GRAS イヤーシミュレータープラットフォームTEDS対応
GRASはIEC60318-4 イヤーシミュレーター(711カプラ)、KEMAR、測定治具をTEDSに対応させ、より使い勝手の良いソリューションをご提供します。GRAS製品を使用することで、より簡単に正確なオーディオ機器の測定を可能にします。本ページでは、新しくTEDS対応した製品とTEDSについてご紹介します。
TEDSについて
▌TEDSとは?
TEDS(Transducer Electronic Data Sheet)とは、IEEE1451.4規格内で定義された標準フォーマットの電子データです。このデータには、センサーの種類、インターフェース、メーカー、型番、シリアル番号、感度、校正日、基準条件などの技術情報が記述されています。
TEDSセンサーは、「プラグインプレイセンサー」と呼ばれることもあり、内部メモリを介して、データ収集システム自身がセンサーを識別し、自動でシステム構成(感度設定)を行うことができます。TEDSを活用することで、手動で感度設定やセンサー情報を入力する必要がなく、測定ソフトウェアでTEDS読み込みをするだけで、測定を開始できます。感度値の入力間違えなどのヒューマンエラーを低減できます。
▌TEDSを使用するメリットは?
TEDSセンサーを導入することで、以下のようなメリットが得られます。
①測定チェーンの完全性を確保する
•どの機器に接続されているのか
•素早くトレーサビリティーを確認
•診断とトラブルシューティングの改善
•校正間隔の確認
•センサーデータ管理、データ管理、在庫管理の改善
②プラグインプレイ
•センサーを交換しても再校正作業は不要
•データ収集システム自身で感度設定が可能
③作業時間の短縮
•接続確認時の事前対策が軽減
•セットアップと測定器分解のコストを削減
•センサー修理のためのダウンタイム削減、システムセットアップの迅速化・自動化
▌TEDSの技術情報
▌TEDS記録情報
GRASではTEDS2431を使用しており、TEDSに記録されている情報は下記の通りです。
TEDSチップの読み書きを行うためには、その技術に対応したソフトウェアとハードウェアが必要です。現在販売されている音響・振動計測関連のデータ収集システム(DAQ)やソフトウェアのほとんどは、TEDS対応しています。
TEDS対応の機器でTEDSチップの読み取りに問題がある場合、最新のDS2431チップとの互換性についてメーカーに問い合わせてください。場合によっては、簡単なソフトウェアアップデートで問題が解決することもあります。
TEDS対応機器は、チップに書き込まれた情報を読み取ることができますが、データを書き込む機能はすべてのハードウェア、ソフトウェアに備わっているわけではありません。これらの機能については、機器メーカーに問い合わせをお願いします。
※TEDS2431の記録情報
▌センサー配線
TEDSは、標準的なLEMOプリアンプとCCP(BNC)プリアンプの両方で使用できます。7ピンLEMOプラグの標準的なプリアンプでは、下記Fig.2画像のように、1つのピン(5)がTEDSデータ用に使用され、グランドピンは共有されます。
CCPプリンアンプでは、下記Fig.3画像のようにTEDSのデータ信号はマイク信号と同じワイヤーを使用します。
※TED配線情報
TEDS対応イヤーシミュレータープラットフォーム
イヤーシミュレーター(711カプラ)を搭載する測定器がTEDS対応し、イヤホンやヘッドホンなどオーディオ機器の測定をより簡単に手軽に行うことができるようになりました。
対応するイヤーシミュレータープラットフォームは下記の通りです。
-CCPタイプのKEMAR、45BC-13
-CCPタイプの測定治具45CA
-測定治具45CCの全モデル
-下記、CCPタイプの片耳測定治具43AXシリーズ
43AA-S2、43AC-S1、43AC-S5、43AC-S7、43AG-2、43AG-4、43AG-7、43AG-9、43AG-S2、43AD-S1、43AH、43AI
GRASオーディオ測定機器
関連商品・技術情報
オーディオ機器評価のための測定機器について|GRAS社
GRAS社 オーディオ機器 測定治具
GRAS社ではイヤホンやヘッドホン、電話機などオーディオ機器を試験するための測定治具を各種取り揃えています。人間の耳は音響的に複雑な構造のため、通常のマイクロホンだけでは測定が難しいです。そのため、人間の耳での測定値を定量化する国際規格および勧告が用意されています。GRASで各規格、各勧告に準拠する測定治具を用意しているため、実施したい試験に最適な測定治具をご提案できます。
ヘッドホン/イヤホン/聴覚保護具 評価装置 45CA|GRAS社
GRAS 45CAはイヤーシミュレーターを内蔵することができ、手軽にヘッドホンやイヤホンの測定を行うことが可能です。KEMAR(HATS)同様のイヤーシミュレーターや人工耳を使用することができるため、ヘッドホンやイヤホン測定には最適な製品になります。
また堅牢な設計のため、高い遮音性を実現しており、ノイズフロアを最小限に抑えています。聴覚保護具や耳栓の測定にも使用することができます。近年ではANC(アクティブ・ノイズ・キャンセリング)の測定にも使用されています。
イヤホン/ヘッドホン 評価装置 45CC|GRAS社
GRAS 45CCはイヤホン、ヘッドホンを測定するための評価装置になります。2022年に大幅にアップデートされ、人口耳とイヤーシミュレーターを搭載できるようになりました。アップデートにより、研究開発、生産ライン、品質管理などの幅広い場面で使用でき、測定の高い再現性と繰り返し性を実現します。
音響計測用マネキン KEMAR
デンマークのグラス社製”KEMAR”は、1972年から研究機関で使用されている音響計測用マネキンです。開発当初より補聴器メーカーや聴覚研究の業界標準となりました。常に時代に合った改良を繰り返し、様々研究・計測向けに最適なマイクロホンを内蔵することが可能で、ローノイズタイプや、70kHzを超える周波数に対応するモデルもございます。現在では多くアプリケーションや業界で使用されるHATSとなっています。
KEMARは国際規格IEC60318-7、ANSI: S3.36, S3.25.に準拠しています。
※HATS : Head And Torso Simulator
IEC 60318-4準拠 イヤーシミュレーター(711カプラ)|GRAS社
GRAS社ではIEC 60318-4に準拠したイヤーシミュレーター(711カプラ)をご用意しています。人間の耳の音響特性を模擬しており、イヤホンやヘッドホンなどのオーディオ製品の測定には欠かせない製品です。GRASのイヤーシミュレーターはIEC 60318-4の規格に準拠し、お客様からのニーズに合わせた様々なタイプをご用意しています。