はじめてのバッテリ・マネジメントIC


電池ってどんな種類があるの?
電池は下図のように、大きくいくつかの種類に分けることができます。
リチウムイオン電池ってなに?
電池には+(プラス)と-(マイナス)の電極と呼ばれる部分があります。それを電解液と呼ばれる液体に入れるとイオンの移動が発生します。これが電池の原理です。リチウムイオン電池はリチウムと呼ばれる金属をプラスの電極として使用します。リチウムを電極として使用することで、今までの電池と比べて小型で高性能の電池を作ることができるようになりました。
どうやって充電するの?
リチウムイオン電池の優れた機能は、普通の乾電池とちがって電気を使い切った後に充電をすることで、何度でも繰り返して使うことができることです。
では、どうやって充電するのでしょうか?
実はリチウムイオン電池を充電するには決まったルールがあるのです。実際に電池を充電する方法はいろいろありますが,一般的にリチウムイオン電池に使われている充電方法はCC(定電流)/CV(定電圧)充電と言われる方式です。
“それって制御が難しそう・・・”
安心してください。この複雑な制御をチャージャーICと呼ばれる専用の充電ICが行います。充電専用のICを使うことで、複雑な制御を必要とせずにリチウムイオン電池を充電できます。
どうやって電池残量をみるの?
電池をしばらく使っていると 電池が切れる=電気がなくなってしまいます。スマートフォンで重要な話しをしているときに、電池が切れると困ってしまうこともあります。そこで残量測定と呼ばれる電池の残量を調べる技術が、最近ではスマートフォンを中心に使用されています。
電池の残量を測定するためには専用の残量計(ガス・ゲージ)ICが使用されます。
例えば
●現在の電圧から残量を確認する方式(電圧測定方式)
●使った電流から残量を確認する方式(クーロン・カウンタ方式)
ただし、これらの測定方式では決まった値での比較になるため、動作温度や経年劣化による電池の特性変化を考慮できません。
そこで各メーカでは基準となる電池のオープン回路電圧 (OCV) に クーロン・カウント、温度や経年劣化の補正技術を取り入れた独自アルゴリズムで残量測定について、高い精度での残量測定を可能としています。
セルバランスICって何をするの?
セルバランスって、はじめて聞く言葉だと思う方も多いと思います。実は電池をいっぱい使う機器では重要な技術です。電池を縦につなげることを直列といいます。電池をいくつも直列につなげると、個々の電池の電圧がそれぞれ変わってしまうことがあります。その個々の電池の電圧を同じ電圧にそろえる技術をセルバランスといい、この制御を行うICをセルバランス ICといいます。
プロテクトICって何をするの?
電池を使用する場合に、各電池の状態を監視して異常状態を検出したり,電池がショートして異常電流で危険な状態になっていないかを確認して、異常時に安全な保護制御を行うICをプロテクトICといいます。リチウムイオン電池には、必ずこのプロテクトICが使用されています。