機器を動かす「3つの頭脳」 マイコン・FPGA・ASICの違いを完全理解
電子機器やシステムの開発に携わっていく場合、その中で必ず出会うのが「マイコン」、「FPGA」、「ASIC」という3つのデバイス(IC)です。これらはすべて電子機器を動かすための「頭脳」ですが、得意なことやコストの考え方が異なります。ここでは、それぞれの特徴と主な用途をわかりやすく説明します。
「マイコン」「FPGA」「ASIC」の特徴
複雑に聞こえる3つのデバイスの違いを、「料理」に例えて直感的に説明します。
1.マイコン
主な特長
レシピ本を読みながら、順番に料理を作るシェフ
マイコンはソフトウェアの変更で多様な動作が可能なもっとも汎用的なICですが、プログラム通りに順番に実行しますので、高速処理には適していません。
2.FPGA
メニューに合わせて配置を変えられるオーダーメイド厨房
「マイコンはソフトウェアのプログラミング」に対し、「FPGAはハードウェアのプログラミング」で自由に動作の変更が可能なICです。
ハードウェア動作のため高速&並列処理が得意ですが、ICの単価は高価になる傾向があります。
3.ASIC
1つのメニュー専用の超高速食品工場
ASICは「その製品のためだけに設計された特別注文のIC」です。大量生産向けで単価は最も安価ですが、特別注文のため開発費用が別途必要となります。
4.柔軟性と専用性、高速化のトレードオフ
コスト・速度・柔軟性をすべて満たす魔法のチップは存在しません。プロジェクトの要件に応じて、どこに位置する製品開発かを見極める必要があります。
5.デバイス選定マトリックス
6.デバイス選定ツリー:プロジェクトに最適な頭脳は?
7.用途マップ1:マイコンを採用すべき領域
マイコンは数十円~百円のものもあり、開発環境も整備されてます。「まずはマイコンで実現できないか」を検討することが設計の基本です。
8.用途マップ2:FPGAを採用すべき領域
高度な並列処理が必要で生産台数が数千~数万台規模の場合に、FPGAは最適です。「製品化後でも、アップデートでハードウェア性能を向上させたい」場合に威力を発揮します。
9.用途マップ3:ASICを採用すべき領域
「バッテリーを長持ちさせたい(省電力)、圧倒的な速度で計算(演算)させたい」など、究極の性能が要求される大規模ビジネスの勝負どころでASICは採用されます。
10.まとめ:用途に合わせて最適な「頭脳」を選択
難しく考えずにこの3つの仕組みを押さえておけば、ハードウェア開発の全体像が必ず見えてきます。実際の製品開発プロジェクトで最適な「頭脳」を選んでください。
★マイコン、FPGA及びASICの製品紹介につきましては、下記「関連商品・技術情報」をご覧ください。