セイコーエプソン｜音声再生専用ハードウエアを搭載した32ビットマイコンシリーズ『S1C31D41』

– 使いやすさはそのままに、音声ピッチ変換機能追加、±1%精度の内蔵クロックを搭載 –
音声再生専用ハードウエアを搭載した32ビットマイコンシリーズに、フラッシュメモリー容量：96Kバイトの『S1C31D41』を追加ラインナップしました。

商品基礎情報

主な概要

住宅において給湯器リモコンや家電製品などの音声を使った設備・機器が普及しているほか、健康機器のガイド、オフィスビルや商業施設、工場においても、音声を使った警報機などの活用が進んでいます。新製品『S1C31D41』は、これらの設備・機器でニーズの高かった、内蔵メモリーサイズと広いピンピッチのパッケージに対応した音声再生を実現する最適なマイコンです。『S1C31D41』は、対象分野の製品に適したフラッシュメモリー容量:96Kバイトを搭載し、話速変換機能に加えて、新たに聞き取りやすい声の高さを設定できる音声ピッチ変換機能を追加しました。さらに、±1%精度の内蔵クロック(0～85℃)を搭載、お客様による外付け部品の削減を実現します。

従来モデル「S1C31D50/D51(フラッシュメモリー容量:192Kバイト)」と同様に、汎用性の高い32ビットRISCプロセッサー Arm®Cortex®-M0+に「HW Processor」と呼ぶ音声再生専用の回路を搭載し、２チャンネルミキシングや話速/音声ピッチ変換、ブザー音声の再生をCPUリソースなしで実行できます。また、音声データの開発環境として12言語に対応した音声作成用のPC ツールも提供しており、スタジオ録音不要で多言語の音声データが簡単に作成でき、すでにお持ちのWAVデータも使用できるため、音声データ作成工程の削減に寄与します。

主な特長

１．多彩な音声再生手段

スピーカー、電磁ブザー、圧電ブザーによる音声再生が可能
S1C31D41紹介動画

（注）動画は、YouTubeのサービスを使って提供します。
（注）YouTubeは、Google Inc.の商標です。

２．専用ハードウエアブロックにより各種機能がCPUリソースなしで実行可能

多彩な音声再生機能
- 2chミキシング音声再生（バックグラウンドミュージック + 音声再生可能）
- 話速変換機能（75% – 125%, 5%ステップ）
- 音声ピッチ変換機能（D41のみサポート、75% – 125%, 5%ステップ）
- 音声だけでなく、バックグラウンドミュージックなどにも十分なサンプリング周波数：15.625kHz
- 高音質高圧縮音声デコードアルゴリズム搭載（D41：16/24kbps, D50/D51：16/24/32/40kbps）
メモリー自己診断機能
- 内蔵RAM：R/Wチェック、MARCH-C START
- 内蔵Flash/外付けQSPI-Flash：Checksum、CRC
シンプルなHW Processor制御インターフェース
- 専用レジスタに、Function、Commandをセットして、スタートをかけるのみで実行

３．エプソン音声作成PCツールにより、簡単に音声作成が可能

スタジオ録音不要で、PCツールのみで音声データ作成可能（下記言語に対応）
- アメリカ地域言語：アメリカ英語、アメリカン・スパニッシュ、カナディアン・フレンチ
- ヨーロッパ地域言語：イギリス英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ロシア語
- アジア地域言語：日本語、中国語、韓国語
PCツール上の音声番号を、HW Processor制御用レジスタへ指定することで音声再生が可能であるため、音声データの接続などのコードの作成・評価が不要に
お手持ちの音声データ（WAVフォーマット）を、簡単にPCツール内へ取り込み可能
エプソン音声作成PCツール紹介動画

警報機リファレンスデザイン

対象分野製品のロングバッテリーライフ実現のための低スリープ電流、高速クロック起動を実現するリファレンスソフトウエアなど、警報機のデモ動画およびリファレンスデザインを以下に掲載しています。

開発環境

評価ボードは、USBケーブルによりデバッグ可能となるDAPLINK、UPMUX(ソフトウエアによって自由に端子に割り付ける機能)と合わせて直接センサーモジュールが差し込み可能となるソケットなどをサポート、容易な開発環境を提供します。

製品概要

製品型番	S1C31D41
CPUコア	32ビットRISCプロセッサー Arm^® Cortex^®-M0+
フラッシュメモリー容量（Program&音声ROM共用）	96Kバイトオンボード書き換えが可能、プログラミング電圧を内部生成可能
内蔵RAM容量（HW Processor未使用時）	8Kバイト（+18Kバイト）
音声再生アルゴリズム	EOV（エプソン独自高圧縮高音質フォーマット）/16bit PCM
再生チャネル数	2チャンネルミキシングサポート（例 Ch.0：音声, Ch.1：BGM）
サンプリング周波数	15.625kHz,（バックグラウンドミュージック + 音声再生にも最適）
ビットレート	EOV：16/24 kbps
複数SoundROMサポート	supported
フレーズ間ギャップレス再生機能	supported
ボリューム変更機能	supported
リピート回数設定機能	supported
話速変換機能	75% – 125%（5% step）
音声ピッチ変換機能	75% – 125%（5% step）
トーン生成機能	supported
サウンドDAC（スピーカー用）	supported（15.625kHz）
電磁ブザー・圧電ブザー出力モード	supported（15.625kHz）
内蔵RAMチェック	W/R チェック、MARCH-C
内蔵Flash/外付けSPI-Flashチェック	Checksum, CRC
シリアルインターフェース	4チャネル（Memory ⇔ Memory、Memory ⇔ Peripheral）クワッドシリアルインターフェース（QSPI）：1ch
DMAコントローラーチャネル数	4チャネル（Memory ⇔ Memory、Memory ⇔ Peripheral）
システムクロックソース	4種類（IOSC/OSC1/OSC3/EXOSC）から選択可能（16MHz（max.）） ※D41 OSC3内蔵発振回路：±1%@Ta=0~85℃
汎用入出力ポート数	PKG32pin：25本（max.） PKG48pin：39本（max.） PKG64pin：55本（max.）
タイマー	16bit Timer（8ch）、16bit PWM（2ch）、 WDT、RTC
12ビット A/D変換器	逐次比較型12 bits 1チャネル 8 ポート/チャネル（max）
電源電圧検出回路	VDD：28 値（1.8 ～ 5.0 V）/外部電圧：32値（1.2 ～ 5.0 V）
温度センサ/基準電圧生成回路	センサ出力をA/D変換器で計測可基準電圧生成回路 – 2.0 V, 2.5 V, VDDまたは外部印加からA/D変換器の基準電圧を選択可能
VDD動作電圧	1.8 ～ 5.5 V * VDD > 3.6 Vの場合, VD1電圧モードはmode0
Flash書き換え時VDD動作電圧	2.2 ～ 5.5 V
外付けSPI-Flash interface VDDQSPI	3.0 to 3.6V （メインVDD電圧：5V, SPI-Flash電源電圧：3.3Vで使用可能）
動作温度範囲	-40 to 85 ℃
動作周波数（VD1電圧モード：mode0）	16MHz
動作周波数（VD1電圧モード：mode1）	1.8MHz
消費電流（標準値） RUN：VD1：mode0	215 μA/MHz（16MHz）
消費電流（標準値） RUN：VD1：mode1	130 μA/MHz（1.8MHz）
消費電流（標準値） SLEEP	0.34 μA
消費電流（標準値） HALT（32.768kHz水晶発振）	1.5 μA
パッケージ	P-TQFP032-0707-0.80 P-TQFP048-0707-0.50 P-LQFP064-1010-0.50