【JonDeTech】熱流束(ヒートフラックス)センサーのご紹介
JonDeTech Sensors AB (以下、JonDeTech)が提供する独自のナノテクノロジーを用いた熱流束(ヒートフラックス)センサーをご紹介します。独自の垂直構造サーモパイル、プラスチックICサブストレートの技術で「極薄・曲がる・頑丈」という特徴を持ちながら、高精度に熱流束を測定します。
⇒JonDeTechナノテクノロジーについては、以下をご参照ください。
【JonDeTech】ナノテクノロジー・センサー(熱流束・赤外線)
熱流束センサーとは
熱流束センサーは、目に見えない「熱の移動」を捉えることができるセンサーです。「熱の移動」と聞いてもイメージしにくいかもしれませんが、ここでは、そもそも熱量や熱流とは何かという基礎から、熱流束センサーについてご説明します。
そもそも「熱量」ってなに?
熱量:水の量
熱量とは、物体が持っている、または移動する熱エネルギーの「総量」のことです。水に例えると、バケツに入っている「水の量」が熱量にあたります。また、熱はとどまることなく、常に「温度が高いところ」から「温度が低いところ」へ移動しようとする性質があります。
では「熱流」とは
熱流:水流の勢い
熱流とは、一定の面積を1秒間にどれくらいの熱量が通過しているかを表す言葉です。再び、水に例えると、ホースの中に流れる「水流の勢い(スピードと量)」が熱流です。熱が水のようにチョロチョロが流れているのか、ドバドバ流れているのかを表します。
※熱流=単位面積・単位時間に移動するエネルギーです。
単位は(W/m2)で表せられます。
熱流束センサーの役割とは
熱流センサの役割:熱の移動を計測
熱流束センサーは、目に見えない「熱の移動」を計測するセンサーです。熱が「どちらの方向」へ「どれくらいの勢いで」流れているかを測定します。対象物の表面に貼り付けることで、そこから逃げていく熱(放熱)や、逆に入ってくる熱(吸熱)をリアルタイムに捉えることができます。
温度センサーと熱流束センサーの違い
温度センサーは「状態」を測ります。つまり、「今、ここは何度か?」を計測します。
熱流束センサーは「流れ」を測ります。つまり、「今、どのくらいの熱が出入りしているのか?」を計測します。
例えば、冬場に「部屋が寒い」と感じて、壁の性能を調べたい時を想像してみてください。
温度センサーの役割:
部屋の壁に温度センサーを貼ると「壁の表面温度は15℃です」と教えてくれます。しかし、これだけでは「ストーブの熱が壁を通して外に逃げているのか」、それとも「単に部屋全体がまだ暖まっていないだけなのか」は正確にはわかりません。
熱流束センサーの役割:
同じ壁に熱流束センサーを貼ると、「室内から室外に向かって、1平方メートルあたり50Wの勢いで熱が逃げ続けています」という熱の移動(ロス)を直接教えてくれます。逆に夏場であれば、「外から中へ熱が侵入してきている」ことも分かります。
このように、温度センサーは「結果としての今の状態」を知るのに適しており、熱流束センサーは「なぜその温度になっているのか(熱がどう動いているのか)」という原因やプロセスを知るのに適しています。
温度センサーと熱流束センサーの比較
JJonDeTech 熱流束センサー製品
JonDeTechの「J30」および「J30D」は、独自のナノテクロジーを活用した、世界最薄クラス(厚さわずか0.17mm)で「曲げられる」革新的な熱流束センサーです。 従来のセンサーとは異なり、プラスチックをベースにしているため非常に頑丈で、保護用の金属ケースを使わずに測定対象に直接貼り付けて使用できます。
熱流束センサー製品は、用途に合わせて選べる以下の2種類が用意されています。
J30:熱流束センサー
J30は、0.17mmという極限の薄さの中に152個の熱電対を垂直に並べる特許技術によって、保護用の金属ケースを使わずに直接対象に貼れる頑丈さと、高精度な熱流測定を実現しています。
1. 物理・構造仕様
・センサータイプ: 赤外線(Infrared)
・モジュール外形寸法: 3.0 × 3.0 mm (最大 3.1 × 3.1 mm)
・厚さ: 代表値 0.17 mm (最大 0.20 mm)
・内蔵熱電対(Thermocouple)数: 152個
・モジュール面積 / アクティブ面積: 9.0 mm² / 7.0 mm²
・電極配置: 背面に接続用パッド、前面に赤外線吸収層
2. 電気・センサー特性
・内部電気抵抗: 代表値 2.5 kΩ
・応答時定数 (Time constant): 30 ms
・赤外線感度 (IR Responsivity): 0.08 〜 0.15 V/W
・熱流感度 (Heat-flux sensitivity): 0.95 〜 1.76 µV / (W/m²)
・熱流分解能: 1.1 〜 2.1 W/m² (ADCの分解能が2µVと仮定した場合)
・絶対熱抵抗: 約 66 K/W (裏面がコールドシンクに完全に接触している場合)
3. 温度・耐熱仕様
・動作温度範囲: -20℃ 〜 100℃
・保存温度範囲: -40℃ 〜 120℃
J30D:デジタル熱流束センサーモジュール
J30Dは、極薄アナログ熱流束センサーに信号処理ICや温度センサーなどをQFNパッケージに一体化し、市場初となるデジタル出力対応した「デジタル熱流束センサーモジュール」です。
1. システム・インターフェース仕様
・通信方式(出力インターフェース): デジタル I2Cインターフェース(SDA/SCL)
・出力データ
- 熱流(ヒートフラックス)データ
-絶対温度データ
-計算された深部体温(Core Body Temperature)データ
2. モジュール内蔵・統合コンポーネント
・J30 熱流束センサーコア
・NTCサーミスタ
・内部温度センサー
・信号処理IC回路(アンプ、マルチプレクサ、ADC)
・DSP / マイクロコントローラ(MCU): 測定された熱流と温度データを高度に処理する演算ユニット
・内蔵メモリ
3. モジュール寸法(サイズ感)
外形寸法: 約4.0 × 4.5 mm
その他、JonDeTechが独自開発した「深部体温(CBT)アルゴリズム」)を用いて、皮膚から逃げる熱流(熱の移動量)と皮膚の温度情報をもとに、医療用体温計などで測定するような人間の正確な「深部体温」を算出することが可能です。
熱流束センサーJ30/J30D 活用例
熱流束センサーは、「熱の移動」を直接測定できるというユニークな特性を有しているため、今後、様々な新しい分野への展開も期待されています。例えば、JonDetechは熱流測定は「極薄・曲がる・頑丈」という特徴を持つことから、スマートウォッチでの体温計測(深部体温)や身近な機器の過熱防止での活用が考えられます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
JonDeTechの熱流束センサーは、「熱の移動(熱流)」をダイレクトに捉える独自のナノ技術は、ウェアラブルでの体温測定から、EVバッテリーの熱監視、機器の過熱防止などの安全対策まで、製品設計の可能性を大きく広げます。また、「極薄・曲がる・頑丈」の特徴は、これまで「スペースがない」「湾曲していて貼れない」「衝撃に耐えられない」と諦めていた場所にもぴったりとフィットし、デバイスの新たな可能性を切り拓きます。ご興味ある方は、お気軽にお問い合わせください。