「1対多」の双方向通信を実現 Bluetooth® LE PAwR : Bluetooth® 5.4の主要なアップデート
Bluetooth® Core Specification Version 5.4(以下Bluetooth® 5.4)は、主にIoT機器の効率化、セキュリティ向上に焦点を当てたバージョンで、とくに注目されるのはPAwRの標準化です。
本記事では、Bluetooth® 5.4でアップデートされた内容を紹介します。
Bluetooth® 5.0〜5.4の変遷
Bluetooth® 5.0~5.4の各バージョンの主要なアップデートは以下の通りです。
- Bluetooth® 5.0 (2016年): 通信速度が2倍、通信範囲が4倍、データ容量が8倍になり、IoT向け機能が大幅に強化されました。
- Bluetooth® 5.1 (2019年): 方向探知機能 (Direction Finding) が追加され、位置情報サービスの精度が向上しました。
- Bluetooth® 5.2 (2020年): 「LE Audio」のサポート、LC3コーデック、EATT (Enhanced Attribute Protocol) などが導入され、オーディオ体験と効率が向上しました。
- Bluetooth® 5.3 (2021年): 消費電力の削減、接続の安定性向上、強化されたチャネル分類などが含まれました。
- Bluetooth® 5.4 (2023年): PAwR (Periodic Advertising with Responses) やEAD (Encrypted Advertising Data) といった機能が追加され、特に電子棚札などのIoTデバイス向けの機能が強化されました。
Bluetooth® 5.4で追加された新機能
Bluetooth® 5.4では主に大規模ネットワークにおける通信効率、セキュリティの標準化、およびユーザー体験の向上に焦点を当てた機能拡張が行われました。
具体的には以下の4つの主要な新機能が追加されています。
・Periodic Advertising with Responses (PAwR)
・Encrypted Advertising Data (EAD)
・LE GATT Security Levels Characteristic
・Advertising Coding Selection
- Periodic Advertising with Responses (PAwR)
1対多のトポロジーで効率的な双方向通信を実現した通信方式で、従来からあるPADVB(Periodic Advertising Broadcast)の仕組みを拡張したものです - Encrypted Advertising Data (EAD)
Bluetooth® SIGがアドバタイズデータの標準的な暗号化の仕組みを規定。これによりPAwRによって送受信されるデータの機密性が高まります。 - LE GATT Security Levels Characteristic
デバイス(Server)がGATT通信を利用するのに必要なセキュリティ条件(モードやレベル)を事前に対向デバイス(Client)に通知することができようになりました。 - Advertising Coding Selection
長距離通信等でLE Coded PHYを利用されているパラメータのSの値(S=2 または S=8)を指定することができるようになり、アプリケーションの用途に合わせて通信距離の最大化か、スループットの維持かを柔軟に制御できます。
Bluetooth® 5.4の主なユースケース
ESL(Electronic Shelf Label/電子棚札)
ユースケースとしてPAwR機能を使用したESLがあります。
ESLは電池駆動の小型電子ペーパーディスプレイで、製品の価格情報を表示するものであり、紙のラベルに取って代わる事が期待されています。
ESLはPAwR機能を使用し、Centralハブ(Advertiser)と通信することでダイナミックプライシングオートメーションネットワークを形成します。
ESLシステムはこれまで独自の無線通信のプロトコルに依存しており、世界的な普及を阻む潜在的な障壁となっていました。
この課題を解決するためESL業界のリーダーたちはBluetooth® SIGと協力し、Bluetooth®技術をベースとしたスケーラブルで超低消費電力、高セキュリティのESL無線規格を策定しました。
特にESLは専用のプロファイル、ESL profileが用意されており、電子棚札の制御および通信におけるBluetooth® LEの標準化されたプロファイルを使用することができます。
まとめ
Bluetooth® 5.4は特にESLや大規模なセンサーネットワークにおいてセキュアかつ効率的な双方向通信を実現するための重要なアップデートとなっています。
特にESL Profileの普及は、使用者(小売業者等)の導入へのハードルが下がり、ベンダーに依存することのない相互運用可能なESLエコシステムを構築することができます。
次回はPAwRの概要と、PAwRとよく比較されるMeshの違いについてご紹介します。
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