Wi-Fi 6 とは? [Wi-Fi 6E 編]

Wi-Fi 6は、これまでに[基本編]と[機能説明編]の2回に分けて説明しました。今回はWi-Fiで利用可能な免許不要帯域に6GHz帯が加わったことで新しく認定された「Wi-Fi 6E」について説明します。

Wi-Fi 6Eとは?

Eは”Extended”

Wi-Fi 6Eの”E”は“Extended”のことで「拡張」を意味します。
Wi-Fi 6で対応している2.4GHz帯、5GHz帯に加えて、新たに6GHz帯を利用することから「Wi-Fi 6E」となりました。
これによりユーザーは6GHz帯を利用するWi-Fiデバイスを識別できます。

Wi-Fi 6E認定プログラムの提供を開始

2021年1月、Wi-Fiアライアンスは6GHz帯を利用するデバイスの相互接続を実現するWi-Fi 6Eの認定プログラムをリリースしたことを発表しました。Wi-Fi 6Eの相互接続認定はWi-Fi CERTIFIED 6の一部で行われます。

6GHz帯の開放

FCC(米連邦通信委員会)が6GHz帯の1,200MHzをWi-Fi利用に開放したのに続き、欧州各国、チリ、韓国、UAEも6GHz帯をWi-Fiに開放することを決定しました。また日本、台湾、ブラジル、カナダ、メキシコ、ペルー、サウジアラビアも6GHz帯を免許不要で利用できるように整備を進めています。

Wi-Fi 6Eのチャネル

Wi-Fi 6Eで利用される帯域は、5,925MHz~7,125MHzの1,200MHzあります。これは 160MHzの広いチャネル帯域を7つ使用できます。

20MHz幅のチャネル数を比較すると、下記のようになります。

  • 2.4GHz帯:3チャネル(1、6、11チャネル)
  • 5GHz帯:W52、W53合わせて8チャネル、W56の12チャネルを加えると20チャネル(W58は日本では開放されていないためカウントしていません)
  • 6GHz帯:59チャネル

つまり、6GHz帯では2.4GHz帯の約20倍、5GHz帯の約3倍のチャネルを確保することが可能です。

6GHz帯の運用状況

FCCの割り当てた6GHz帯

日本に先駆けてアメリカではFCCにより以下の様に6GHz帯の運用が策定されました。

しかしながら、6GHzの周波数帯は以下のような現行サービスで利用されてます。

これら現行サービスとの干渉を防ぐために、Wi-Fi 6Eの運用はAFCの実装とデバイスクラス(送信パワー)が決められています。

AFC(Automated Frequency Coordination)

APの設置場所に対して使用可能な無線チャネルをデータベースにアクセスすることにより取得します。

デバイスクラス

電波の送信パワーが以下のようにクラス分けされています。

  • Standard Power
  • Low Power Indoor Only
  • Very Low Power(FNPRM)

Standard Powerは送信パワー制御に加え、AFCにより既存のサービスとの干渉を抑制するようです。
Low PowerはAFCによる制御はありませんが、屋内での利用に制限されています。
FNPRMとして発行されているVery Low Powerであれば、AFCによる制御なしで屋外での利用が予定されています。
 
※FNPRM(Further Notice of Proposed Rule-Making):
アメリカでは社会的に大きな影響を与える重要な規則を作成する際には草案などが官報で公表されますが、一般市民からの追加情報が必要な場合に発行されるものとしてFNPRMがあります。

まとめ 〜Wi-Fi 6Eがもたらすメリット〜

混雑が少ない

2.4GHz帯、5GHz帯を利用する現在のWi-Fiでは28個の重複しない20MHzのチャネルを提供しています。6GHzでは新たに59個の20MHzチャネルを提供します。
追加されたチャネルにより、混雑の問題が緩和され、より多くのデバイスが接続できるようになることが期待できます。

高速

1,200MHzの連続したスペクトルにより、14個の80MHzチャネル、7個の160MHzチャネルのチャネルボンディングが可能になりました。
これは展示会や講堂などの高密度の会場で、他の混雑した周波数帯に比べると安定した高いスループットの実現に期待できます。

低遅延

Wi-Fi 6EはWi-Fi6同様にOFDMA、MU-MIMO、1,024QAMに対応しています。
また6GHz対応デバイスのみをサポートするので、2.4GHz帯と5GHz帯しか対応していないレガシーWi-Fiデバイスとトラフィックを分離することで、AR/VR、ゲームなど遅延に敏感なリアルタイム性が求められるアプリケーション向けに必要とするスループットを確保します。

担当エンジニアからの一言

6GHz帯の利用については、現時点(2021年3月)で今回説明したAFCやデバイスパワーなど様々な制限があり、日本でもサービス開始には時間を要するようです。しかしながら、古いWi-Fi規格では対応していない6GHzを使用するWi-Fi 6Eは、最新のWi-Fi 6の機能を有効に活用できるので注目が集まっています。Wi-Fi 6で進化した「高速」、「高効率」、「低遅延」といった機能がさらにパワーアップされることになり、コロナ禍で普及したリモートワークの利便性の向上はもちろん、家にいながらバーチャル空間を利用したスポーツ観戦、音楽ライブに参加することができ、次世代の生活(ネコ型ロボットの世界)にまた一歩近づくのではないでしょうか。

おすすめリンク