オーディオ機器評価のための測定機器について|GRAS社

イヤホン、ヘッドホン、スピーカーなどのオーディオ機器測定で使用するGRAS社製品についてご紹介します。
研究開発用途から、製造ライン向けまで、それぞれの用途で求められるニーズ(精度、手軽さ、コスト)を応じて製品をご用意していますので、お気軽にお問い合わせください。
研究開発向け
研究開発での測定では、初期の製品開発から製造設計、最終設計まで幅広い試験が含まれます。新しいヘッドホンは優れた音質の問題だけではなく、音声認識、ノイズキャンセリング、ワイヤレスおよびBluetooth機能、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、など複雑な要件が含まれます。これに加えて、規格への適合や製品デザインも含まれます。
GRASでは研究開発用途向けに、Head&Torso Simulator(HATS)や複数の測定治具を用意しており、どのような試験においても対応ができる幅広いラインアップを用意しています。
音響測定マネキン KEMAR
GRASがご提供するKEMARは業界で最も人間の音響特性に近いHATSと言われています。KEMARは大規模な統計的研究により、開発されました。男女5000人の平均に基づいているため、平均的な人間と同じ音響特性を持ちます。そのため、他のHATSやダミーヘッドに比べ、より人間に近い計測を行えます。
1972年から研究機関で使用されている音響計測用マネキンで、開発当初より補聴器メーカーや聴覚研究の業界標準となりました。常に時代に合った改良を繰り返し、様々研究・計測向けに最適なマイクロホンを内蔵することが可能で、ローノイズタイプや、70kHzを超える周波数に対応するモデルもございます。現在では多くアプリケーションや業界で使用されるHATSとなっています。
IEC60318-4準拠 イヤーシミュレータ
研究開発用途では、どれだけ正確に測定できるかが重要です。GRAS社では、IEC 60318-4準拠のイヤーシミュレータは高周波測定の需要に答えるため、新しい標準イヤーシミュレータを開発しました。この新しいイヤーシミュレータは全世界のオーディオ業界が待望していた10kHz以上の測定を向上される最適なソリューションです。
また日本国内からの要望により、50kHzまでの測定を可能にしたイヤーシミュレータもご用意しています。
ヘッドホン/イヤホン測定治具 45CA
KEMARを使用することで人間の音響特性に最も近い、測定を行うことができますが、サイズや予算、測定の再現性の関係で、KEMARの以外の選択肢もご用意しています。GRAS社45CAはKEMAR同様、イヤーシミュレータを内蔵することができ、また人工耳を使用した試験を行える測定治具になります。そのため、人間の音響特性に近い試験を行えます。
また堅牢な設計のため、高い遮音性を実現しており、ノイズフロアを最小限に抑えています。聴覚保護具や耳栓の測定にも使用することができます。近年ではANC(アクティブ・ノイズ・キャンセリング)の測定にも使用されています。
ローノイズイヤーシミュレータ 43BB
近年のオーディオ市場では、アクティビティノイズキャンセリングやワイヤレス化に伴い、オーディオ機器に多くの電子部品やICが搭載されています。場合によっては、これらの部品が音質に影響を与える可能性があります。しかしこれらの電気ノイズは非常に小さなノイズレベルで従来の測定器では測定が困難でした。しかし、人間の聴覚では聴こえ、音質に影響を与えています。
そこでGRAS社では、人間の聴覚の閾値に近い、もしくは閾値以下の音圧レベルを測定する、ローノイズ、高感度のイヤーシミュレータ43BBを開発しました。43BBを使用することで、これらのノイズを正確に測定することができ、より良い製品開発を行うことができます。
【測定事例】Audio Precision社オーディオアナライザ
GRAS社では業界最高クラスのイヤーシミュレータやマイクロホン、HTAS、測定治具をご用意しています。ただし最高の測定を行うためには、オーディオアナライザが必要です。GRAS社では、Audio Precison社(以下 AP)製品を推奨しております。
AP製品はオーディオ市場で計測器としては業界標準になるほど高い信頼性を持っており、GRAS社製品と一緒にするのに最適な製品となります。GRAS社製品を使用する際には、ぜひ、Audio Precision社オーディオアナライザを使用し、最高の測定環境を構築ください。
※Audio Precision社製品はコーンズテクノロジー株式会社の取扱製品です。
製造生産および品質保証向け
製造生産ラインや品質保証での試験では、実際の製品が目標品質と一致し、標準以下の製品が市場に出回らないことです。それを防ぐためには、測定再現性が高い機器を使用して、日々測定をする必要があります。機器の数が増えると、試験セットアップが複雑になり、測定の精度にも影響が出てきます。また複数の拠点で同じデータが取得できることも重要になります。
GRAS社では、測定の再現性に重きを置いた測定治具をご用意しており、多くの製造生産ラインで使用されています。また他社に比べて、コスト的にメリットを感じることができるでしょう。GRAS製品はこのような要望に合致した製品を用意し、世界中の生産拠点で使用されています。
ヘッドホン測定治具 45CC
GRAS社では測定再現性に重きをおいた測定治具 45CCをご用意しています。45CCはヘッドホンの即着部が平板になっており、HATSなどと比べて、測定再現性が高く、製造生産ラインなどでは最適なソリューションです。2つのマイクロホンを内蔵しており、左右2chの測定ができ、マウスシミュレータを内蔵することができるため、ヘッドセットや通話用マイクロホンの評価にも使用できます。
45CCにはイヤーシミュレータではなく、通常の1/2圧力型マイクロホンを内蔵しているので、低コストで導入することができ、生産ラインに1つにつき、45CCを1台設置するなど、製造生産現場でも使用されています。もちろん、高周波測定を行うため、1/4マイクロホンを内蔵することもできます。
各種測定治具
製造生産や品質保証では、2ch測定を行う必要が無い場合もあります。そのようなアプリケーションでは、1chタイプの測定治具を使用することを推奨します。コスト的にメリットがあり、サイズも小さく、測定環境を選びません。またGRAS社では、数多くのラインアップを用意しており、必要な規格や勧告に準拠した測定治具をご提案します。
研究開発向け
製造生産や品質保証を行う場所では、音響的に最適な環境ではない場合があります。また無響室などは場所の制約やコストの観点から、簡単に用意できるものではありません。そこでGRAS社では、どのような環境でも音響試験を行うことができる無響箱を用意しています。
この無響箱AL0030はDUT(測定対象物)を固定するための治具があり、簡単にセットアップを行うことができます。また無響箱の外側と内側をつなぐ電気的接続を用意しているので、内部との接続が簡単に行えます。音響性能だけではなく、使い勝手も良いソリューションになっています。
関連商品・技術情報
GRAS社 オーディオ機器 測定治具
GRAS社ではイヤホンやヘッドホン、電話機などオーディオ機器を試験するための測定治具を各種取り揃えています。人間の耳は音響的に複雑な構造のため、通常のマイクロホンだけでは測定が難しいです。そのため、人間の耳での測定値を定量化する国際規格および勧告が用意されています。GRASで各規格、各勧告に準拠する測定治具を用意しているため、実施したい試験に最適な測定治具をご提案できます。
IEC 60318-4準拠 イヤーシミュレーター(711カプラ)|GRAS社
GRAS社ではIEC 60318-4に準拠したイヤーシミュレーター(711カプラ)をご用意しています。人間の耳の音響特性を模擬しており、イヤホンやヘッドホンなどのオーディオ製品の測定には欠かせない製品です。GRASのイヤーシミュレーターはIEC 60318-4の規格に準拠し、お客様からのニーズに合わせた様々なタイプをご用意しています。
音響計測用マネキン KEMAR
デンマークのグラス社製”KEMAR”は、1972年から研究機関で使用されている音響計測用マネキンです。開発当初より補聴器メーカーや聴覚研究の業界標準となりました。常に時代に合った改良を繰り返し、様々研究・計測向けに最適なマイクロホンを内蔵することが可能で、ローノイズタイプや、70kHzを超える周波数に対応するモデルもございます。現在では多くアプリケーションや業界で使用されるHATSとなっています。
KEMARは国際規格IEC60318-7、ANSI: S3.36, S3.25.に準拠しています。
※HATS : Head And Torso Simulator
GRAS社マイクロホンについて よくあるご質問
こちらのページではお客様よりお問い合わせの多いご質問および回答を記載しております。
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