商品基礎情報

マウスシミュレーターとは?
マウスシミュレーターは精密な電気音響測定に欠かせない機材で、人間の口の音場を精密にシミュレートしたスピーカーです。電話機や通話用のマイク、近年ではスマートスピーカーの測定にも使用されています。ITU-T Rec. P51およびIEEE 269, 661にて、マウスシミュレーターの仕様を規定しており、GRAS 44AAと44ABは規格を満たしています。
GRASではマウスシミュレーター単体で使用するだけではなく、HATS(KEMAR)や測定治具にマウスシミュレーターを組み込むことができ、手軽に正確な測定を行うことが可能です。KEMAR頭部に搭載する場合には、44AAおよび44ABは搭載できず、特別な小型マウスシミュレーターを搭載します。
製品特徴
GRASマウスシミュレーターは外部信号をBNCコネクタから入力でき、8Ωのラウンドスピーカーになります。マウスシミュレーターは三脚に取付ができるよう3/8″のネジ穴が空いています。また着脱式のリップリングや校正時に使用する治具が標準で付属します。
44AAはパワーアンプを内蔵しており、外部に別途パワーアンプを用意頂く必要はありません。一方で44ABにはパワーアンプは内蔵していません。
44AAの内蔵パワーアンプを駆動させるためには付属のACアダプターを使用し、24VDCの電源を供給する必要があります。44AAにACアダプターを接続しなければ、パワーアンプは駆動せず、44ABと同じように使用できます。
付属品、オプション品
44AAと44ABには着脱式のリップリングが付属し、校正用治具RA0104(ITU-T Rec. P51用)、RA0105(IEEE 269用)も標準で付属します。またパワーアンプを内蔵している44AAにはACアダプタが付属します。
別売りになりますが、旧型マウスピースRA0110をご用意しています。マウスピース部分は取り外すことができるので、過去と同じ測定環境で使用したい場合には、RA0110を使用することができます。RA0110にはリップリングを取付けることはできません。
マウスシミュレーターの校正
マウスシミュレーターは使用する前に校正する必要があります。校正には測定用マイクロホンとアナライザを使用し、マウスシミュレーターの周波数特性を測定します。測定した周波数特性の逆位相の波形を生成しイコライジングを行い、フラットな周波数応答にしてから使用する必要があります。
ITU-T Rec.P51では圧力型マイクロホンを校正で使用するよう規定しているため、RA0104を使用して、圧力型マイクロホンを90°の角度にして設置する必要があります。
一方、IEEE269では自由音場型マイクロホンを校正で使用するように規定しているため、RA0105を使用し、自由音場型マイクロホンを正面に設置する必要があります。
付属する校正用治具RA0104とRA0105は1/4″プリアンプを固定するサイズになっています。校正には1/2″と1/4″のどちらのサイズのマイクロホンでも使用できますが、ITU-T Rec.P51では、MRP(mouth reference point)の位置で、1/4″圧力型マイクロホンを使用することを推奨しています。
※1/4″サイズは推奨になり、規定ではありません。
マウスシミュレーターの仕様
マウスシミュレーター仕様表 | ||
MRPにおける最大連続出力レベル |
200 Hz – 6 kHz | 110 dB re. 20 μPa |
100 Hz – 16 kHz | 100 dB re. 20 μPa | |
歪み(94dB re.20μPa at MRP) | 200 Hz – 5 kHz | 1%(最大1.5%) |
ラウンドスピーカー仕様 | インピーダンス | 8 Ω |
最大出力 | 連続 10W | |
パルス 50W(2秒間) | ||
アンプ仕様 | ゲイン | 10dB |
入力インピーダンス | 20 kΩ | |
最大入力電圧 | 2 V RMS | |
最大消費電流 | 24 V DC、1000 mA | |
サイズ | 口の開口部 | 直径 20mm |
リップリング | 外径 48mm | |
口元からの距離 10mm | ||
本体の直径 | 104mm | |
本体の高さ(リップリング含む) | 114mm | |
重さ | 44AA 1.3kg | |
44AB 0.93kg |