USB PD用電源IC MPX2001評価ボードを動かしてみた(65W編)


今回はMonolithic Power Systems(以下、MPS社)のUSB PDの65W品MPX2001Evaluation Kit(以下、評価ボード)を評価してみました。
MPX2001評価ボード
MPS Solution 2 USB PD用電源ICのラインアップ
すぐに評価が始められる評価ボードと無償サンプルの提供が可能です。
下記の申し込みフォームより、「無償サンプル希望」とお問い合わせください。
MPX2001評価ボードの特長
今回はMPX2001評価ボードの特長について紹介します。
- 入力電圧は90Vac~264Vacまで幅広く入力することが可能です。
- 基板のサイズは56mm×57mm×23mm(L×W×H)
- パワーデリバリーの5V、9V、15V、20Vで出力電力は65Wを出力することが可能です。
- PCに接続して出力電圧をモニターすることが可能です。
MPX2001評価ボード 測定内容
今回はMPX2001評価ボードの評価ボードを使用して測定します。
今回測定する項目
- 効率
評価する今回はMPX2001評価ボードの回路図になります。
MPX2001評価ボード 測定環境
以下の測定環境で評価します。
- 効率測定
MPX2001評価ボード 動作方法、評価方法
MPX2001評価ボードの動作方法は安定化電源を入力して、出力電圧は今回はAVHzY CT-2 (Kotomi Premium) を使用して設定するだけで動作できます。
(評価方法)
- 安定化電源でACの120Vac,230Vacの電圧設定を行い、安定化電源から評価ボードに配線して安定化電源の出力スイッチを押します。
- 出力電圧5V、9V、15V、20Vの設定はAVHzY CT-2 (Kotomi Premium) を使用して設定変更をします。
- 出力電圧を変更しながら、電子負荷装置を使用して負荷電流を変更します。
- パワーメーターで入力電力と出力電力を読み取りして効率を測定します。
MPX2001評価ボード 測定基板写真
測定基板の写真になります。
今回の測定データについて
測定は、入力電圧を2種類120Vac、230Vac、出力電圧を4種類5V、9V、15V、20Vで測定します。今回のページでは代表的なデータとして入力電圧を2種類120Vac、230Vac、出力電圧を5Vでの効率データと効率グラフを載せております。
測定項目と条件について
※●のデータはその他のデータとしてまとめています。
EVX2001-Y-00Dの結果①-1
EVX2001-Y-00Dの効率データ
出力電圧5Vの測定データになります。
Vin(Vac) | Load(%) | Pin(W) | Vo(V) | Iout(A) | Pout(W) | Efficiency(%) | Loss(W) | Average Efficiency(%) |
Vin=120Vac | 100 | 16.49 | 5.00 | 3.00 | 15.00 | 90.98 | 1.49 | 89.55 |
75 | 12.42 | 5.00 | 2.25 | 11.25 | 90.59 | 1.17 | ||
50 | 8.33 | 5.00 | 1.50 | 7.5 | 89.98 | 0.84 | ||
25 | 4.32 | 5.00 | 0.75 | 3.74 | 86.64 | 0.58 | ||
10 | 1.96 | 5.00 | 0.30 | 1.49 | 75.83 | 0.47 | ||
Vin=230Vac | 100 | 16.72 | 5.00 | 3.00 | 15.00 | 89.70 | 1.72 | 86.98 |
75 | 12.66 | 5.00 | 2.25 | 11.25 | 88.84 | 1.41 | ||
50 | 8.56 | 5.00 | 1.50 | 7.49 | 87.52 | 1.07 | ||
25 | 4.57 | 5.00 | 0.75 | 3.74 | 81.87 | 0.83 | ||
10 | 2.02 | 5.00 | 0.30 | 1.49 | 73.65 | 0.53 |
効率データから入力電圧が120Vac、230Vac共に出力電圧は5%(4.75V~5.25V)の範囲に収まっておりました。
最大負荷電流値でも89%以上の効率を実現しておりました。
EVX2001-Y-00Dの結果①-2
EVX2001-Y-00Dの効率グラフ 全体(効率レンジを0%~100%)
入力電圧を120Vac、230Vac、出力電圧5Vで測定した効率グラフです。(室温25℃)
EVX2001-Y-00Dの結果①-3
EVX2001-Y-00Dの効率グラフ 拡大(効率レンジを72%~90%のところを拡大)
入力電圧を120Vac、230Vac、出力電圧5Vで測定した効率グラフです。(室温25℃)
まとめ
MPX2001評価ボードを使用することで出力電圧が5V/9V/15V/20Vと簡単に変更できて、効率を測定することができました。
測定結果からも15W出力電力で効率は89%以上を確認できて、65W出力電力で効率は91%以上の確認ができました。
前回測定した45Wの評価ボードと効率を比較しても、ほぼ同じ効率でした。
担当エンジニアからの一言
今までの評価基板よりも、入力電圧を入力して出力電圧は外側から制御するだけなので基板の改造が無く、とても簡単に評価できるKitになっております。
USBのPDの転用としても簡単に評価できる環境になっておりますので、ぜひご評価ください。
一般販売されている小型のUSB PDのアダプターと比較しても、ほぼ効率に変化は見られませんでした。ただ、一般販売されているものは小型にパッケージされており熱が籠ることが考えられて、今回測定したのは評価ボードですので熱が逃げやすく放熱が違うのでほぼ効率に変化が見られなかったと考えられます。