次世代の月探査を支えるDTS TSR PROデータロガー
NASAのアルテミス計画は、人類を月面に再び送り込むことを目指しており、アルテミス1号ミッションは、無人のテストフライトとして2022年11月に実施されました。このミッションは、将来の有人探査ミッションに備えた試験環境を提供し、多くの新しい技術や装置の性能を実証しました。その中でも、DTSのTSR PROデータロガーが果たした役割は極めて重要です。
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TSR PROデータロガーがアルテミス計画で果たした具体的な役割
1. 宇宙飛行士の安全確保に向けたデータ収集
アルテミス1号では、宇宙飛行士用のシートバックにTSR PROデータロガーが設置されました。このデバイスは、打ち上げ、宇宙空間での飛行、再突入、そして着水時の振動や加速度を詳細に記録しました。
- 打ち上げ時の加速度プロファイルの記録 打ち上げ中の高いG負荷や振動環境を精密に計測。これらのデータは、宇宙飛行士が体験する可能性のあるストレス条件を評価し、次世代の設計に反映させるために使用されます。
- 再突入時および着水時の衝撃解析 TSR PROは、オリオンカプセルが地球大気圏に再突入する際や海上に着水する際の衝撃をモニタリングしました。この情報は、将来のカプセル設計や宇宙飛行士の安全性向上に直接つながるものです。
2. 完全自律型の動作での信頼性
TSR PROは、完全自律型デバイスであり、アルテミス1号のような無人ミッションにおいても高い信頼性を発揮しました。
- 内蔵電源による長時間動作:打ち上げから着水までの25.5日間、データ収集を継続。
- 耐環境性能:宇宙空間の極端な温度変化や振動環境にも耐える堅牢な設計。
3. データの即時利用性
TSR PROで収集されたデータは、NASAの解析チームにより即座に利用可能であり、アルテミス2号の設計改善やミッション計画に貢献しています。
アルテミス計画全体でのDTS製品の貢献
アルテミス計画は、月面探査にとどまらず、火星への有人ミッションを視野に入れています。そのため、収集されたデータは次のような幅広い目的で使用されます。
1. 宇宙船の設計改善
TSR PROが記録したデータは、オリオンカプセルの耐衝撃性能や振動特性を見直すための基礎資料となりました。これにより、宇宙飛行士が体験する負荷を軽減する設計が可能になります。
2. 安全性の強化
宇宙飛行士の健康や安全を確保するために、人体がどのような環境ストレスにさらされるかを理解することは重要です。TSR PROが提供する精密な振動・加速度データは、未来のミッションの安全性向上に不可欠です。
3. ミッション成功率の向上
信頼性の高いデータに基づいたシステム改善は、アルテミス計画全体の成功率を高めます。
アルテミス計画におけるその他のDTS製品の可能性
TSR PRO以外にも、DTSは以下の製品を通じて、さらなる貢献が期待されています。
- SLICE MICROデータロガー:複数のセンサーからのデータを同時に収集し、大規模な試験環境で活躍。
- 6DX PRO 6軸センサー:6自由度の動きを計測し、宇宙船の動的挙動の解析に貢献。
- SLICE NANOデータロガー:軽量で設置が容易なため、狭いスペースでのデータ収集に適応。
DTSとNASAの長年のパートナーシップ
DTSは30年以上にわたり、NASAの宇宙開発を支援してきました。これには、スペースシャトル計画や火星探査ミッションでの技術提供も含まれます。DTSは、今後も次世代の宇宙探査技術をサポートし、人類の未知への挑戦を支えていきます。
まとめ
NASAのアルテミス計画で、DTS TSR PROデータロガーが宇宙飛行士の安全確保や宇宙船の設計改善に貢献。打ち上げから着水までの加速度や振動データを収集し、次世代ミッションの基礎データを提供しました。
DTSはSLICE MICRO、SLICE NANO、6DX PROなどの製品も提供し、宇宙開発を支えています。30年以上NASAと協力し、今後も宇宙探査をサポートしていきます。