商品基礎情報
交通事故紛争への車載データ利活用 路上走行の実証実験での採用事例
一般社団法人 車載データ解析協会(通称:CDRA)主催の、岡山県で開催された「交通事故紛争への車載データ利活用 路上走行の実証実験」にEDRデータ評価ツールとして、DTS社TSR AIRが使用されました。
この実証実験では、実際にADAS(Advanced Driver Assistance System: 運転⽀援システム)とEDR(Event Data Recorder)、ドライブレコーダーを搭載した⾞両を実際に⾛⾏させ、ADASセンサーの誤検知を模擬した上で、衝突被害軽減ブレーキが作動して緊急停⽌した⾞両に対して、後続⾞両が衝突、停⽌回避できる状況であったかを検証し、その状況を複数のチームが取得データを元に再現報告書を作成した後、実際の状況と⽐較検証を⾏いました。
BOSCH社CDRにて車両搭載のEDRデータを抜き取り、その結果をTSR AIRで計測した結果と比較しました。
TSR AIRでは、加速度データを計測しており、解析ソフトORME社トラックレポートを用いて一回積分による速度データを算出、EDRで記録された速度データとの比較を行いました。
また、事故現象詳細に録画するための、NAC社ハイスピードカメラによる動画も解析レポートに組み込み、それらのタイミングを合わせこみました。
EDRデータとTSR AIRの計測解析データとの比較考察
TSR AIRでは、記録サンプリングを20ksps(1秒間に20,000点=0.05msec)にて記録しました。
EDRデータは、メモリ、バッテリ等の仕様に基づいた記録をします。
TSR AIRにおいては、加速度を計測しているため、一回積分による速度を算出し、EDRに記録された速度データとの比較を行いました。
それぞれの機器のタイミングを合わせこむため、高速度カメラによる動画、EDRおよびTSR AIRのデータの時間情報を合わせこみました。時間合わせについては、高速度カメラによる現象を基準に、EDRデータ、TSR AIRデータを合わせこんだ為、今後はこれらが自動で合わせこみできるような工夫が必要になってくると課題を得ました。結果は、下図の通り、EDRデータと1回積分によるTSR AIRデータは完全に一致し、TSR AIRがEDRデータの基準ツール、評価ツールとなりうることが証明されました。
TSR AIRに関しては、販売・レンタルや計測サポートも承ります。ご興味ございましたらぜひお問合せください。
TSR AIR 製品紹介
11センサ内蔵データロガーTSR AIR
3軸低加速度(振動)、3軸高加速度(衝撃)、3軸角速度(ジャイロ)、温度、大気圧センサの合計11要素を計測可能なセンサ、メモリ、バッテリー内蔵のデータロガーです。
小サイズ(45mmx45mmx15mm)、軽量(50gm)な設計で、11要素を計測、記録可能なことから、汎用的ロガーとして、様々な計測に応用可能です。そのパッケージの優位性を活かし、ドローン、eVTOL、小型衛星、各種ロボットなどに設置し、静的計測、動的計測を容易に実現できます。
常時スリープモードで、省電力化を実現し、「トリガによる起動、記録開始」や「任意設定時刻による起動(繰返し記録)、記録」、「任意設定レベルトリガによる起動、記録」と多種の記録開始方式を持ち、記録終了後は再度スリープモードに入り、イベント入力を待ちます。