【eYs3D】自律走行搬送ロボットAMR01-Cを動かしてみた


目次
1. AMR01-Cについて
AMR01-Cは、SLAM(自己位置推定と地図作成を同時に行う技術)を活用し、高度な自律移動が可能なAMRです。小型ながら最大積載量は50kgで、工場や倉庫において、人や障害物を的確に回避しながら自律的に移動し、搬送作業などの効率化に貢献します。
このAMR01-Cは、台湾の光学機器メーカーであるASIA OPTICAL社が開発と製造を行っています。同社はカメラレンズなどの光学部品や光学システムを手掛けており、その製品はAMR01-Cの自律移動を支える重要な要素の一つとなっています。
加えて、eYs3D社のステレオカメラも搭載されています。同社の強みである3D深度認識技術により、AMR01-Cは周囲の障害物を高精度に検知し、複雑な環境下でもより高度な自律移動を可能にしています。
2. AMR01-Cの特徴
AMR01-Cの主な特徴は以下の通りです。
- SLAM技術により、周囲の環境を認識しながら、自己位置を把握し、同時に地図を作成することができます。さらに、様々な外部システムや機器と連携するための仕組みを備えており、工場や倉庫における搬送作業の効率化をはじめ、多岐にわたる用途に活用できます。
- ROSベースのナビゲーションシステムと、高性能なLiDAR(最大測定距離25m、有効スキャン範囲270度)を搭載し、屋内環境の2Dマップを簡単かつ正確に作成します。
- 多様な場所で利用可能で、環境地図に基づいた経路計画によって制御される、信頼性の高い自律移動システムを搭載しています。障害物を検知すると、減速、停止、回避、経路修正、最適経路の選択、状況報告などの動作を自律的に実行します。
- 上部のコネクターを介して、AMR01-Cと外部システムを連携させるアプリケーションを開発でき、人間とロボットの協調作業において、作業者の介入を大幅に削減できます。ユーザーは、デモアプリケーションを使用してAMR01-Cを操作することも可能です。
3. 製品概要
多彩なセンサーと高度な機能を搭載し、コンパクトな設計ながら最大積載量50kgを実現した自律走行搬送ロボットAMR01-C。その主要な仕様と搭載機能の詳細は、以下の表をご覧ください。また、独自のAMR開発をご検討の際には、ぜひメインボードの選定に高性能なXINK V2プラットフォームをご検討ください。
仕様表
大項目 | 小項目 | 説明 |
---|---|---|
本体 | 寸法 | 長さ 42cm、幅 40cm、高さ 23cm |
重量 | 15kg | |
最大積載量 | 50kg | |
積載プラットフォーム | VESA規格ネジ穴 | |
センサー | LiDAR | 周囲環境をスキャンし、マッピング、ナビゲーション、障害物を検出 |
深度カメラ | 2個、対象物までの距離を測定し、障害物の検出 | |
超音波センサー | 7個 (背面含む)、対象物との距離を測定し、近距離の障害物を検出 | |
赤外線センサー | 2個、障害物を検出 | |
落下防止センサー | 2個、段差からの落下を検知し、ロボットの転倒を防止 | |
IMU | 加速度と角速度を計測し、ロボットの姿勢制御や自己位置推定 | |
移動・駆動 | 移動速度 | 1m/s (最速) |
モーター | BLDCハブモーター (2個)、100W | |
演算・制御 | CPU | ARMクアッドコアCPU + Cortex-M4 MCU |
OS | ROS (Linux) + RTOS | |
電源 | バッテリー | 14.8V/20.1Ah、8時間駆動 (積載なし) |
コネクター | RJ45 | Ethernet 1000Mbps |
USB | USB2.0 | |
電源供給 | AC 110V (最大100W) | |
10ピンコネクター | バッテリー電圧、電源制御ピン、UART |
4. デモ動画
デモ内容
本デモは全4部で構成されています。
①地図作成:AMR01-Cを矢印ボタンでマニュアル操作し、地図がリアルタイムで完成していく様子が確認できます。直感的なユーザーインターフェースを備えたAndroidデモアプリケーション「AMR Visual Design Tool」を使用しています。
②ロケーションとパトロール設定:作成した地図上に3か所のロケーションを設定し、それらを順番に巡回するパトロール設定をします。
③パトロール実行:設定した巡回ルートをAMR01-Cが自動でパトロールする様子が確認できます。
その際、新たな障害物(人など)を検知して、迂回ルートで目的地へ向かいます。
④カメラ視点でのパトロール:AMR01-Cに別途ステレオカメラを搭載し、その視点からの映像が確認できます。
G100+(G62よりも高性能)とステレオカメラ評価ツール「DMPreview」を使用しています。
デモ構成
このデモの接続構成は以下の通りです。
①②③タブレットによるAMR01-Cの制御:タブレットでAMR01-Cを遠隔操作します。ルーターとAMR01-CはLANケーブルで接続し、タブレットはWi-Fiでルーターに接続します。
(AMR01-Cにタブレットを搭載する方法もあります。
この場は、USB-Ehernetアダプターを介して、タブレットのUSBポートとAMR01-CのLANポートを接続します。)
④ノートPCによるG100+の制御:上記に加え、AMR01-CにはノートPCと三脚に取り付けられたG100+が搭載されており、
これらはUSBで接続されています。
デモ動画
屋内の周回コースで、AMR01-Cが動作する様子を収めたデモ動画を、ぜひご覧ください。
5. まとめ
今回はAMR01-Cの概要とデモ動画をご紹介しました。AMR01-Cは、省人化や生産性向上といった課題解決に貢献する強力なツールです。コンパクトな設計は既存の環境への導入を容易にし、最大50kgの積載量は幅広い搬送ニーズに対応します。AMR01-Cの動作を実際に見てみたいという方は、お気軽にご連絡ください。