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ピーク波長とドミナント波長について解説
LEDの特性を理解する上で、「ピーク波長」と「ドミナント波長」という2つの異なる指標が重要になります。ピーク波長はスペクトル強度が最大となる波長を指し、ドミナント波長は人間の視覚に基づいて光の色を単一の波長で表現したものです。これらの違いを正しく理解することで、LEDの選定や色彩設計に役立ちます。以下の記事では、ピーク波長とドミナント波長の違いについて、わかりやすく解説した記事をご紹介いたします。
ピーク波長とドミナント波長の違いとは?
ピーク波長は、分光計によって測定された最大値を指し、ドミナント波長は、LEDがどのように見えるかを表す単一の波長を算出するために、人間の目の感度を考慮して計算されます。
ピーク波長
ここでは例として SST-10-G(Luminus社のLED型式) を使用します。以下の SPD(Spectral Power Distribution:分光分布)は、分光計を使用して測定された正規化された値の典型的なセットを示しています。535 nm に明確なピーク値があります。これがこの例の SPD のピーク波長です。ピーク波長と関連する W/nm 単位の SPD は、光の計算とレンズ/フィルターの設計に使用されます。
図1.SST-10-Gの典型的なスペクトル
Luminusグリーン LED は、以下に示すように、ピーク波長と放射出力によって分類されます。目の反応は 555 nm で最大となるため、同じ放射出力でも、ピーク波長が 555 nm に近づくにつれて、より多くのルーメンが生成されます。
表1.放射出力とルーメンの変換表
ほとんどの光計算では、ピーク波長と放射測定単位が使用されます。SST-10-G は計測アプリケーションで最も一般的に使用されるため、このデータシートには主に放射測定単位が記載されています。
ドミナント波長(あるいは主波長)
ドミナント波長は、光源がどのように見えるかに関するものです。光と色の知覚は非常に複雑なトピックです。ここでは、ドミナント波長を理解するために必要な基本概念を紹介し、今後の記事でさらに多くのトピックを取り上げます。
図2.Luminus社の計算機デモ
計算機が起動すると、ドミナント波長の計算に使用される最も一般的な基準点である標準光源E(CIEが定義した標準光源の一つ。可視光スペクトル全体にわたって一定のスペクトルパワー分布を持つ理論的な光源。色度座標(CIEx,CIEy)=(1/3,1/3)。) に設定されます。Luminus は、データシートに記載されているすべてのドミナント波長の基準点として標準光源E を使用します。
1931 CIE「馬蹄形」は、CIEx および CIEy 座標を計算するために使用される数学的演算で単一波長入力を使用して構築されます(馬蹄型の曲線部分の境界線は単色光軌跡と呼ばれ、単一波長で示すことが可能)。馬蹄形には底がありません。純紫軌跡(図中の紫の線,Line of Purples)と呼ばれる線には単色波長はありません。実際の光源で純紫軌跡に近い色を生成するには、赤と青の光源を組み合わせる必要があります。補色主波長は、そのような光源のドミナント波長が純紫軌跡と交差するときに使用されます。補色主波長を示すには、負の数を使用するのが慣例です。
下の図では、馬蹄形は 400 nm から 700 nm まで 5 nm ずつ増分して構成されています。赤と青の点は馬蹄形の端に集まる傾向があり、これが 1976 年の CIE 図 (u’、v’) の開発の動機の 1 つでした。人間の視覚で認識できるすべての色は、馬蹄形と純紫軌跡の範囲内で定義されます。
図3.Luminus社の計算機(起動時)
LED のドミナント波長は、白色基準点から LED の CIEx、CIEy 座標を通って馬蹄形に投影された線との交点です。ドミナント波長には簡単な公式はなく、幾何学と組み合わせたアルゴリズムを使用して決定されます。
LED CIEx、CIEy ポイントが馬蹄形に近い場合、色の純度が高くなります。赤色と青色の LED は馬蹄形に近い傾向があり、純度が高くなります。緑色の LED 光源は馬蹄形から遠い傾向があり、純度が低くなります。可視レーザーはほぼ単色で、馬蹄形上にあります。
図4.Luminus社の計算機(ドミナント波長の求め方)
カラー LED のドミナント波長を使用することは、システムの知覚的側面に関心のある設計者にとって便利です。ドミナント波長は、カラー LED がどのように見えるかを示す最良の指標です。ドミナント波長は白色 LED には使用しないでください。白色 LED は CCT と Duv を使用して特性評価する必要があります。
まとめ
ピーク波長とは
スペクトル分布(SPD)においてスペクトル強度が最大となる波長を指します。
ドミナント波長とは
人間の視覚応答を考慮し、光源の色を単一の波長で表現したものです。これは、CIE 1931 色度図において、基準点(本記事では標準光源E)から光源の色度座標を通り、馬蹄形(単色光軌跡)と交差する点の波長として定義されます。ドミナント波長は、LEDの見た目の色を評価する際に有用であり、特に色彩設計において重要な指標となります。
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