ブロードコム|エンコーダ製品ソリューション
こちらのページでは、ブロードコム社のエンコーダ製品についてご紹介します。
エンコーダとは
エンコーダは、回転するものや直線的に移動するものに対して、その「物理的な情報(方向、速度、位置)を電気的な情報に変換する」ための部品です。機構的にモータと一体化されて使用されていることが多く、モータに組み込まれた形では、どこからがエンコーダ部分なのか、分かりにくいですが、左下写真の右側がそのエンコーダ部分となります。
モータにもリニアモータがあるように、右下図のリニアエンコーダというものもあります。
エンコーダの使用方法
モータ制御の場合での光学式エンコーダの使用例
ブロードコム社 エンコーダ製品群一覧
ブロードコム社のモーションコントロール用エンコーダラインナップをご紹介します。
インクリメンタル(光学式)・エンコーダ
インクリメンタル・エンコーダを、お客さまが組み込めるエンコーダ・モジュールとして、または完全収容型もしくはキット・インクリメンタル・エンコーダとして提供します。 →製品詳細についてはメーカーページより(メーカーHPへリンク) |
アブソリュート・エンコーダ
アブソリュート・エンコーダは、絶対位置情報を知らせる位置フィードバック・デバイスです。 →製品詳細についてはメーカーページより(メーカーHPへリンク) |
ハウジング・エンコーダ
フルレンジの標準およびカスタム収容型エンコーダおよびキット・エンコーダを取り揃えています。 →製品詳細についてはメーカーページより(メーカーHPへリンク) |
磁気式エンコーダ
磁気式エンコーダは、設計エンジニアの様々なアプリケーション・ニーズに応えるために10ビットまたは12ビット分解能パッケージのオプションを提供します。 →製品詳細についてはメーカーページより(メーカーHPへリンク) |
コードホイール
様々な産業用途向けに設計されたマイラ、ガラスおよび金属エンコーダ・コードホイールを取り揃えています。 →製品詳細についてはメーカーページより(メーカーHPへリンク) |
エンコーダの方式 光学式_透過型
光学式:透過型と反射型があり、いずれもコードホイールという円板が必要
透過型は、円板を挟み込む形で、発光部のLEDと、受光部のPD(フォトダイオード)が配置されます。
発光部と受光部を一体化したエンコーダ部のみの製品だけでなく、上記製品の様にコードホイールとエンコーダ部がセットで販売されているものもあります。
エンコーダの方式 光学式_反射型
反射型は、発光部のLEDからの入射光が、円板で反射して、受光部のPDに届くように配置されます。
各種形状(ハウジング、モジュール、ICタイプ)での製品が用意されています。
透過型、反射型に関わらず、一般的に光学式エンコーダの場合は、コードホイールから得られた情報から、ABIというインクリメンタルの信号が取り出されます。
エンコーダの方式 磁気式
磁気式エンコーダは、下記のブロック図で構成されており、磁石からの磁束をX,Y,Zの内蔵ホールセンサで捉えて、ADCでデジタル化
して、内蔵DSPによって信号処理され、絶対角度信号(0°~≒360°)やインクリメンタル信号ABIやUVW信号が得られます。
光学式と比較すると、その精度は低下しますが、ホコリや油などに対して強いという特長があります。
磁気式エンコーダを動かす場合、コイン型、あるいはドーナツ型の磁石が必要になります。
モータのシャフト端にコイン型磁石を付けて、そのシャフト軸上にエンコーダICを配置する方法と、モータのシャフトにドーナツ型磁石を通して、そのドーナツ型磁石の近傍(軸外)にエンコーダICを配置する方法を選ぶことができます。
磁気式エンコーダICと磁石とを一体化したモジュールタイプの磁気式エンコーダもあります。
アブソリュート(絶対角度)型には、STのみのものと、STとMTの計測ができる製品があります。
ST(シングルターン):0°~≒360°(359.999…)の角度を計測
MT(マルチターン):このSTが何回転したかを計測するカウンタ
エンコーダの省資源、廃棄物削減への取り組み
エンコーダの省資源、廃棄物削減の取り組みとして、いわゆるバッテリレス・エンコーダと呼ばれているものがあります。
これまでのエンコーダ製品では、電源オフ時も現在の角度情報を保持するために、そのメモリをバックアップするための電池が必要でした。 そのバッテリ交換のために機器のメンテナンスが必要になります。 また使い終わったバッテリは廃棄物となってしまいます。
この煩雑なバッテリ交換を解消するために、バッテリレス・エンコーダ製品があり、磁気式、ST:光学+MT:磁気のハイブリッド方式がラインナップされています。
●バッテリレス動作
・停止位置を不揮発性メモリに保持
・電源オフ時にモータシャフトが移動しても、自己発電機能により、その位置を不揮発性メモリに保持
・再起動時、初期化動作不要
・動作安全性に寄与
●ST:シングルターン
・絶対角度情報を記憶
・高精度な光学式と通常精度の磁気式
●MT:マルチターン
・多回転情報を記憶
●モータに取り付ける形状(モジュール、AS38のみハウジング・タイプ)
●Energy Harvestingタイプは自己発電型でバックアップ・バッテリ不要
・回転角度情報、回転回数のバックアップ可能
●AS33(表中の写真はAS33-M42M)は磁気式、AS38(表中の写真はAS38-H39E)、および、AS35は光学式と磁気式のハイブリッド型
●上図右記のAS37(表中の写真はAS37-H39B製品)は光学式+磁気式のハイブリッド型で、かつ従来型のバックアップ・バッテリが必要な製品です。
バッテリレス・エンコーダの原理
バッテリレス・エンコーダはEHMT(Energy Harvesting Multi-Turn)とも呼ばれ、モータのシャフトが回転すると、シャフトに付けられた磁石が回転し、ウィーガンドワイヤで作られたコイルに電力が発生します。この電力を使用することで、外部バッテリなしでも、不揮発性メモリへのSTとMT情報の保持が可能となりました。
バッテリ交換が不要になることで、その交換費用や、廃棄バッテリをなくすことが可能になります。
エンコーダのインターフェイス
エンコーダをマイコンに接続するためのインターフェイスには、さまざまな形式を選択できます。
光学式エンコーダでは、アナログ、TTL、SPI、SSI、RS485、Biss-C、ESLなどから選択できます。
磁気式エンコーダでは、TTL、SPI、SSI、RS485、Biss-Cなどから選択できます。
各エンコーダで対応しているインターフェイスの詳細につきましては、各エンコーダのデータシート(DS)やアプリケーション・ノート(AN)をご参照ください。
次回予告
次回は、磁気式エンコーダIC AEAT-9955とその開発支援ボードHEDS-9955PRGEVBをご紹介させていただきます。