プロセッサの電源管理を容易に実現   PMBus制御 MPQ8645P

Monolithic Power Systems(以下、MPS社と表記)の評価ボード EVQ8645Pの動作結果をもとに小型・PMBus制御 降圧レギュレータ MPQ8645Pの特長をご紹介します。

大電流・高効率・小型化要求への流れ

複雑な電源要求に対応する必要があるハイエンドプロセッサ、FPGAなどが使用されるデータセンターサーバ、 通信システム、およびネットワーク機器において、要求の高まってきている 大電流・高効率・ 小型電源ソリューションの一つとして、MPS社は単体動作で30 [A]の電流を供給できる16 [V] 降圧レギュレータ MPQ8645P(評価ボード:EVQ8645P)を提供しています。

MPQ8645Pの特長

今回はMPQ8645Pの三つの特長について紹介します。

1.大電流出力
FET内蔵型のワンチップソリューションで安定して30 [A]の出力が可能です。ハイエンドプロセッサ、 FPGAなど、高負荷が要求される仕様を満たすデバイスです。

2.小型設計へのアプローチ
ディスクリートソリューションではコントローラデバイスと外部MOSFETの構成ですが、 これらを内蔵したワンチップソリューションにより、面積が従来より20~50%小さく実装可能です。

3.PMBusインターフェイスで監視と制御が可能
MPQ8645PはPMBusインターフェイスを介して、電力パラメータの監視、制御が可能です。MPS社提供の Virtual Bench Proを使用することで、
レジスタの設定ファイルを作成することなく、GUIから簡単にMPQ8645Pの
監視と制御が可能です。

PMBusで以下のデータの読み出しと設定が可能です。

読み出し可能なデータ
・入力電圧/出力電圧
・出力電流
・チップ温度
・各種保護機能の状態(OCP、OVP、UVP、UVLO、OTP)
設定可能な機能
・出力電圧
・スイッチング周波数
・Force CCM or Pulse skip mode変更
・各種保護機能の閾値(OCP、OVP、UVP、UVLO、OTP)

EVQ8645P-V-1Phase-00A を評価

今回測定する項目

  • 効率
  • ロードトランジェント波形

測定環境

以下の測定環境で実測します。

Virtual Bench Proを使用するとツール上から各種設定の変更、状態をモニタできます。

PMBusインターフェイスを使用しスイッチング周波数、PWMのモード変更が可能で、複数の仕様条件でも柔軟に測定・検証ができます。

その他にも“VOUT_COMMAND”を変更して、VOUT電圧を可変させることができます。 これは実動作においてプロセッサ側が要求する動的電圧制御(DVS:Dynamic Voltage Scaling)にも対応が可能です。チップ温度も計測できるため、熱電対などを使用せずに簡単に温度測定評価を行うことができます。

効率データ

全体効率の測定データ

効率データから最大負荷電流 25 [A] の条件で、スイッチング周波数 400 [kHz]で90 [%]以上、1000 [kHz]で 88 [%]の効率を実現しています。

軽負荷時 0 [A]~1 [A]の効率の測定データ

効率データからスイッチング周波数 400 [kHz]でPulse skip modeの効率が高く、87 [%]の効率を実現しています。

測定波形

ロードトランジェント波形 Fsw:1000 [kHz]

測定波形からPulse skip modeからForce CCMに切り替え時を含めても、+34 [mV]〜-42[mV]以内に収まっています。

ロードトランジェント波形 Fsw:400 [kHz]

測定波形からPulse skip modeからForce CCMに切り替え時を含めても、+42 [mV]〜-28[mV]以内に収まっています。

※ページ内の測定結果は参考値であり、電気特性を保証するものではありません。

その他の評価データ

測定項目

  • スイッチング電圧波形、出力リップル電圧波形
  • 立ち上がり波形、立ち下がり波形

担当エンジニアからの一言

いくつかの条件で測定を行いましたが、EVQ8645P-V-1Phase-00AのPMBusインターフェイスを使用することで、簡単にデバイスの設定を変更することができました。

PMBusインターフェイスのないデバイスでは部品の変更、ピンの電圧を切り替える必要がありましたが、PMBusインターフェイスを使用することで
① 周辺部品の抵抗で変更していたスイッチング周波数
② MODEピンの電圧で変更していたPWM(Force CCM、Auto skip mode)
③ ENピンの電圧で変更していたControl(出力電圧のON/OFF)
を簡単に行うことができました。
切り替えがPMBusインターフェイスを使用して簡単になることで、部品変更による基板改造が無いためハンダによる接続不良を気にすることなく、ピン電圧を切り替えすることも必要無いので測定時間を大幅に短縮することができました。

測定結果からもMPQ8645Pは最大出力電流25 [A]で効率が88 [%]以上、ロードトランジェントも80 [mV]に収まり、一般的なハイエンドプロセッサ、FPGAの±5 [%]の要求にも十分に対応できます。デバイス単体も4 [mm] × 5 [mm]と小型ですのでシステムも小型化できます。
大電流・高効率・小型電源ソリューションの一つとして、MPS社のMPQ8645Pをぜひご検討ください。

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