Myベスト・アルバム｜高速信号伝送への取り組み

第1回目は高速信号伝送に対してコネクターでの対策をご説明いたします。

▌はじめに

高速信号伝送では、SI（Signal Integrity）をどれだけ確保できるかが重要だと言われています。伝送路自体のインピーダンスを一定（整合）にしインサーションロス、リターンロスの低減。他の伝送路の回り込みによるクロストークの対策など様々な工夫が必要となります。基板の伝送路だけでなく、LSIや電子部品自体でもSI確保のために対策を入れていたりします。

ここでは一例としてコネクター単品でどの様な対策をしているのかご説明します。

▌具体的な製品から

モレックス社のメザニンコネクター「Mirror Mezzシリーズ」の場合。
＜特長＞
・Data Rate / Impedance
　56 Gbps PAM4,NRZ / 92Ω（Mirror Mezz）
　112 Gbps PAM4 / 90Ω（Mirro Mez Pro）
・雌雄同体デザイン

高速信号用の差動ペアピンをワイドグランドピンでシールドすることでSIを最大限に確保しています。

Orphanピン（低速信号ペア，シングルエンドピン、低電流ピンとして使用可）は各列の先頭または末に配置されています。

クロストークを最小限にするために列間を1.50mmに設計しています。

スタブレスな接触面として全２点ビーム接点を持たせることでSI特性を確保しています。
また、列ごとにパドルの曲げ方向を変えているので嵌合時コネクター同士が交互に接触する様な構造を取っています。

またこの手の高速信号用コネクターは大抵はELECTRICAL MODEL REPORT、S-パラメーターが準備されています。他にも特徴はありますが、コネクター単体だけでも高速信号伝送に対して様々な対策を持ち設計されているのが分かります。

「Creating Connections for Life」」はモレックス社のブランドメッセージです。