の単位で表します。
このジャイロセンサと加速度を組み合わせたセンサがMEMSモーションセンサです。
一般的には、3軸のジャイロセンサと3軸の加速度センサで構成されています。これら2つのセンサを組み合わせることにより精度の高い動きや姿勢を検出できます。
この特性を利用して、スマートフォン、デジタルカメラ、カーナビ、ゲーム機、ドローン等、様々な電子機器に搭載されており、様々なアプリケーションで活用されています。
InvenSense社製 MEMSモーションセンサの特長
ジャイロセンサの特長
InvenSense社製のMEMSジャイロセンサは、静電容量方式の振動ジャイロセンサです。振動しているMEMS素子に加わるコリオリの力より角速度を検出します。
回転する円盤状でAからBへ物体を移動させた場合、コリオリの力により物体はCに到達します。コリオリの力「F」は、角速度「Ω」と速度「V」で下記の式で表されます。
F = -2Ω x V
この計算式から角速度Ωは
Ω = -(1/2) F/V
とFとVから求めることができます。
加速度センサの特長
InvenSense社製のMEMS加速度センサは、静電容量方式です。可動電極の変位を静電容量で検出し、加速度を算出しています。
センサに加速度が加わると可動電極の位置が移動します。そのため、「固定電極Aと可動電極間の容量」と「固定電極Bと可動電極間の容量」が変化します。その容量の差から可動電極の位置がわかり、加速度を求めることができます。
InvenSense社製 MEMSモーションセンサ おすすめ製品
InvenSense社製のMEMSモーションセンサ製品には以下の特長があります。
- APEXモーションエンジンによる動作検知
- ICM-426xxシリーズに搭載されている動作検知アクセラレータ
- 歩数計、傾きセンサ、タップ検出、モーション起動、移動検出をサポート
- 各動作検知機能からデータや割り込みを出力
- SPI、I2C、I3Cの多様なシリアルインターフェイスをサポート
- 2KBの大容量FIFOを搭載
- マイコンのサンプルコードをInvenSense社より無償提供
これらの特長を持つ製品の中で、おすすめの3製品をご紹介します。
ICM-42688-P
■外部クロックの供給で感度誤差を低減
■低ノイズ仕様
●ジャイロセンサ : 2.8 mdps/√Hz
●加速度センサ : 70 μg/√Hz
■高精度データをサポート
●ジャイロセンサ : 19ビット
●加速度センサ : 18ビット
■プログラマブルなフルスケールレンジ
●ジャイロセンサ : 2000/1000/500/250/125/62.5/31.25/15.625 dps
●加速度センサ : 16/8/4/2 g
ICM-42605
■ICM-42688と同等の低ノイズ加速度センサ : 70 μg/√Hz
■プログラマブルなフルスケールレンジ
●ジャイロセンサ : 2000/1000/500/250/125/62.5/31.25/15.625 dps
●加速度センサ : 16/8/4/2 g
ICM-42670-P
■低価格なモーションセンサ
■プログラマブルなフルスケールレンジ
●ジャイロセンサ : 2000/1000/500/250 dps
●加速度センサ : 16/8/4/2 g
最後に
今回はMEMSモーションセンサについてご紹介しました。InvenSense社製MEMSモーションセンサの特長は理解できましたでしょうか?
InvenSense社では今回ご紹介したモーションセンサを始め様々なMEMS製品を取り揃えています。詳細は以下の製品カタログをご参照ください。