商品基礎情報

包括的なコンプライアンステスト
最先端の車載ネットワーク設計を、確実なものへ
今日の自動車開発において、車載イーサネットはECU間の大容量データを高速に伝送するための基幹技術です。しかし、その性能を最大限に引き出すためには、物理層(PHY)が規格に準拠していることを保証する厳格なテストが不可欠となります。
テレダイン・レクロイは、10Base-T1Sから100Base-T1、1000Base-T1、そして最新のマルチギガビット規格(2.5/5/10GBASE-T1)に至るまで、あらゆる車載イーサネット規格に対応した、業界で最も包括的な物理層コンプライアンス・テスト・ソリューションを提供します。
同社の自動テストソフトウェア「QualiPHY コンプライアンステストソフトウェア」は、複雑なコンプライアンス試験のプロセスを完全に自動化。セットアップから測定、レポート作成までをワンボタンで実行し、テストにかかる時間とヒューマンエラーのリスクを劇的に削減します。これにより、エンジニアは反復的な作業から解放され、より本質的な開発業務に集中することが可能になります。
【提供する主なコンプライアンステスト】
・出力ドループ
・ジッタ(マスター/スレーブ)
・クロック周波数
・パワー・スペクトル密度(PSD)
・トランスミッタ歪み
・MDIリターンロス など




コンプライアンステストを超えたデバッグツール
「Pass/Fail」の先にある、根本原因の解明へ
コンプライアンステストでの「Fail」は、問題の始まりに過ぎません。真の課題は、その根本原因をいかに迅速に特定し、解決するかという点にあります。テレダイン・レクロイのソリューションは、単なる合否判定にとどまらず、複雑な問題の核心に迫るための強力なデバッグツールを提供します。
当社のオシロスコープは、プロトコル・デコード機能を標準搭載。物理層の電気信号と、その上でやり取りされているCAN、LIN、FlexRay™、SENT、PSI5といった制御プロトコルのデータを時間相関を保ったまま同時に表示できます。これにより、「物理層のどのノイズが、どのプロトコルエラーを引き起こしているのか」といった、従来では解明が困難だった因果関係の特定を直感的に行うことができます。
さらに、独自の解析ツールセットは、ノイズやジッタ成分を詳細に分離・分析し、問題の発生源を特定する手助けをします。単純なアイ・ダイアグラムの観察だけでは見えない、断続的で稀なエラーも見逃しません。
【高度なデバッグ機能】
・プロトコル・デコード&トリガ: 特定のプロトコル・パケットでトリガし、物理層波形を捕捉。
・時間相関ビュー: 物理層波形とプロトコルデータを同一画面で解析。
・高度なジッタ解析: ジッタの根本原因を特定するための詳細な分析ツール。
・アイ・ダイアグラム解析: 信号品質を視覚的に評価し、問題点を迅速に特定。
トリガ、デコード、計測/グラフ、アイパターン
ADAS・自動運転を支える、次世代車載ネットワーク解析ソリューション
車載SerDesからMIPIまで、物理層とプロトコル層を完璧に繋ぐ
ADAS(先進運転支援システム)やインフォテインメントの高度化に伴い、車載ネットワークには、カメラからの映像やセンサ情報をリアルタイムで伝送するための「超高速・高信頼」な通信が求められています。
特に、非圧縮映像データを伝送する車載SerDes(ASA/ASA-MLなど)や、カメラ・ディスプレイを接続するMIPI(A-PHY/D-PHY)は、その中核を担う技術です。しかし、マルチギガビット級の高速伝送は、車載特有の過酷なノイズ環境や長いケーブル経路により、非常に難易度の高い設計・検証が要求されます。
テレダイン・レクロイは、この最も困難な課題を解決するため、物理層のシグナルインテグリティ解析とプロトコル検証をシームレスに統合した、業界で最もパワフルなソリューションを提供します。
【課題①】車載SerDes: わずかな信号品質の劣化が、致命的な伝送エラーに繋がる
車載SerDesリンクは、ECU、センサ、ディスプレイ間を最長15mのケーブルで接続し、マルチギガビットのデータを伝送します。この長い伝送路では、信号の減衰や反射、外部からのノイズ混入が避けられません。
<テレダイン・レクロイのアプローチ>
・真の信号を捉える12bit垂直分解能: 当社のオシロスコープが搭載するHD4096技術は、従来の8bitオシロスコープの16倍の分解能を誇ります。これにより、ノイズに埋もれていた微細な信号の歪みや劣化を正確に捉え、伝送品質(シグナルインテグリティ)の問題を根本から解明します。
・物理層とプロトコル層の完全な時間相関解析: SerDes信号の電気的な振る舞いと、その上で流れるプロトコルデータを、時間軸を完全に同期させて同時に表示。例えば、「特定の周波数のノイズが、どのプロトコル・パケットのエラーを引き起こしているのか」といった、従来では特定が困難だった根本原因を直感的に特定できます。
・コンプライアンス試験の完全自動化: 規格適合性検証のための複雑な物理層コンプライアンステストを完全に自動化。開発期間を大幅に短縮し、信頼性の高い製品開発を実現します。
最も完成度の高いシリアルデータ解析ツールセット
【課題②】MIPI (A-PHY/D-PHY): ADASの「眼」となる、カメラ・ディスプレイリンクの信頼性確保
ADASのカメラや高精細ディスプレイを接続するMIPIインターフェースは、まさにシステムの「眼」として機能するため、その信頼性には一切の妥協が許されません。特に、次世代の長距離伝送規格であるA-PHYの検証は、これまでのMIPI規格とは全く異なるアプローチが必要です。
<テレダイン・レクロイのアプローチ>
・業界をリードするMIPIソリューション: テレダイン・レクロイは、MIPI Allianceへの長年の貢献に基づき、D-PHYから最新のA-PHYまで、あらゆる規格に対応するテストソリューションをいち早く提供しています。
・プロトコル・デコードとトリガ: 強力なプロトコル・デコーダは、特定のコマンドやエラーステートで正確にトリガをかけることを可能にします。これにより、断続的に発生するような捉えにくい通信エラーのデバッグを効率化します。
・規格準拠の物理層テスト: 豊富な実績を持つ自動コンプライアンス・テストソフトウェアは、MIPI規格で定められた厳格な物理層の電気的特性を迅速かつ正確に検証します。
MIPI M-PHY、C-PHY、D-PHY 向けデコードおよび物理層テスト ソリューション