放射束、放射強度、放射照度、放射輝度について解説
人間の目に見える可視光は電磁波の一種です。可視光に関する輝度、光束、照度、光度などの測定単位や用語については以前の記事で紹介しました。これらは人間の目の反応と関係付けた測定となっています。それでは、人間が見ることができるとは限らない電磁放射線全体の測定単位や用語はどうなっているのでしょうか?それらについて、わかりやすく解説したブログ記事をご紹介いたします。
Luminus Devices 高輝度・高出力・高効率 LEDはこちら
Luminus Devices 一般照明向け LEDソリューションはこちら
Luminus 高輝度・高効率 赤外線 IR LEDはこちら
Luminus 深紫外 UVC LEDラインアップはこちら
Luminus Devices 技術ブログはこちら
お問い合わせはこちら
放射輝度はどのように測定されますか? 放射束、放射量、放射強度の違いは何ですか?
通常、電磁放射線のスペクトル全体は、波長とパワーによって測定および分類されます。一方の端 (短波長) には高エネルギーのガンマ線があり、もう一方の端 (長波長) には低エネルギーのマイクロ波と電波があります。スペクトルの中間には、人間の目に見える非常に狭い範囲があります。マイクロ波や X 線など、ほとんどの放射線は目に見えません。
この可視光範囲は、約 380 ナノメートル (nm) から 830 nm までの波長で、範囲の下限は紫外線 (UV)、上限は赤外線 (IR) で区切られます。
図1.宇宙の電磁放射の全スペクトル
X 線、マイクロ波、電波などの目に見えない波長も含まれます。下のバーは可視光の拡大図です。可視光は、人間の目が認識できる狭い範囲の電磁スペクトルです。
電磁放射は波動粒子二重性を示し、光子(フォトン)束と光子エネルギーの概念を使用して特徴付ける方が便利な場合があります。LED の例としては、光子束 (μmol/s で測定) が光合成速度に直接関係する園芸照明が挙げられます。
(周波数に比例する)光子エネルギーは、LED の技術的な議論では一般的に使用されません (周波数より波長の単位であるナノメートルが良く使用されます) が、波長が短いほど光子エネルギーが高くなるという基本的な概念は、さまざまな光化学プロセスや光生物学的プロセスの波長感度の解釈に役立ちます。
放射測定
輝度などの用語が可視光の特性を表すために使用されるのと同様に、放射エネルギーの特性を表すために使用される一連の標準測定があります。すべての放射エネルギーを測定することを放射測定と呼び、目の反応と組み合わせた可視光を測定することを測光と呼びます。放射測定の用語とその意味は次のとおりです。
放射束(Radiant flux)
放射源から全方向に放射される電磁エネルギーの総量を測定します。科学者のジェームズ・ワットにちなんでワット (W) 単位で測定されます。放射束は放射パワーと呼ばれることもあります。
放射強度(Radiant intensity)
3 次元の角度内でソースから放射されるエネルギーの総量。放射強度は、ワット数/ステラジアン(立体の角度測定単位。単位球が円錐に切り分けられた場合、ステラジアンは球の外縁と交差する各円錐の表面積の単位になります)として測定されます 。
放射照度(Irradiance)
舗装道路の平らな部分に当たる太陽からの放射エネルギーの量など、表面に当たるエネルギーの測定値。放射照度はワット/平方メートル (W/m²) として測定されます。
放射輝度(Radiance)
角度ごと、面積ごとに、表面で反射、透過、または受信される総エネルギーを指します。これは方向性のある量で、ワット/ステラジアン/平方メートル (W/sr·m²) として測定されます。
放射輝度は、時には「強度」と呼ばれることもあります (輝度が一般に「明るさ」と呼ばれるのと同じです)。しかし、技術的および科学的な目的のために、正しい用語を以下にまとめます。
表1.測定放射の用語とその意味
関連記事
まとめ
放射束、放射強度、放射照度、放射輝度とは?
可視・不可視を問わず、すべての放射エネルギーを測定することは放射測定と呼ばれます。放射測定には、放射束(Radiant flux)、放射強度(Radiant intensity)、放射照度(Irradiance)、放射輝度(Radiance)といった用語があり、それぞれ可視光の光束(Luminous flux)、照度(Illuminance)、光度(Luminous intensity)、輝度(Luminance)に対応しています。