motorBench® Development Suiteを使ってみよう[概要編]
motorBench® Development Suite は、GUIベースのフィールド指向制御(ベクトル制御)を行うための包括的なソフトウェア開発ツールです。
モーター制御において、正確なモーターパラメータの把握や制御ゲインの調整は、多くの開発時間を要する課題です。
Microchip社が提供するmotorBench® Development Suiteは、これらのプロセスを自動化・簡略化し、無負荷または一定負荷でのモーター起動・動作にかかる時間を大幅に節約する包括的なソフトウェア開発ツールです。
本記事では、その概要と技術的なメリットについて解説します。
目次
motorBench® Development Suite とは
motorBench® Development Suiteは、MPLAB® X IDEプラグイン「MPLAB Code Configurator(MCC)」のライブラリで、GUIベースでモーター制御を行うためのツールです。
Microchip社のdsPIC33EP デジタルシグナルコントローラ(DSC)等を用いた開発において、高度なグラフィカル環境を提供します 。
motorBench® Development Suite の主な特徴
- セルフコミッショニング:制御に不可欠なモーターパラメータを正確に自動抽出
- オートチューニング:電流コントローラおよび速度コントローラのフィードバック制御ゲインを自動調整
- ソースコード生成:測定結果に基づき、ベクトル制御アルゴリズムのプロジェクトソースコードを生成
- カスタムとチューニング:生成されたコードに対し、ユーザーによる任意のカスタマイズや微調整も可能
このツールは、Motor Control Application Framework(通称MCAF)と呼ばれるファームウェア・フレームワークによって、モーターを回転させるためのアプリケーションコードを生成します。
Motor Control Application Framework(MCAF)による柔軟な開発
MCAF は、dsPIC® DSC デバイスにおけるモーター制御アプリケーション向けに用意されたファームウェア・フレームワークで、motorBench® Development Suite のファームウェアパッケージに含まれています。
MCAF は、各種設定情報および、モーターパラメータの自動測定、そして、その結果得られたモーター制御ループの調整計算に基づいて、 motorBench® Development Suite によって特定のアプリケーション・ソースコード・インスタンスに「レンダリング」されます。つまり、取得したモーターパラメータがソースコードに自動的に反映されます。
利点
- 複数のハードウェア構成の管理
コード生成を使用することで、MCAFは単一のファームウェアパッケージで、プロセッサ、ボード、PIM(Plug-In Module)、モーター、負荷などの多様な組み合わせをサポートできます。 - チューニングプロセスの自動化
motorBench® Development Suite には、電流コントローラと速度コントローラを自動的にチューニングするアルゴリズムが含まれています。
サポート対象
開発ボード
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dsPICDEM™ MCLV-2 開発ボード DM330021-2(外部リンク) |
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dsPICDEM™ MCHV-2 DM330023-2(外部リンク) |
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dsPIC33CK 低電圧モーター制御(LVMC)開発ボード DM330031(外部リンク) |
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MCS MCLV-48V-300W 開発ボード EV18H47A(外部リンク) |
Plug-In Module(PIM)
dsPICDEM™ MCLV-2 開発ボード (DM330021-2(外部リンク)) および dsPICDEM™ MCHV-2 (DM330023-2(外部リンク)) 開発ボードでは、次の PIM がサポートされています。
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dsPIC33EP256MC506 外付けオペアンプ モーター制御 PIM MA330031-2(外部リンク) |
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dsPIC33CK64MC105 外付けオペアンプ モーター制御 PIM MA350051-1(外部リンク) |
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sPIC33CK64MC105 内蔵オペアンプ モーター制御 PIM MA330051-2(外部リンク) |
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dsPIC33CK64MP105 外付けオペアンプ モーター制御 PIM MA330050-1(外部リンク) |
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dsPIC33CK64MP105 内蔵オペアンプ モーター制御 PIM MA330050-2(外部リンク) |
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dsPIC33CK256MP508 外付けオペアンプ モーター制御 PIM MA330041-1(外部リンク) |
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dsPIC33CK256MP508 内蔵オペアンプ モーター制御 PIM MA330041-2(外部リンク) |
Dual-Inline-Module(DIM)
MCS MCLV-48V-300W 開発ボード (EV18H47A(外部リンク)) では、次の DIM がサポートされています。
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dsPIC33CK256MP508 モーター制御 DIM EV62P66A(外部リンク) |
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dsPIC33CK64MC105 モーター制御 DIM EV03J37A(外部リンク) |
リファレンス モーター
以下は、Microchip から入手可能なサポートされているリファレンス モーターです。
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Hurst 24V 3相BLDCモーター AC300021(外部リンク) |
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Hurst 24V 3相BLDCモーター(エンコーダ付き) AC300022(外部リンク) |
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Linix 36ZWN24-30-34 (dsPIC33CKモーター制御スターターキットEV12F76A(外部リンク)に付属) |
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Leadshine 400W 220VACサーボモーター AC300025(外部リンク) |
まとめ
今回は、motorBench® Development Suite の概要について紹介しました。motorBench® Development Suiteを導入することで、複雑なモーター制御の初期設定から安定動作までの工数を劇的に削減できます 。
以下の記事では、motorBench® Development Suite のセットアップ手順や操作方法についても紹介していますので、ぜひこちらもご参照ください。
登録商標について
Microchip社のロゴ、motorBench®、MPLAB®、 dsPIC® は、Microchip社の登録商標です。
dsPICDEM™ は、Microchip社の商標です。
その他すべての名称は、それぞれの所有者に帰属します。
















