警備ロボットを導入するメリットを解説!種類や選ぶポイントを併せて紹介
現代において警備業務は、人手不足や労働環境といった課題を抱えがちな仕事です。少子高齢化が叫ばれるなかで人材が集まりにくい側面もあり、問題解決への施策を打ち出せない企業も多いのではないでしょうか。
そこで検討したいのが、人手不足やコスト削減を実現できる警備ロボットの導入です。この記事では、警備ロボットの概要や種類、導入メリットなどを解説します。
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警備ロボットとは?
警備ロボットとは、警備対象のエリアを巡回しながら内蔵のカメラに周囲の状況を映し出し、警備室へ映像を届けるロボットのことです。そもそもロボットは「NEDOロボット白書2014」(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)によると、以下のように定義されています。
センサー、知能・制御系、駆動系の3つの要素技術を持つ、知能化した機械システム |
警備ロボットは、これらの要素を取り入れたシステムを有し、現場での巡回警備業務や立哨警備業務を担います。
警備ロボットの種類
警備ロボットは主に3種類あります。ここでは、種類ごとの特徴を解説します。
巡回型ロボット
巡回型ロボットとは、施設内や決められた範囲内を巡回しながら警備を行うタイプのロボットです。設定されたルートを自律走行し、不審者や異常を検知します。警備対象エリアの巡回は、これまでは人が行ってきた仕事です。
しかし、人の目で見ても不審者や異常を常に感知できるとは限りませんでした。巡回型ロボットであれば事象を機械的に判断できることから、導入によってセキュリティレベルを向上できます。
ドローン型巡回ロボット
ドローン型巡回ロボットとは、ドローンにつけたカメラで空中から監視する警備ロボットです。設定されたルートを自律飛行し、不審者や不審物などを上空から追跡しながら監視します。地上だけの警備では、死角が生まれて見落としやすい場所でも監視が可能です。
遠隔操作型ロボット
遠隔操作型ロボットとは、無線を使って人が操作しているタイプのロボットを指します。遠隔操作型ロボットを使えば、様子を見たい場所を臨機応変にロボットで確認できるだけでなく、必要に応じて対応を変えることも可能です。
したがって、遠隔操作型ロボットは人間による判断が必要な場面で活用されます。細やかな欲求に応えられる一方、1台に1人の操縦者を必要とするためコストは多くかかるタイプです。
警備ロボットを導入する効果
警備ロボットを導入するとどのような効果を得られるのでしょうか。警備ロボット導入による効果を解説します。
人手不足の解消
警備ロボットを導入すると、人間の役割となっていた作業をロボットが行うため、人手不足の解消につながります。警備業界は慢性的に人手不足が課題となっている業界です。今後、少子高齢化の促進にともない、さらなる人手不足が想定されています。しかし、警備ロボットが人の手で行う業務を代行することで、少ない人数でも一定程度の警備が可能です。
警備にかかるコスト削減
警備ロボットを導入することにより、警備にかかるコストを削減できます。これは、警備ロボットを導入した分、人を雇用する必要がなくなるためです。警備業務は、安全性を保つために警備員を減らせず経費削減が難しいと思われがちですが、人の代わりにロボットを導入すれば警備の質を保ちながらコスト削減が可能です。
警備ロボットを導入するメリット
警備ロボットの導入には以下のようなメリットもあります。ロボットならではのメリットをチェックしてみましょう。
24時間体制で警備できる
警備ロボットを導入すると、24時間体制で警備が可能になります。もちろん、警備員を24時間雇用すれば、警備自体は可能ですが経費がかかるでしょう。また、少ない人数で24時間警備を行えば集中力も落ち、安全性に問題が生じます。
一方、警備ロボットなら24時間警備を続けても安定した稼働が期待できます。夜間や炎天下などでも警備可能なため、労働環境の問題解決にもつながります。
警備業務の効率化
警備ロボットを導入すると、人だけで行う警備に比べて業務効率化が可能です。たとえば、立哨警備や巡回警備は、ルーティンワークが多く定型化されているため、プログラムされたロボットにそのまま任せられます。ロボットによる警備が問題ないようであれば、人員を他の業務に回せるようになり、業務効率化を図れるでしょう。
精密な監視が可能
警備ロボットのなかには優れた機能が備わっているものがあり、人では難しい細部の確認ができるようになりました。たとえば、サーモセンサーが搭載されたロボットは、機器の発熱などを警備員が気づかない段階で早期発見できるでしょう。また、撮影機能が搭載されたロボットは、画像や映像つきの警備資料を作成できます。
警備ロボットを選ぶポイント
警備ロボットを導入する際は、複数の要素を考慮して選ぶことが大切です。具体的なポイントについて以下で解説します。
警備機能
警備ロボットごとに、有している機能には違いがあります。自社が行う警備の種類に合わせて、ロボットがもつ機能を吟味して選ぶようにしましょう。警備といえば監視を行うイメージがついていますが、施設案内や清掃も併せて実施できるようなロボットもあります。警備業務以外の機能が備わっていると、さらなる業務効率化につなげられるでしょう。
連続稼働時間
警備ロボットには連続稼働時間があります。特に広い敷地内で稼働させるなら、連続稼働時間は需要なポイントです。警備ロボットが適切に警備と充電を繰り返せるよう、連続稼働時間が切れる前に、ロボットが戻れる位置に充電スポットを設置する必要があります。稼働時間をあらかじめ考慮し、計画的に警備ロボットを選んでください。
本体サイズ
警備ロボットを稼働させていないタイミングでは、ロボットを保管しておく必要があります。そこで無理なく保管できる大きさのロボットを選ばなければなりません。ロボットが稼働していないタイミングとは、警備していない時間帯や、充電時が該当します。24時間の警備を行う予定だとしても充電時は充電場所に留まるため、スペースを充分に考慮しましょう。
充電時間
警備ロボットの選定にあたっては、充電時間に着目した検討も重要です。充電に何時間かかるのかを把握したうえで、ロボットの稼働計画を立てましょう。一般的に警備ロボットは、稼働時間よりも充電時間の方が長くかかります。
長時間に渡って警備ロボットを投入するなら、充電時間を考慮して複数のロボットを用意する、人手不足になる時間帯を中心に利用するなどの方法も検討しましょう。
重さ
警備ロボットの重さは、導入機種を決めるには見落としがちですが重要な要素です。警備ロボットを移動させる場合、持ち上げる必要がある点を考慮しなければなりません。
警備ロボットの移動が必要になるケースとは、主に段差を超える場合です。機種や機能によって重さには差が出るため、1人で持ち運びできるか、複数人が必要なのかなど、従業員の手で持ち運びが可能かどうかを検討してください。
移動速度
広い敷地を警備させる場合は、ロボットの移動速度が遅いと時間がかかってしまいます。スムーズな警備のためには、敷地の広さに見合ったスピード感が必要です。反対に、警備ロボットを使うのが狭いオフィスフロアの場合は、スピードの速さは重要視しなくても問題ありません。導入目的に合わせて必要なスピードを検討し、機種選びに活かしましょう。
屋外稼働
ロボットは精密機械のためホコリや水分に弱く、基本的には屋内用のロボットがほとんどを占めています。ただし、屋外用のロボットも登場しています。設置場所や目的によって、屋外でも稼働させる予定がある場合、屋外用のものを選びましょう。その際は、電池残量が少なくなった際に自動で帰還して充電するタイプがおすすめです。
価格・料金
警備ロボット導入にかかる金額の検討も重要です。警備ロボットは導入だけでなく、維持にコストがかかるため、価格や利用料金と機能のバランスを考えましょう。また、機能が豊富なものは本体価格や利用料金も高額になりがちです。ロボットの導入によってどの程度、経費が削減できるかも試算してみると、導入にかけられる金額を割り出しやすいでしょう。