商品基礎情報

UTPマイクロホンについて
UTP(Ultra Thin Precision microphones)マイクロホンは、GRAS社史上最薄のマイクロホンです。GRAS社はマイクロホンの厚さを薄くするため、従来の製造方法を一新させ、厚さ1mmの画期的なマイクロホンを開発いたしました。
一般的にCFD(数値流体力学)のモデリングでは、空気の流れと乱流を完全にシュミレーションすることは困難です。この問題を解決するためには高精度の実測データが必要です。そのため、マイクロホン自身を非常に小さく、薄く、空力学的に正しく成形された形状が必要となります。これがGRAS社のUTPマイクロホンの開発背景です。
UTPシリーズには、4種類のマイクロホンをご用意しております。高いダイナミックレンジを持った48LA、中程度のダイナミックレンジと高周波対応した48LX-1、また48LX-1を4チャンネルと8チャンネルのアレイ形状にした、48LX-4と48LX-8をご用意しております。詳細な仕様については、下記をご確認ください。




仕様
●48LA/48LX-1仕様
型番 | 48LA | 48LX-1 |
感度 | 0.12mV/Pa | 0.6mV/Pa |
ダイナミックレンジ | 64 dB(A)~184 dB | 54 dB(A)~170 dB |
周波数範囲 | 20 Hz~20 kHz (±2dB) | 20 Hz~40 kHz (±1dB) |
16 Hz~31.5 kHz (±3dB) | 10 Hz~70 kHz (±3dB) | |
温度範囲 | -20℃~+85℃ | |
厚さ | 1mm | |
末端コネクタ | マイクロドット、TEDS内蔵 |
●48LX-4/-8仕様
型番 | 48LA-4 | 48LX-8 |
感度 | 0.6mV/Pa | |
ダイナミックレンジ | 54 dB(A)~170 dB | |
周波数範囲 | 20 Hz~40 kHz (±1dB) | |
10 Hz~70 kHz (±3dB) | ||
温度範囲 | -20℃~+85℃ | |
厚さ | 1.35mm | |
マイク間の感度差 | 最大2dB | |
マイク間の位相差 | ±5° | |
末端コネクタ | D-sub15ピン、TEDS内蔵 |
アプリケーション
現在、自動車開発、航空開発において、空気設計は重要な指標になっていますが、CFD(数値流体力学)では、空気の流れと乱流を完全にシミレーションすることは困難なため、測定を行い高品質のデータを取得する必要があります。GRASでは、風洞試験において、最高のデータを取得できるために、UTPマイクロホンを開発しました。UTPマイクロホンは厚さ1mmと非常に薄いため、風洞試験において、正確に空気の流れや乱流を測定できます。
空力音響は自動車の設計、認証、運用において、重要な要素です。一般的な空力音響源は下記図です。各コンポーネントから騒音が発生する可能性があり、風切り音は自動車ノイズにおいて、重要な指標です。また、電気自動車になることで、車体の空力設計はより最適化され、車体表面の風速が早くなり、風切り音も大きくなります。またエンジンノイズのマスキング効果がなくなるため、風切り音低減がより重要です。そのため、UTPマイクロホンの有効性が高まっています。
風切り音に影響を与える車体設計は形状、空洞、密閉性です。形状について、風切り音に直接影響を与える部品としては、Aピーラー、サイドミラー、フロントガラスワイパー、アンテナ、アンダーボディーなどがあります。
空洞について、自動車の空洞騒音の発生源は主に2つあります。サンルーフや窓などの大きな空洞から発生する騒音と、ドアのすき間やボディパネルのすき間など小さな空洞から発生する騒音です。車室内に聞こえる風切り音は、速度によって異なります。一般的に時速100kmを超える高速走行時には、風切り音が車室内を占める割合が大きいです。電気自動車になることで、この影響はさらに増加しています。
密閉性について、形状や空洞とは異なり、密閉性は車室内の聞こえる全体的な騒音を低減することができます。密閉性の品質は騒音低減に直接影響を与えます。特に5kHzを超える高周波帯域で影響を与えます。
取付方法
UTPマイクロホンの取付方法について、取付動画をご用意しております。1chタイプにでは、取付用のフェアリングとクリックマウントを用意しております。フェアリングはフェアリング自体を取り外すことなく、マイクロホンのみを取り外すことができます。またロック機構になっています。
GRAS UTPマイクロホン 1chタイプ取付方法
GRASでは超薄型のUTP(Ultra Thin Precision microphones)マイクロホンを開発しました。UTPマイクロホンは厚さ1mmのサーフェイス形状になっており、GRAS社史上最薄のマイクロホンになります。
1chタイプの48LX-1と48LAは取付用のフェアリングとクリックマウントを用意しております。フェアリングはフェアリング自体を取り外すことなく、マイクロホンのみを取り外すことができます。またロック機構になっています。

GRAS UTPマイクロホン アレイタイプ取付方法
GRASでは超薄型のUTP(Ultra Thin Precision microphones)マイクロホンを開発しました。UTPマイクロホンは厚さ1mmのサーフェイス形状になっており、GRAS社史上最薄のマイクロホンになります。
アレイタイプの48LX-4と48LX-8は多点測定を容易にします。一度に多くのマイクロホンを使用する風洞試験では、マイクロホン取付作業に時間がかかってました。UTPマイクロホンを使用することで、取付時間短縮を実現します。

校正方法
UTPマイクロホンは現場で校正が可能です。校正アダプタRA4800を使用いただくと、音響校正器で校正が可能です。RA4800はヘッドホンなどで使用されている柔らかいパッドを備えており、このパッドが密閉をします。アダプタは全てのUTPマイクロホンで使用できます。

