My格言 ~No Connector No Life~ 過去のMy格言集
このページではコネクター従事者ならではのMy格言の過去の記事を紹介しています。
格言『候補で迷ったら、最後は手触り感で決める』
要求コストや仕様・条件を満たしたコネクター候補がいくつかあり、選定に迷った際には、私は手触り感で決定します。この手触り感とは良く言われる嵌合時のクリック感というものもありますが、それだけでなく、本当の触り心地です。コネクターは挿抜時に作業者さんが手に持つものなので、R面取りがされて指が痛くなかったり、持ち易い構造があるなどです。触り心地の良いコネクターは、メーカさんの配慮がいき届いた製品だと思っています。
格言『複数使いの時は、ハウジングを無理やりでも変える』
機器内でコネクター(特にWire to Wire)を複数使う時、同一極数のコネクターの場合、最近のコネクターは色が違えば、KEYING形状も変わるので、本来ならハウジングの色を変えるのが望ましいのですが、色ラインアップがない製品の時は、あえて片方の極数を変えることで、物理的に形状の違うハウジングにしています。作業者さんの組み立て時の誤嵌合(差し間違い)防止対策を目的にしています。
格言『振動を気にする時は、金メッキを選んどく』
モーターや製品の設置場所から振動が気になる箇所にコネクターを使用する際には、フレッティングコロージョン(微摺動摩耗腐食)を考慮して、ターミナルやPCBヘッダーなどの嵌合部メッキを金メッキで選択してます。接点に圧力がかからない方向で電線を固定し、なるべく動かない様にもしますが、材料の熱膨張係数の違いからも発生するので、摩耗を和らげるために、私は信頼性面から錫メッキより安心できる金メッキにします。
注)金メッキも削れて摩耗しますが、一般的に錫メッキより摩耗し辛いと言われております。
メッキの特長については以下の当社内HPで解説しております。
格言『ケーブル色はカラフルよりもシンプルにしとく』
ハウジング用のケーブル色について、信号の区分けなどで分かりやすいという理由から、カラフル化にすることがありますが、量産時に1色でも欠けると困ってしまうので、私は入手性を考慮してなるべくシンプルで、スタンダードな黒や赤を使う様にしています。またハーネス加工業者へ依頼する際にも、特別な理由が無い場合は、同じく入手性を考慮してケーブルメーカーを指定せずに、UL等の規格番号だけを指定します。
格言『ハウジング色は迷わず黒を選んどく』
ナチュラル(原材料)/ミルキー/白のハウジングは原材料自体のばらつき、リグラインド(*1)の回数とバージン材との混合比率で、ロットでの色味ばらつきが有ります。また保管時の酸化による経時から黄色っぽく変色したり、安定剤の関係から緑色っぽく変色することもあります。各メーカーそれぞれ基準があり一般的に色味が違っても機能には影響ないと言われていますが、同じPCBでロット違いを2つ搭載した際に、色の違いが目立つことがあるので、なるべく変色やコンタミネーションが目立たない様に、ハウジング色で黒がある場合は、私は迷わず黒を選んでます。
*1)リグラインドについての詳細は下記の当社HPにて説明ございます。
格言『最初から回路数は多めに選定しとく』
モジュールの様な接続先の要求指定から回路数が選定出来ない場合を除き、なるべくコネクターの回路数は多めに選定しています。この目的は後から追加機能(オプション)をつける時や、電流定格が足りないなどのちょっとした修正が発生した場合に余分に持たせた回路が使えることがあるためです。回路が増えるので、後から選定する場合は、面積・体積的に余裕が無いと難しいので、最初からプラス何本と方針を決めてコネクターを選定しています。
コネクターの基本的な選定については下記の当社HPにて説明ございます。