プロジェクト管理コラム - タスク/スケジュール管理編(2)ツールを利用してデータを活用
本コラムではプロジェクトマネージャやPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)向けに、プロジェクトを成功させるためのポイントを解説していきます。
タスク/スケジュール管理編では、プロジェクト運営の基本となるタスクおよびスケジュールの管理について、そのメソッドや効果的な実践方法などを説明します。
後編となる第2回はツールを利用したタスク管理・スケジュール管理のメソッドについて解説します。
1. ツールを利用したタスク/スケジュール管理
前回、プロジェクトマネージャのワークロードを適正化するためにはツールの活用が解決策になることを説明しました。
ツールを利用する上で重要なことはプロジェクトメンバー全体できちんとしたデータをインプットすることです。これは『コミュニケーションマネジメント計画』の中で規定します。
「このプロジェクトではこのツールを利用して全体で情報を管理する」という指針をプロジェクトマネージャが策定し、メンバーに徹底することで初めてツールは有用な効果を発揮します。
また、データの更新頻度や入力する情報の粒度についても各メンバーと共有していく必要があります。入力にリアルタイム性をもたせてデイリーでの進捗確認をすることが理想です。せめて週単位での確定・集計ができる必要があるでしょう。
しかしながら、入力フォーマットが複雑あるいは入力項目が必要以上に多かったり、現場のメンバーが入力しづらい仕組みであったりするとメンバーがすみやかな入力をしなくなり、必然的に情報は陳腐化していきます。
例えばメンバーが月末に1か月分のデータをまとめて入力し、その結果をもとにプロジェクトマネージャが報告書を作成し報告会で報告するケースもよく見られますが、こういった組織やプロジェクトでは問題が発覚したときにはすでに膨大な工数が消費されていたり、リカバリー不可能な遅延が生じていたりして、それがプロジェクトの大きな負債となってしまうことが考えられます。実際に経験したことのあるプロジェクトマネージャも多いのではないでしょうか。
このようなことにならないよう、データの入力・更新などについて、プロジェクトマネージャは、プロジェクトチームに対してガバナンスをきかせる必要があります。そして、個々のプロジェクトマネージャが同様にガバナンスをきかせるためには、組織全体としてもガバナンスをきかせる必要があります。
2. 組織単位の管理
ここまではプロジェクト単位での管理という点で説明しましたが、少し幅を広げて組織単位で管理するとなるとどうでしょうか。プログラム管理、ポートフォリオ管理などと呼ばれる管理方法です。
プロジェクト毎に有用なプロジェクト管理ツールが異なることは確かにあるでしょう。しかしながら、各プロジェクト毎の収支計画をまとめて部門として算出する、あるいは部門を横断して複数のプロジェクトがある場合に経営者向けに提出するデータをまとめる等、データの組織での利用構造を考えた場合、可能な限り全社で一律のツールを利用することが必要となります。
近年、企業などではPMO(Project Management Office)というチームを設けることが多くなっています。PMOは組織内の様々なプロジェクトの状況を横断的・俯瞰的にウオッチし、プロジェクトマネージャを支援します。また、組織内のプロジェクト管理の手順やガイドラインを整備したり、プロジェクトマネージャに対するガバナンスを担うのもPMOの仕事です。
※PMOについては日本PMO協会のWebサイト内「PMOとは?」のページが参考になります
このようなPMOやプロジェクト統括部門が効果的に機能するためには、管理下にある全てのプロジェクトのステータス(タスクの進捗、全体のスケジュール、工数やコスト予実)をリアルタイムに可視化、関係者で情報共有することが必要となります。したがって、全社統一されたツールでデータを一元管理し、最新の情報にアクセスできれば、PMOなどの業務の効率と確実性は向上し、プロジェクトマネージャとのWin-Winな関係を構築しやすくなります。
3.ツールの選定
このように組織管理での運営を考えて、プロジェクト管理に関連するツールを選定・運用する場合においては、現場のプロジェクトマネージャに任せるのみならず、PMOや統括部門等と連携して(もしくはPMOや統括部門が音頭を取って)一定のポリシーを組織として策定して運営することが重要となります。
組織として定めたポリシーに基づき、統一された基準でツールを運用すれば、プロジェクトマネージャのワークロードが軽減され、PMOは最新のデータに基づいて有効に機能することができて、組織上層部にとっても有用なデータを取得することができるため、一石二鳥どころか、一石三鳥にも四鳥にもなるでしょう。
Clarityのご紹介
丸文が提供するプロジェクト・ポートフォリオマネージメントツール「Clarity」は一般的なプロジェクト管理ツールで提供される機能(タスク管理、スケジュール管理、予算管理等)の他、リスク管理やワークフローの機能も有しています。
レポート機能についてはお客様自身で出力する内容をカスタマイズおよびテンプレート化することが可能なため、現場のプロジェクトマネージャのワークロード軽減に役立つでしょう。
また、既存のプロジェクトマネジメントツールとのデータ連携も可能なため、現在のデータをもとに状況を別の切り口から可視化することも可能です。
単体プロジェクトのみならず、複数プロジェクトのマネジメントにおいても様々なデータをレポートとして出力し、現場プロジェクトマネージャのみならず経営層の皆様に必要なデータを現場の情報を元に抽出することが可能となっています。
さらに組織横断的なリソース管理、ポートフォリオ管理、ロードマップ作成など、PMO組織や企画戦略部門がデータを活用するための機能が多数用意されています。
プロジェクト管理手法の統一やプロジェクトデータの有効利用を検討中のお客様は、ぜひ丸文までご相談ください。
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【今後の情報発信について】
今後、具体例な現場のケースを例に、プロジェクトの見える化に関する実践的なコラムを掲載していく予定です。記事公開後にメールでの案内を予定しておりますので、ご興味をお持ちの方は以下のお問い合わせフォームに「Clarityメルマガ配信希望」と記入して送信お願いします。