インフォメーション ヌヴォトン テクノロジージャパン|AIサーバー向け デイジーチェーン対応 16セルバッテリ監視ICを量産開始
~400V/800V高電圧BBU対応、高信頼・高効率な電源システムを実現~
ヌヴォトン テクノロジー(以下、当社)は、AIサーバー向けBBU (Battery Backup Unit(*1))に最適化したバッテリ監視IC(Battery Monitoring IC : BMIC)「KA49703AおよびKA49713A」を開発しました。
AIサーバーは社会インフラを支える重要な基盤となっており、その安定稼働を実現するためには、24時間365日の常時運用に耐える高い信頼性が求められています。本製品は、車載分野で実績のあるデイジーチェーン通信技術(*2)を、高電圧システム(400V/800V)向けBBUへ展開することで、高信頼・高効率な電源システムの実現に貢献します。
本製品による効果
- デイジーチェーン通信対応で最大55デバイス接続に対応し、大規模バッテリシステム設計を簡素化
- 輸送・保管時向けモードを搭載することにより、保管可能期間の延長と運用コスト低減に貢献
データセンターは、社会や産業を支える重要なインフラとして24時間365日の安定稼働が求められており、その電源システムには高い信頼性と安定性が不可欠です。近年では、生成AIやクラウドサービスの普及に伴うAIサーバーの消費電力増加を受け、電力供給のさらなる高効率化と高信頼化が求められています。
また、電力供給効率の向上を目的として400V/800Vクラスの高電圧電源アーキテクチャの導入が進むとともに、サーバーや電源設備の高密度化も加速しています。このような環境変化を背景に、バッテリシステムには、高電圧環境に対応した安全な監視機能に加え、発熱を抑えながら長時間の連続稼働を支える高い信頼性が求められています。
さらに、バッテリシステムは単なる停電時のバックアップ電源ではなく、瞬時の電力変動吸収やシステム保護、サービス継続性の確保を担う重要な構成要素として、その役割を拡大しており、現在では、データセンターや通信インフラの安定運用を支える基盤技術の一つとなっています。
当社は車載分野で実績のあるデイジーチェーン通信技術を展開し、産業・社会インフラ用途向けとして高電圧システム(400V/800V)BBUへ対応したバッテリ監視IC「KA49703AおよびKA49713A」を開発し、2026年9月より量産を開始します。最大16セルのバッテリ電圧を高精度に監視するとともに、高電圧システム向け通信機能やセル異常検出機能などの安全機能を統合し、次世代蓄電システムに求められる要件に対応します。
当社新製品の特長
1.デイジーチェーン通信対応で最大55デバイス接続に対応し、大規模バッテリシステム設計を簡素化
400V/800Vクラスに高電圧化されたAIサーバー向けBBUやエネルギー貯蔵システム(Energy Storage System:ESS(*3))では、多数のリチウムイオンセルを直列接続する必要があります。従来のバッテリ監視システムでは、各バッテリ監視ICにMCUとアイソレータを必要とするため、多セル化に伴い部品点数や通信配線が増加し、通信品質の低下を招くという課題がありました。
本製品は、この課題を解決するためにデイジーチェーン通信機能を搭載しています。複数のバッテリ監視ICを数珠つなぎに接続することで、最大55デバイスを接続した大規模バッテリシステムを少ない配線で構築でき、高電圧システムにおいても安定した通信を実現します。従来必要であったMCUやアイソレータの削減が可能となり、システム設計の簡素化、部品点数削減、小型化および高信頼化に貢献します。
これにより、AIサーバー向けBBUや大規模ESSなど、今後さらなる高電圧化・大容量化が進む次世代電源システムにおいて、高効率で信頼性の高いバッテリ監視ソリューションを提供します。さらに、本製品はQFP-48ピン(7mm×7mm)の小型パッケージを採用しており、特にAIサーバー向けBBUで求められる厳しい実装スペースの制約にも対応します。高信頼な通信機能に加え、高精度(±2.9mV)の電圧測定機能を統合することで、次世代電源システムに求められる監視性能と安全性の向上に貢献します。
2.輸送・保管時向けモードを搭載することにより、保管可能期間の延長と運用コスト低減に貢献
AIサーバー向けBBUや大規模ESSにおいては、多数のリチウムイオンセルを搭載しているため、製造後、船やトラック等で長期間をかけて輸送する必要があり、輸送・保管時の電力消費を抑える必要があります。一方で、デイジーチェーン通信機能を搭載した従来のバッテリ監視ICでは、シャットダウン時の消費電流が増加するため、輸送・保管時の電力消費に課題がありました。この課題を解決するため、KA49713Aは、輸送・保管時向けモードを搭載しました。これによりシャットダウン時の消費電流を0.1μA以下に抑制します。輸送・保管時のバッテリ消耗を大幅に低減し、保管可能期間の延長と補充電回数の削減を実現することで、運用コスト低減に貢献します。
これらの機能を備えたバッテリ監視ICは、AI時代における電力需要の増加や電源システムの高電圧化に対応し、データセンターや産業機器、社会インフラ向け蓄電システムの高信頼化と高効率運用に貢献します。
当社は、本製品を含むBMICシリーズの展開を通じて、バッテリ監視技術のさらなる進化を推進し、持続可能で信頼性の高いエネルギー社会の実現に貢献してまいります。
なお、本製品はすでにサンプル提供を開始しており、2026年9月より順次量産出荷を開始する予定です。AIサーバー向けBBUから大規模ESSまで、次世代高電圧バッテリシステムの高信頼化と高効率化を支えるバッテリ監視ソリューションとして展開してまいります。
用途
- AIサーバー向けバッテリバックアップユニット(BBU)、大規模エネルギー貯蔵システム(ESS)など
対象品番
産業機器向けバッテリ監視IC
KA49703A、KA49713A
仕様
| 品番 | KA49703A | KA49713A |
| 通信方式 | デイジー / SPI | |
| 最大接続セル数 | 16セル | |
| 定格電圧 | 76.8V | |
| 電圧測定精度 | ±2.9mV | |
| 消費電流 (シャットダウン時) |
5.0μA | 0.1μA以下 (輸送・保管モード) |
| 起動方式 | デイジー信号 | 専用起動信号 |
| パッケージ | QFP-48ピン(7mmx7mm) | |
実施例
量産開始
2026年9月(予定)
お問い合せ先
用語説明
[1] BBU(Battery Backup Unit)
リチウムイオン電池などの二次電池を搭載し、停電や瞬時電圧低下時に電力を供給するバックアップ電源装置。
[2] デイジーチェーン通信
複数の監視ICを直列に接続して通信する方式。配線削減と高い耐ノイズ性能を実現する。
[3] ESS(Energy Storage System)
再生可能エネルギーや電力需給調整に利用される蓄電システム。
関連リンク
ヌヴォトン テクノロジージャパン株式会社について
ヌヴォトン テクノロジージャパン株式会社(Nuvoton Technology Corporation Japan, 略称:NTCJ)は、2020年にNuvoton Groupに加わりました。NTCJは、世界的な半導体専門メーカーとして、設立以来60年超にわたって培われてきた技術とさまざまな製品、およびそれらを最適に組み合わせたソリューションを提供しています。 お客様やパートナーとの関係を大切にし、期待以上の付加価値を提供することで、社会、産業、人々の生活のさまざまな問題を解決するグローバルソリューション企業として活動しています。詳細については、https://www.nuvoton.co.jp/ をご参照ください。