はじめてのインターフェイス


インターフェイスとは?
英語の「Interface」が由来となっている言葉です。 「(二者間の)境界面」、「接点」の意味があります。
Digital Interface(デバイス間、基板間、装置間でデジタル信号をやり取りすることやその手段) に絞って解説します。
なぜいろいろな種類のインターフェイスが存在するのか?
なぜいろいろな種類のインターフェイスが存在するのでしょうか?
使用要件が異なると種類が増えます。以下の5つのポイントについて考えてみましょう。
- 多量のデータ(動画、4K高画質):高速伝送
- 使用場面、伝送距離:デバイス間、基板間、装置間
- テクノロジ:Master、Slave、1対1、1対複数
- ノイズの多い環境(産業機器、車載):差動信号、誤り検出・訂正、絶縁型デバイス
- コストダウン:配線本数の削減、標準規格化、マルチポイント
1.データレートについて考えます
制御信号と画像データでは、送りたいデータ量が異なるので、シリアル伝送するとなると伝送スピードは異なります。
データ量も多くなくスピードも必要ない制御信号と上記のような4K UHDを同じDriver、Receiver、Channelでは伝送できません。
2.伝送距離について考えます
Master DeviceとSlave Device間の同一基板内通信の場合とコネクタを介して基板間を通信する場合とコネクタ、ケーブルを介した装置間通信の場合とで、同じDriver、Receiverで伝送できるわけではありません。ケーブルはどんなケーブルでも大丈夫ではありません。最適な方式、種類を選択しなければなりません。
3.テクノロジについて考えます
MasterとSlaveが1対1で通信する場合と、Master 1、Slave複数で通信する場合と、Master複数、Slave複数で通信する場合とで、最適な形態を選択します。
その他、考慮すべきポイントとして「環境」「システムコスト」についても考えます。
なにか難しいことがあるのか?
0と1の2値を伝送したいだけなのになにか難しいことがあるのか?
送信元と受信先とは約束事(protocol)を守らないとつながりません。長距離や高速通信になるほど伝送ラインのアナログ的な考慮が必要で、その二つのポイントについて考えてみましょう。
1.伝送線路が長い場合は反射と終端について考えます
伝送線路の特性が不連続な箇所では、エネルギーが反射するという現象が起きます。この反射現象に関しては、特性インピーダンスが重要な意味を持ちます。
2.ケーブル、配線は Low Pass の周波数特性を持つ
伝送レートの1/2が基本波の最大周波数ですが、少なくとも5倍以上の周波数特性を有するケーブル・配線でないと高周波成分が減衰します。
インターフェイスでのチェックポイント
データレートと距離(とコスト)によって使用する適切な規格が異なります。
パラレル伝送とシリアル伝送
パラレル伝送(パラレル通信)
複数のデータ信号を同時並列的にそれぞれの通信リンクで送る通信方式
性能面は、一般にビット数が倍になれば転送レートも倍になります。
ただし、並行して走っている配線間でクロストークが生じ、各配線経路の差によりスキューが発生することがあり、一般にシリアル伝送よりも配線長の上限は短くなります。
シリアル伝送(シリアル通信)
伝送路上を一度に1ビットずつ、逐次的にデータを送る通信方式
伝送距離が長くなったり、伝送路の電気的特性が悪い場合はシリアルリンクの方がパラレルリンクよりも高クロック化が容易で、高データ転送レートを実現できます。
シングルエンド伝送と差動伝送
シングルエンド伝送
シングル・エンド(不平衝)伝送は単一の信号ライン上で行われ、その出力はGNDに対しての電位差で判断されます。
差動伝送
差動(平衡)伝送では、チャンネルごとに1対の信号線が必要
半二重と全二重
半二重通信(Half Duplex)
2つの装置の送信が同時に行われない方式
例)トランシーバでの通話
・送信と受信は同一チャンネル
・タイミングを切り替えて送信と受信を行う
(ドライバイネーブル/レシーバイネーブルなどの方向制御信号を使用)
・100Mbpsの回線容量なら、送信と受信を合計して100Mbpsとなる
全二重通信(Full Duplex)
2つの装置が同時に送信を行う方式
例) 電話での通話
・送信用と受信用に別の通信チャンネルを用意
・同時に双方からデータの送信(TX)と受信(RX)が可能
・100Mbpsの回線容量なら、送信と受信ともに100Mbps
データと電力の配線を共有
長い距離を繋ぐ場合、配線本数が少ないほどコストが低減されます。インターフェイス規格の中にはデータ線と電力線を共有したものがあります。
・1-Wire®
信号本数は1本で別配線の電源が不要です。速度はそれほど高速ではありませんが、最大500mの距離まで伝送できます。
またマルチドロップ接続に対応しますので、複数のデバイスが接続できます。
・PoE(Power over Ethernet)
イーサネットの配線で利用されるツイストペアケーブルを通じてデータと電力を同時に供給する技術です。PoEは、Webカメラのようにホスト装置から遠く離れた場所にカメラを設置し、カメラ用の電力を供給しながら、動画データを受信するのに適しています。電力を供給する側には給電装置(PSE)コントローラ、電力を受ける側には受電装置(PD)コントローラを用います。
例:(1)(2)対と(3)(6)対に給電電流を重畳させる方式(Alternative A)